5月22日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、FRB議長発言やCPIに反応

22日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが上げを拡大する展開 となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の発言を受 けてドル買いの動きが強まった。朝方発表された消費者物価指数 (CPI)では、コア指数の上昇率が市場予想を上回った。

ドルは対ユーロで値上がり。イエレン議長はロードアイランド州プ ロビデンスでの講演で、年内の利上げ開始を見込んでいると述べた。ド ルは一時下げていたが反転した。4月のCPIでコア指数の上昇率がこ こ2年余りで最大となり、当局が利上げを開始する環境に一歩近づいた ことが手掛かりとなった。

スタンダード・チャータード(ニューヨーク)のシニアストラテジ スト、マイク・モラン氏はCPI統計について、「短期的にプラスに働 くのは確かで、イエレン議長の発言後もドルは堅調を維持している」と 指摘。「ポジションを組むという面では、よりバランスの取れた相場と いえる感じだ。ドルはここからさらに若干上振れする可能性がある」と 述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.8%高の1179.86。 今週は2.6%上昇と、週間では4月10日終了週以来の上げとなった。

ドルは対ユーロで0.9%上昇し1ユーロ=1.1013ドル。一時1.1002 ドルと、4月29日以来の高値を付けた。対円では0.4%高の1ドル=121 円54銭。

イエレン議長の講演

イエレン議長は講演で、想定通りに景気の回復が続いた場合は、年 内の利上げ開始が「適切」になるだろうと述べた。またその後の正常化 のペースについては漸進的になものになるとの認識を示した。

ドルは今週、主要16通貨全てに対して上昇した。米労働省が22日発 表した4月のCPIコア指数は前月比0.3%上昇と、伸びはブルームバ ーグがまとめたエコノミスト予想の中央値(0.2%上昇)を上回った。 総合CPIは0.1%上昇で、市場予想と一致した。

エドワード・D・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ウォ ーン氏は「インフレの動きが消えておらず、金融当局は留意する必要が あることがあらためて示された格好だ」と指摘。「当局が年内、もしく は想定より早い段階で利上げする兆候が見られれば、ドルは反応するだ ろう」と述べた。

今週発表された経済指標では、製造業活動や中古住宅販売の指標が 市場予想を下回った。金融当局は、利上げ開始のタイミングを見極める 上で経済データに注目している。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は「基調インフレが緩やかに上昇しているの かもしれない。ここ数週間に見られた一部の期待外れな経済データとは 対照的だ」と指摘。「このインフレ率は、9月の利上げを支持する形と なる可能性があり、それは最終的にドルにプラスだ」と述べた。

原題:Dollar Gains as Yellen Remarks on Rates Add to Inflation Boost(抜粋)

◎米国株:小反落、議長が年内利上げ示唆-コア物価上昇

22日の米株式相場は小反落。インフレ加速の兆候を示す指標が発表 されたほか、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内の利 上げ見通しを示したことが嫌気された。同議長はただ、引き締めペース については緩やかなものになると予想した。

ボーイングが1.7%下げ、航空株も安い。原油安を背景にエネルギ ー株も下げた。一方、ヒューレット・パッカード(HP)は2.8%高。 決算が予想を上回った。売上高が予想を上回ったソフトウエアのインテ ュイットは2.5%上昇。農業機械メーカーのディーアは4.4%高。同社 は2015年10月通期の利益予想を上方修正した。

S&P500種株価指数は前日比0.2%下げて2126.06で終了。前日は 最高値を更新していた。ダウ工業株30種平均は53.72ドル(0.3%)安 の18232.02ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.1%未満の下げ。終 盤に終値ベースの最高値を上回る場面もあった。25日はメモリアルデー の祝日で休場となる。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「少 し強いデータが発表されるごとに市場参加者はたじろぐようだ。当局の 利上げを可能にする材料が出てきたというのが、市場の最初の反応だ。 株価は最高値圏にあり、短期的にはやや買われ過ぎで、連休を前に持ち 高をやや減らす動きになっている」と述べた。

イエレン議長

イエレン議長はロードアイランド州プロビデンスで講演し、景気が 予想通りとなった場合、年内に利上げすることを見込んでいると発言。 「正常化へのペースは漸進的なものになると想定している」と続けた。 労働市場については本格的な回復に近づいているものの、「まだそこに は到達していない」と述べた。

