西武ホールディングスの株価が続落した。モ ルガン・スタンレーMUFG証券が21日夜、西武HDの発行済み株式総 数の約10%分を顧客に売却するために一時取得したと発表。この発表を 受け、株価は大きく下落した。その後モルガンMUFGは「投資家の旺 盛な需要」で株式転売は完了したと発表した。

西武HDの株価はこの日続落して始まった。その後も売り優勢で、 一時は前日比460円(13.9%)安の2840円まで下げる場面もあった。終値 での株価3000円割れは3月5日以来。午前の取引終了後に、モルガン MUFGが株式転売は完了したと発表。これを受け、午後の取引では下 落幅を縮め、11%安の2923円で22日の取引を終えた。

株価の下落について、バリューサーチ投資顧問の松野実社長は、米 投資ファンド、サーべラス・グループが「モルガンMUFGを通じて保 有株売却を始めたことにサプライズはない。市場は一連の情報に伴う混 乱を嫌気して売りが先行しているようだが、モルガンMUFGは混乱回 避のため、市場外で速やかに転売したようだ。今は冷静な対応が望まし い」との見方を示した。

その上で松野氏は、「ファンドがエグジット(出口)を模索するの は当然のこと。西武HDの株価をサーベラスの平均取得額から「3倍程 度にまで増幅させたことは素直に評価したい」とのコメントした。さら に「サーベラスが残りの保有分も追加売却するのかが次の焦点であり注 目している」と語った。

サーベラスは2006年に1000億円を投入して西武HDの前身となる西 武鉄道に資本参加。両者は当初は友好的な関係を維持していたが、12年 には西武の経営方針をめぐり両陣営が対立。サーベラスによる株式公開 買い付けなどで世間の注目を集めた。その後は再び関係改善が進み西武 HDの事業計画を支持すると表明している。ブルームバーグの試算によ るとサーベラスによる西武株式の平均取得額は約1000円。

依然として筆頭株主

22日付けの日経新聞朝刊は、サーベラスが保有株の売却を始めたこ とが21日に判明したと伝えている。情報源は開示していない。サーベラ スは西武HD株の35%を保有する筆頭株主。今回の売却後も依然として 筆頭株主となる。

モルガンMUFGの渡辺美嘉広報担当は、ブルームバーグの問い合 わせに対して「株式取得先の詳細は開示していない」とコメント。西武 HDの広報担当者、立木幸司氏と、サーベラス・ジャパンの広報もそれ ぞれノーコメントとした。

西武HDの高橋薫常務は12日の東証での業績発表会見で、筆頭株主 であるサーベラスとの関係について「非常に良好で信頼に基づく関係を 強化している」としてコメントした。両社の経営幹部による定期的な話 し合いは行っているのかとの問いに対しては、「相手のある話なのでコ メントできない」と述べるに留めた。

西武HDが12日に発表した15年3月期の連結業績は、主力事業の鉄 道事業を含む都市市交通・沿線、ホテル・レジャー、不動産の中核3事 業でそれぞれ増益となり過去最高を更新している。今期はさらに上積み を目指す。

同社は14年4月23日に新規株式公開、公開価格は1600円だった。ほ ぼ1年を経て、同社の株価は15年4月27日に終値ベースで過去最高とな る3640円まで上昇している。

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