TASAKI売却で周大福が一時関心、応札はせず (訂正)

投資会社が保有する宝石企業TASAKI株 の売却手続きで、関心を持っていた企業に世界最大の中国の上場宝石会 社、周大福珠宝集団が含まれていたことが分かった。ただ、同社は現在 までに応札はしていない。複数の関係者の話で明らかになった。

事情に詳しい関係者によると、投資会社MBKパートナーズは4 月、周大福を含む複数の企業から、TASAKI株の購入意欲を探っ た。関係者二人によると、周大福は現在までに応札はしていないとい う。

周大福は香港の資産家、鄭裕タン氏が大株主。ブルームバーグ・デ ータによると、同氏の個人資産は149億米ドルで香港で4番目の資産 家。中国、香港、シンガポールなどのアジア各地で宝飾品の小売店を展 開しており、昨年8月には米ハーツ・オン・ファイアを買収した。ブル ームバーグ・データによれば、買収額は1億5000万ドル(約185億 円)。

TASAKIは1959年設立。真珠の製造・販売のほか、ダイヤや宝 石の販売も手掛けているが、業績の低迷から08年にはMBKから優先株 で69億円の出資を受け入れた。その後、アベノミクス効果による景気回 復や円安にも支えられ、13年10月期に9期ぶりに黒字化した。14年11月 -15年1月の3カ月間の純利益も前年同期比3倍近くに拡大。昨年末か ら株価が急回復したこともあり、MBKは投資回収に動き出した。

TASAKIの田中雅彦IR担当マネージャーは電話取材に対し、 今回の件について「コメントする立場にない」としている。周大福は、 「現時点で、いかなる買収も計画していない」とコメントした。MBK の外部広報担当はコメントを控えた。

カーライルの元幹部らが設立した投資ファンドのMBKパートナー ズは現在、請求書管理サービス企業のインボイス、コーヒー店チェーン のコメダ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に投資してい る。

外国企業による日本企業のM&Aは14年に08年以降最多の110件に 達したが、国内M&A全体の1割以下。中国・香港系企業では、蘇寧雲 商集団が家電量販店のラオックス株式を11年に取得したほか、ゲンティ ン・ホンコンが今年3月に日本郵船の米旅客船子会社のクリスタル・ク ルーズを5億5000万ドルで買収することに合意した。