議長はただ、雇用とインフレが当局の目標値に到達するまで初回利 上げを見送ることは「景気を過熱させるリスクがある」と付け加えた。

4月の米消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除くコア 指数の伸びが前月よりも拡大した。コア指数は前月比0.3%上昇 と、2013年1月以来で最大の伸びを記録した。最近発表された経済指標 は強弱まちまちで、利上げ先送り見通しが強まったため、株価を最高値 圏に押し上げる材料となっていた。

米金融当局者の大半は年内に利上げを実施する可能性が高いとみて いるが、具体的な時期は特定していない。ブルームバーグが実施した調 査によると、エコノミストの予想は9月となっている。

週間ベース

S&P500種は週間ベースでは3週連続高と、2月以来の長い上昇 局面となった。ダウ平均は20日に最高値を更新した。

前日に反発していた輸送株は再び下げた。デルタ航空などが下げ、 ダウ・ジョーンズ輸送株平均は0.8%安。

ドル上昇でドル建ての商品の魅力が低下し、原油相場が下落。これ を背景にエネルギー株も下げた。

原題:U.S. Stocks Decline After Inflation Data Rise, Yellen Remarks(抜粋)

◎米国債:下落、イエレンFRB議長が年内利上げの姿勢示す

22日の米国債は下落。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議 長は年内に利上げを想定していることあらためて表明した。

朝方発表されたコア消費者物価指数の伸びが市場予想を上回ると米 国債利回りは上昇した。イエレン議長はロードアイランド州プロビデン スで講演。景気が予想通りとなった場合、年内に利上げすることを想定 していると述べた。軟調な経済統計の内容を受けて、トレーダーは過去 2日間、初回利上げが来年にずれ込む可能性があるとみていた。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)はイエレン議長は「年内利上げを望んでいる」と述べ、 「市場に利回り上昇を説得しようとしている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後2時現在、2年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の0.62%。同国債(表面利率0.5%、2017年4月償 還)の価格は99 25/32。

短縮取引

米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告に基づき、この日の米 国債市場は午後2時までの短縮取引。25日はメモリアルデーの祝日で休 場となる。

イエレン議長は金融政策にあらかじめ決まった道筋はなく、景気が 予想以上のペースで回復した場合には引き締めペースを加速させる可能 性があり、そうでない場合には利上げのペースを減速させることもある と述べた。その上で雇用とインフレが当局の目標値 に到達するまで初 回利上げを見送ることは「景気を過熱させるリスクがある」と付け加え た。

労働省の発表によると、4月の消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)コア指数は前月比0.3%上昇と、2013年1月以来で最大の伸びを 記録した。コア指数は前年同月比では1.8%上昇と、前月と同じ伸びだ った。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「市場はCPI統計をタカ派的に受け止めている」と述べ、「コア指数 が強いことから当局がより注目するとみている」と続けた。

金融当局が注目する、現在の5年後から5年間のインフレ期待を反 映するブレーク・イーブン・インフレ率(フォワードBEI)は19日時 点で2.08%。

原題:Treasury Recovery Derails as Yellen Makes Case for Higher Rates(抜粋)

◎NY金:小幅続落、CPI受けて利上げ観測広がる

22日のニューヨーク金先物相場は小幅続落。米消費者物価指数 (CPI)のコア指数の伸びを受けて、利上げ観測が広がった。イエレ ン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は予想通りの景気展開なら年内 利上げを想定していると述べ、ドル相場は一段高となった。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話取材に対し、「インフレ率の上昇は大幅とは 言えないものの、利上げ不安を呼び戻すには十分だった」と指摘。「ド ルはすぐさま反応し、金に向かい風を吹きつけた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.1%未満安い1オンス=1204ドルで終了。週間では1.7% 値下がりした。

銀先物7月限は0.5%下げて17.051ドル。プラチナ先物7月限 は0.3%安い1148.60ドル。パラジウム先物6月限は1%上昇の784ド ル。

原題:Gold Futures Decline on U.S. Inflation Data, Fed Rate Outlook(抜粋)

◎NY原油:反落、ドル上昇で妙味低下-需給改善も見通せず

22日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が反落。4月の米消費者物価指数(CPI) 統計でコア指数の伸びが予想を上回ったことから、利上げ期待からドル が上昇。原油の投資妙味が低下した。

