5月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが下落、経済データ低調で利上げ観測が後退

21日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが下落。低調な経済指 標を受けてドルの需要が後退した。前日公表された米連邦公開市場委員 会(FOMC)議事録は、ドル強気派に特に明るい材料を与えなかっ た。

ドルは対ユーロでは4日ぶりに下落。中古住宅販売と新規失業保険 申請が市場予想より悪かったことを受けた。ドルはこの日、主要通貨の 大半に対して値下がりした。FOMC議事録では、当局者が6月の会合 での利上げの公算は小さいと判断する一方、年内の引き締め開始の選択 肢を維持していることが示された。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は「データは強弱まちまちだ」とし、「FOMC議事 録は6月利上げの雰囲気ではないことを明らかに示唆しているが、年内 どこかの時点で引き締めたいとは考えている」と続けた。また米経済の 見通しは、なお「非常に堅調だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで前日比0.2%安 の1ユーロ=1.1112ドル。前日は1.1062ドルと、4月29日以来の高値を 付けた。

対円では0.3%下げて1ドル=121円04銭。6営業日ぶりに下げた。

ドル指数は、先週付けた4カ月ぶり安値付近から20日までに1.9% 上昇していた。

経済指標

ただこの日の経済データが予想より悪かったことも影響し、この上 昇の勢いが止まった。4月の米中古住宅販売は予想外に減少し、16日に 終了した週の新規失業保険申請件数は増加した。22日には4月の消費者 物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがアナリスト47人を 対象に実施した調査の中央値では、食品とエネルギーを除くコアCPI が前年比1.7%上昇と、前月からの伸び鈍化が見込まれている。

ユーロ圏では5月の製造業・サービス業活動の拡大が示され、ユー ロにとっては支援材料となった。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任者、ダグラス・ボース ウィック氏は「経済データの点で言えば予断を許さない状況といえる。 市場は恐らく、ここ数年よりも注意深くデータに目を向けているだろ う」と指摘。「現時点では、6月利上げの可能性はほぼなくなってい る」と加えた。

FOMC議事録では、利上げ開始の議論を進めるに当たり、入手す る経済データを精査する方針が示された。

みずほ銀行のストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏(ニューヨ ーク在勤)は「議事録から一つ言えるのは、データがますます重要にな ってくるということだ」とし、「先行きに関するデータは引き続き弱さ を示している。よって、ドルに対しては向こう数週間、下振れ圧力が続 くと考えられる」と述べた。

原題:Dollar Falls as Weak Economic Data Erode Bets on Fed Rate Hike(抜粋)

◎米国株:S&P500種が最高値を更新、決算が予想を上回り

21日の米株式相場は小幅高。S&P500種株価指数は最高値を更新 した。セールスフォース・ドット・コムやベスト・バイなどの決算が予 想を上回り、買いを誘った。経済指標は強弱まちまちの内容となった。

原油高に伴いエネルギー株が上昇。2010年に米メキシコ湾で起きた 原油流出事故に関連し、BPと和解したトランスオーシャンも高い。ド ラッグストアのCVSヘルスは2.4%高。介護施設向け調剤サービスを 手掛けるオムニケアを買収することで合意した。一方、ストレージ(外 部記憶装置)メーカーのネットアップは10%急落。売上高見通しがアナ リスト予想に届かなかったことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.2%上げて2130.82で終了。過去6 営業日で4度目の最高値更新となった。ダウ工業株30種平均は0.34ドル 高の18285.74ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.4%上昇。ダウ平 均とナスダック指数はともに終値ベースの最高値を上回る場面があっ た。

ジャニー・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、マーク・ルッシニ氏は「トレンドのない環境でこう着状態にある。 株価を下支えるほどの買いは入っている。トレンドがなく、横ばいの取 引レンジ内でじりじりと上昇する可能性はあるが、どちらの方向にも抜 け切れないだろう」と述べた。

経済指標

中古住宅販売は4月に予想外に減少した。 住宅市場の回復が平た んではないことが示された。全米不動産業者協会(NAR)が発表した 4月の中古住宅販売件数は、前月比で3.3%減少。前月は約2年ぶりの 高水準だった。

4月の米景気先行指標総合指数は前月比で上昇し、9カ月ぶりの大 幅な伸びとなった。5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想 を下回り、失業保険申請件数の4週移動平均は15年ぶり低水準となっ た。

イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は22日、経済見通しに ついて講演する予定。

ジュリアス・ベア・グループの調査責任者、クリスチャン・ガティ カー氏は「最高値圏にいる米国の投資家らは時折その高さに不安を感 じ、下を見て維持できるかどうか自問しているようだ。6月利上げの可 能性はかなり前になくなっていたが、米金融当局がこれを認めたことに 安ど感が漂っている。ただ、株価を大きく押し上げるのには不十分だ」 と語った。

