FIFAへの汚職捜査、カタールのW杯計画に再び厳しい視線

2022年のサッカー・ワールドカップ(W杯) 向けインフラ建設で移民労働者の酷使疑惑の沈静化に苦戦しているカタ ールに対し、W杯開催計画(2000億ドル=約25兆円規模)をめぐり再び 厳しい視線が注がれている。

カタールは国際サッカー連盟(FIFA)の汚職疑惑をめぐる捜査 に間接的に巻き込まれた。スイス検察当局は18年と22年のW杯開催地に ロシアとカタールがそれぞれ選定されたことに関連し刑事捜査手続きを 開始したと発表。これとは別に米当局はFIFA関係者9人を組織犯 罪、電信詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)の罪で起訴した。

ロシアとカタールの両国政府は不正疑惑を否定し、FIFAは開催 地変更はないと説明しているが、カタール株式市場の指標は27日、約2 カ月で最大の下げを記録した。

中東リスクに関して顧客に助言するコーナーストーン・グローバ ル・アソシエーツ社の創業者ガーネム・ヌセイベ氏は、カタールは「最 後まで闘うだろうが、楽な闘いにはならない」と指摘。「今回の事態で カタールのW杯招致にさらに厳しい視線が向けられるリスクが高まっ た」と述べた。

液化天然ガス(LNG)輸出で世界最大のカタールは世界で最も注 目を集めるスポーツイベントであるW杯の開催に向けてインフラに 約2000億ドルを投じる。同計画には少なくとも8カ所のスタジアム新設 のほか、350億ドル規模の地下鉄・鉄道システム整備が含まれる。新た な幹線道路も建設され、首都ドーハの北には人口20万人の都市が出現し つつある。

カタールは5年前にオーストラリアや日本、韓国、米国を抑えてW 杯開催権をFIFAから与えられた。同国はほぼ全ての大会用施設を最 初から建設する必要があったため、FIFAは候補国の中で唯一、運営 リスクが「高い」と評価していた。カタールはライバルの候補国よりも 多くの資金を費やし、W杯招致大使には元フランス代表ジネディーヌ・ ジダン氏らを起用していた。

原題:FIFA Graft Probe Threatens New Scrutiny of Qatar’s World Cup (1)(抜粋)