「会長はどこだ」-漢能薄膜、24分間で時価総額2兆円超消失

李河君氏はどこにいるんだ。多くの出席者が 疑問に思った。

中国のソーラー発電機器メーカー、漢能薄膜発電の創業者兼会長で 大株主である李氏は、20日に開催された自社の年次株主総会に姿を現さ なかった。その日、同社の株価は前日比47%急落し、24分間で時価総 額190億米ドル(約2兆3000億円)を失った。

この1年、李氏は「薄くて曲げやすいソーラーセル」というモバイ ルエネルギーの新時代に関する自身のビジョンを熱心に説いてきた。自 動車からリュックサック、電話、テント、人工衛星、懐中電灯、ビル、 電灯、ドローン、衣料品に至るまで、間もなくほぼ全ての分野で製品が 使われるようになると見通しを語ってきた。それだけに同氏の総会欠席 は一層奇異な感じを抱かせた。

李氏の指揮の下で漢能薄膜の株価は過去1年で6倍を超える水準に 上昇し、時価総額で世界最大のソーラー企業となった。時価総額は一 時3000億香港ドル(約4兆7000億円)超とソニーを上回り、米最大の太 陽光パネルメーカー、ファースト・ソーラーの時価総額の7倍に上って いた。

そして20日、株価操作疑惑や漢能薄膜の中核技術に対する懸念が広 がる中で、同社株は大きく下げた後で売買停止となった。ブルームバー グのソーラー業界アナリスト、ジェニー・チェース氏は「漢能薄膜の技 術ポートフォリオの大半は実証されていない」と指摘した。

技術は別にしても、アナリストや投資家は数カ月にわたって漢能薄 膜の収入源について疑問を投げ掛けてきた。同社は売り上げの60%余り を親会社から得ている。ロイター通信が匿名の関係者を引用して20日伝 えたところによると、香港証券先物委員会(SFC)は漢能薄膜株の市 場操作に関する調査を数週間行ってきた。SFCのアーネスト・コン報 道官はブルームバーグの取材に対してコメントを控えた。

ノースイースト・セキュリティーズのアナリスト、ゴン・スウェン 氏は「漢能薄膜の業績はこれほど高い株価水準やバリュエーションの裏 付けとなっていなかった。これは起こるべくして起こった調整だ」と話 している。

原題:A 24-Minute, $19 Billion Wipeout Threatens Hanergy’s Solar Dream(抜粋)

--取材協力:Christopher Martin、Ehren Goossens.

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