日本株は11日続伸、海外勢買い期待や為替安定-素材関連高い

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29日の東京株式相場は11営業日続伸。国内景 気、企業業績の改善などを背景に海外投資家の日本株買いが続くとみら れた上、為替の安定も好感された。非鉄金属や鉄鋼など素材株、情報・ 通信株が高く、機械など輸出関連株の一部も終盤に持ち直した。

TOPIXの終値は前日比0.89ポイント(0.1%)高の1673.65、日 経平均株価は11円69銭(0.1%)高の2万563円15銭。11連騰は TOPIXで2009年8月、日経平均で1988年2月に記録した13連騰以来 の連続上昇記録で、ともに連日の年初来高値更新となった。

みずほ信託銀行の浅岡均シニアストラテジストは、「需給が底堅い という見方が続いていた中、ドル高・円安の進展は国内企業業績の改善 につながるため、さらに需給を後押ししている」と指摘。来週末に発表 される「米国雇用統計まで、このトレンドは続くだろう」と話した。

きょうの日本株は、前日に日経平均が27年ぶりに10連騰し、上昇ピ ッチの速さや欧米株安、ギリシャ情勢の不透明感を嫌気した売りで反落 して始まったが、早々にプラス圏に浮上。その後は週末要因も重なり、 方向感に乏しい展開が続いたが、結局TOPIX、日経平均とも小幅な がら上昇して終えた。

海外勢による日本株買い継続の動きが需給面で安心感につながった 上、国内経済統計の改善傾向も相場全般を支えている。東京証券取引所 が28日に公表した5月3週(18-22日)の投資部門別売買動向では、海 外投資家は3週連続の買い越しで、買越額は4376億円と4月4週の7080 億円以来の多さだった。

香港ミラボー・アジアのトレーディング担当ディレクター、 アン ドルー・クラーク氏は「中国と比較し、長期的な見方から日本を選んで いる投資家もいる」と言う。前日の中国上海総合指数は6.5%安と急落 するなど、波乱含みとなっている。

取引開始前に発表された日本の4月の鉱工業生産指数は、前月比 1%上昇と3カ月ぶりにプラス転換。有効求人倍率は1.17と、3月 の1.15から改善した。4月の全国消費者物価指数(CPI)は前年同月 比0.3%上昇と、3月の2.2%上昇から伸びが鈍化したが、市場予想 の0.2%上昇を上回った。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナ リストは、「消費増税分が剥げ落ちた形になり、水準としてはほぼ予想 通り。トータルしてみると悪くない」と指摘した。

売買代金は3月来の高水準

29日のドル・円相場は、1ドル=123円60-90銭台で推移。前日の 海外市場では一時1ドル=124円46銭までドル高・円安方向に振れた。 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれたドイツのドレ スデンで28日、麻生太郎財務相は「足元の円安方向にこの数日間を見れ ば、荒い動きがある。市場の動きを今後とも注意深く見ていきたい」と 発言。これに対し、甘利明経済再生相はけさの閣議後会見で、過度な円 安というところまでいってないと述べた。

東証1部33業種は非鉄金属、鉄鋼、鉱業、空運、通信、水産・農 林、ゴム製品、機械など19業種が上昇。非鉄では、クレディ・スイス証 券が目標株価を上げた東邦チタニウムなどチタン関連の上げが目立っ た。保険や医薬品、証券・商品先物取引、陸運、不動産など14業種は下 落。東証1部の売買高は32億9190万株、売買代金は3兆6663億円と3 月13日以来の高水準。値上がり銘柄数970、値下がり774。

売買代金上位では、中国でネット通販を今夏にも始めると日本経済 新聞が報じたヤフーが急伸。東芝やNTT、ディー・エヌ・エー、クボ タ、JFEホールディングス、自社株買いを行うナブテスコも高い。エ ーザイや日本空港ビルデング、日本電産、損保ジャパン日本興亜ホール ディングス、セコムは安い。

--取材協力:Anna Kitanaka.

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