サントリ食:JT飲料自販機事業と「ルーツ」など取得、1500億円

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サントリー食品インターナショナルが日本た ばこ産業(JT)の飲料自動販売機事業と飲料ブランドを取得すること で基本合意した。買収価額は約1500億円。清涼飲料首位コカ・コーラの 追撃体制を整える。

発表資料によると、JTが保有する自販機事業子会社の株式と、コ ーヒー「ルーツ」と清涼飲料水「桃の天然水」の飲料ブランドを取得す る。最終契約締結日は7月を予定しており、業績への影響は両社ともに 精査中としている。

JTは2月に飲料の製造販売事業からの撤退方針を発表しており、 飲料の自販機事業については「今後さまざまな可能性を検討する」とし ていた。事情に詳しい複数の関係者によると4月、JTは入札での同事 業の売却を検討し、サントリ食を含む複数企業のほか、プライベートエ クイティ(PE)投資会社も売却先候補として打診。額は最大で1000億 円に上る可能性もあるとしていた。

サントリ食の鳥井信宏社長は同社グループの自販機が「一気に増え る」ことで、同社製品の売り上げを伸ばすだけでなく、「総合飲料サー ビス提供事業をより進化させることで、お客様の満足度をさらに高めた い」と都内の会見で述べた。同席した同社小郷三朗副社長によると、26 万台の自販機を獲得する。

調査会社の飲料総研によると、2013年の国内清涼飲料販売の約32% を自販機が占め、コンビニエンスストアの21%を上回る。最大はスーパ ーマーケットの37%。清涼飲料自販機の稼働台数は247万台だった。

コカ・コーラとの競争

「コカ・コーラを追い抜く本気度が見える」と飲料総研の宮下和浩 取締役は電話取材で述べた。「販売チャネルでサントリーがコカ・コー ラに負けているのは自販機だけ」であり、「唯一の弱点を補って近づく ためのディール」だと話した。

13年の飲料総研のデータによると、コカ・コーラの自販機での販売 比率は43%で、サントリーは32%だった。清涼飲料の昨年のシェアでは サントリ食が20.5%の2位で、JTの1.6%と合わせても首位コカ・コー ラの27.6%に及ばない。

買収するJT子会社の一つ、ジャパンビバレッジホールディングス はサントリ食以外にも、競合するアサヒグループホールディングス、キ リンホールディングスなどの自販機も扱っている。発表資料によると、 買収するJT子会社の「現行の取引関係を継続」することが基本方針 で、事業ノウハウなどを融合させることで成長を目指すという。

サントリ食の親会社のサントリーホールディングスの新浪剛史社長 はブルームバーグニュースが2月に行ったインタビューでJTの飲料自 販機事業の取得について、サントリ食が「精査しているので何とも言え ない。内容は分からない」とし、鳥井社長に「意思決定をどうするかと いうことは任せている」と話していた。

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