日銀総裁:現時点で緩和必要ない-手段も具体的に考えてない

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日本銀行の黒田東彦総裁は22日、金融政策運 営について、現時点での追加緩和の必要性を否定するとともに、追加緩 和の手段についても具体的には考えていないと述べた。

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、8対1の賛成多数で金融政 策の現状維持を決めた。黒田総裁は会合後の会見で、追加緩和について 「現時点で必要とは考えてない」と述べた。

さらに、「物価の基調が変化し必要があれば躊躇(ちゅうちょ)な く調整することに変わりないが 、今のところの見通しでは物価の基調 は今後着実に改善すると思っているので、何か追加的な策を具体的に考 えているということはない。仮に何か起きた時に具体的に追加的なこと をするとすれば、その時点での最も適切なことを行う」と語った。

日銀はこの日の会合で、景気認識について「緩やかな回復を続けて いる」として、これまでの「基調」という言葉を取って判断を前進させ た。黒田総裁は会見で、1-3月の実質国内総生産(GDP)が2期連 続プラスとなったことなどを受けて、個人消費、そして景気全体につい ての判断を「半歩というか一歩というか前進させた」と述べた。

22日の東京株式相場では、日経平均株価、TOPIXともに6日続 伸し、東証1部の時価総額は591兆3007億円と、バブル絶頂期の1989 年12月29日の記録を四半世紀ぶりに上回った。黒田総裁は「現時点で資 産市場や金融機関行動に行き過ぎ、あるいは過度の期待の強気化を示す 動きは観察されていない」と述べた。

金融市場の一部では、日銀の大量の国債買い入れがいずれ限界に達 し、量的・質的金融緩和の枠組みを修正せざるを得ないのではないか、 という思惑も出ているが、黒田総裁は「先行きについても、買い入れに 支障を来す事情があるとは思っていない」と語った。

バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストは決定会合後のリ ポートで、「日銀の景気判断の引き上げを踏まえると、追加緩和の可能 性は当面、下がったと言わざるを得ない」と指摘。追加緩和の予想時期 を従来の7月から来年4月に先送りした。

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