企業でなく国家巻き込むスマホ戦争勃発-特許めぐる「冷戦」

スマートフォン市場のシェア争いが、企業間 ではなく国家を巻き込むスマホ戦争とでも呼ぶべき新たな局面に入りつ つある。

韓国と中国は米国のアップルやクアルコムなどの企業に対し、特許 を競合他社にこれまで以上に簡単な手続きで安くライセンス供与するこ とを義務付ける独占禁止法規定を導入しつつあり、これが外国企業との 競争で国内企業への支援策となる可能性がある。ブラジルとインドも同 様の政策を検討している。

調査会社IDCによれば、世界の携帯電話市場の規模は昨年時点 で4120億ドル(約51兆円)。特許に対する厳しい対応はこの市場のパワ ーバランスを変える可能性がある。アップルやマイクロソフト、クアル コムは毎年、米特許取得件数で常時上位15社入りしているが、新たな独 禁法規定が世界最大の携帯電話市場である中国などでこうした企業の競 争力を弱める可能性がある。

モリソン・フォースターの反トラスト法(独禁法)担当弁護士ブラ ッドリー・ルイ氏(ワシントン在勤)は、世界が「冷戦とドミノ理論に 後戻りしつある。中国当局は国有企業を含め中国内の企業に影響する公 算の大きい特許の潜在的な活用を見据えている。米国より広範なルール につながる推進力となるかもしれない」と述べた。

特許がイノベーション(技術革新)の促進ではなく阻害につながっ ているのではとの議論が米国で巻き起こっていることもあり、中韓を含 めた外国政府は欧米の特許政策を注視している。クアルコムの国際行政 問題担当顧問ショーン・マーフィー氏は「本来外国は無関係の国内議論 を外国政府が利用しつつあり、行動正当化の理由を外国政府に与えてい る」と述べた。

韓国は特許規制を昨年12月に実施。韓国はアップルのスマホ「iP hone(アイフォーン)」を模倣したと主張した同社と数年にわたり 争ったサムスン電子の母国だ。中国は今年8月1日までに規定を導入す ると見込まれている。全米アカデミーズの記事によれば、ブラジルとイ ンドは政策の立案に着手したばかり。貿易担当の米当局者はこの記事に ついてコメントを控えている。

原題:Smartphone ‘Cold War’ Seen in Asian Moves on Patent Licensing(抜粋)

--取材協力:Adam Ewing、Tim Culpan.