USバンク・ウェルス・マネジメントの投資担当シニアストラテジ スト、ロブ・ヘイワース氏(シアトル在勤)は電話取材に対し、「ドル 相場は上昇を続け、年内いっぱいは原油価格に下押し圧力を与えるだろ う」と予想。「世界の原油市場には十分な供給があり、需要が著しく上 向く兆候はみられない」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1ドル(1.65%)安い1バレル=59.72ドルで終了。週間では3セン ト上昇し、1983年以来で最長の10週連続高となった。

原題:Oil Falls as Dollar Advances While Crude Supplies Remain Ample(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、3週ぶり高値付近-ボーダフォン高い

22日の欧州株式相場はほぼ変わらずで、指標のストックス欧州600 指数は3週間ぶり高値付近にとどまった。週間ベースでは4月半ば以来 の大幅高となった。

ストックス600指数は前日比0.1%未満安の407.74で終了。一時 は0.4%下げた。英携帯電話サービスのボーダフォン・グループが最も 上昇。3日続伸となり、その上げ幅は2013年9月以降最大となった。一 方、ギリシャのアルファ銀行とヘレニック・テレコミュニケーションズ はともに3%強の値下がり。

ストックス600は週間ベースでは2.9%上昇。欧州中央銀行 (ECB)のクーレ理事が5、6月に国債購入を加速すると述べたこと が背景にある。

リサーチ・アンド・アセット・マネジメント(チューリヒ)のオッ トー・バサー最高投資責任者(CIO)は、センチメントは「依然とし て建設的だが、相場をさらに押し上げる引き金がなかった」とし、 「ECBが国債購入を前倒しするとの発表を市場は前向きに受け取っ た。量的緩和(QE)が安全かつ十分であることを確認させるものだと 解釈された」と語った。

個別銘柄では、ボーダフォンが4.6%上昇し、3営業日の上昇率 は12%。同社経営陣と会合したゴールドマン・サックス・グループがボ ーダフォンは一部資産を売却する可能性があると指摘した。一方、フラ ンス同業のブイグとオランジュは売られた。

この日の西欧市場で英FTSE100指数が0.3%上昇。スペインとド イツの主要株価指数はそれぞれ0.4%下げ、ギリシャのアテネ総合指数 は0.7%下落した。

原題:Europe Stocks Near 3-Week High; Vodafone Gains, Greek ASE Falls(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が反発-QE完全実施をECBが強調

22日の欧州債市場では、ドイツ国債が3日ぶりに上昇。今週は相場 の変動が激しく、欧州中央銀行(ECB)の当局者が債券購入プログラ ムを完全に実施する方針をあらためて強調した。

ドイツ10年債は週ベースでは5週間ぶりに値上がり。今月に入って からは売りの勢いが強まり、利回りが一時は昨年12月以来の高水準に達 していた。この日発表されたドイツの1-3月(第1四半期)国内総生 産(GDP)改定値で景気減速が確認されたほか、今月の企業景況感指 数は低下した。

ギリシャ10年債は週間ベースで値下がり。ラトビアの首都リガで行 われた話し合いでは救済融資再開への事態打開には至らなかった。

ノルデア銀行(ヘルシンキ)のチーフストラテジスト、ヤン・フォ ンゲリッヒ氏 (ヘルシンキ在勤)は「利回りを再び押し下げる新たな 勢いが急速に増しつつある」とし、「売り圧力が弱まった上にこの先は ECBが支え続けるのは明らかだ」と語った。

ロンドン時間午後4時20分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.60%。前日までの2 営業日で5bp上げていた。今週の利回りの変動幅は13bpで、21日に は0.68%まで上昇。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還)価格は この日、0.345上げ99.03。

欧州債の指標とされる同国債の利回りは4月17日には0.049%と、 過去最低を記録。5月7日には昨年12月8日以来の高水準となる0.78% を付けていた。

ECBのクーレ理事は今週、夏枯れ前の5、6月に国債購入を増や すだろうと発言。また、ECBが公表した先月14、15両日の政策委員会 の議事要旨によれば、最近決定した金融政策の実施を中心に据えながら 一貫した道筋に沿って政策を運営することが重要だとメンバーらは同意 した。これを受け、量的緩和(QE)プログラムが2016年9月よりも前 に終了するとの観測が後退した。

ギリシャ10年債利回りは14bp上昇の11.39%。前週末比では63b p上昇と、4月17日終了週以来の大幅上昇となった。

原題:German Bonds’ Turbulent Week Ends With Rally as Rout Seen Over(抜粋)