セクター別動向

S&P500種の10セクターのうち、エネルギーや通信サービスなど 7セクターが上昇した。

金融株指数は0.2%下落。医療保険会社アフラックは2.8%安。同社 の最高経営責任者(CEO)はクリス・クロニンジャー最高財務責任者 (CFO)の後任を6月末までに探す意向を明らかにした。

ベスト・バイは3.9%高と、年初来で最大の上げ。2-4月(第1 四半期)決算は、利益がアナリスト予想を上回った。大型テレビや新型 の「iPhone(アイフォーン)」が米国内での売上高増加に寄与し た。セールスフォースも3.9%上昇した。

原題:S&P 500 Index Rises to Record Amid Mixed Data on Housing, Jobs(抜粋)

◎米国債:続伸、平たんではない成長-初回利上げ見通しに不透明感

21日の米国債は続伸。経済統計は経済成長が平坦でないことを示し ており、米金融当局による年内利上げへの見通しに不透明感が増した。

30年債を中心に米国債は上昇。利回りが昨年10月以来の高い水準に 迫り、抑制されたインフレ見通しと共に買いを促した。米中古住宅販売 が予想を下回ったほか、米国民の景気に対する期待感が2013年10月以来 で最も下げたことも米国債にとって支援材料だった。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「この日の統計内容は 弱かった。それがこの結果だ」と述べ、「10年債利回りが2%の節目を 下抜けたら、その後さらに低下する可能性がある」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の2.19%。同年債価格(表面利率2.125%、償 還期限2025年5月)は1/2上げて99 13/32。

30年債利回りは6bp下げて2.99%。先週は3.13%をつけた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が20日公表した連邦公開市場委員 会(FOMC、4月28-29日開催)の議事録によると、当局者は今年初 めの景気失速の後、「緩やかな」成長再開を予想した。前回のFOMC 会合以降に発表された雇用統計は雇用増が示されたが、製造業関連や小 売りに関する統計は市場予想を下回った。エコノミストらは第2四半期 の経済成長率予想を引き下げている。

中古住宅販売

全米不動産業者協会(NAR)によると、4月の米中古住宅販売は 前月比で3.3%減少した。21日発表された消費者信頼感調査に基づいて 算出している月間のブルームバーグの米景気期待指数は5月に44と、4 月から6ポイント低下した。

CMEグループの算出に基づくと、今年12月に利上げが決定される 確率は56%だった。

午後に入って実施された10年物インフレ連動債(発行額130億ド ル、銘柄統合)の結果によると、海外の中央銀行を含む間接入札者の割 合が67.1%と、2003年以降で2番目に高い水準だった。

今週に入って最初の2日間、利回りは上昇。上げ幅は2月以降で最 大だった。19日の朝方発表された4月の住宅着工件数は大幅に増加し、 約7年ぶりの高水準となった。

ブルームバーグ米国債指数によると、償還期限10年以上の国債リタ ーンは月初から4.99%のマイナス。米国債全体では1.23%のマイナスと なっている。

原題:Treasuries Advance as Uneven Growth Complicates Fed Rates Path(抜粋)

◎NY金:下落、1週間ぶり安値-米失業保険統計受け利上げ警戒

21日のニューヨーク金先物相場は下落。1週間ぶりの安値をつけ た。米新規失業保険申請件数の4週移動平均が15年ぶり低水準となった ことを背景に、利上げへの懸念が再燃した。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「きょうの数 字は雇用市場が正しい軌道を進んでいることを示している。健全な経済 は金にとって好ましいニュースではない」と指摘。「市場は米金融当局 が9月に何らかの行動を起こすと予想しており、6月利上げの可能性が 排除されたことをめぐる高揚感は急速に消えつつある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.4%安の1オンス=1204.10ドルで終了。一時1200.80ド ルと、中心限月としては13日以来の安値をつけた。

銀先物7月限は0.1%高の17.132ドル。プラチナ先物7月限は0.4% 下げて1152.30ドル。パラジウム先物6月限は0.1%下落の776.10ドル。

原題:Gold Futures Drop to One-Week Low as U.S. Jobless Claims Decline(抜粋)

◎NY原油:続伸、バレル60ドル台を回復-在庫減少を好感

21日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が続伸。前日の統計で米在庫減少が明らかに なったことを受け、供給超過緩和への期待が広がった。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「市場 では在庫減少という正常なトレンドへの期待が高まっている」と指摘。 「これまでは在庫が貯蔵能力の限界に達する可能性が心配されていた」 と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.74ドル(2.95%)高い1バレル=60.72ドルで終了。月初から は1.8%の値上がり。

原題:Oil Rises Second Day as U.S. Supply Data Signal Glut May Ease(抜粋)

◎欧州株:4日続伸、石油・ガス株高い-米早期利上げ観測が後退

21日の欧州株式相場は4日続伸し、指標のストックス欧州600指数 は約3週間ぶりの高値を付けた。石油・ガス銘柄の上げが目立った。こ の日発表された米経済指標が比較的弱い内容となり、米金融当局は利上 げを急がないとの見方が強まった。

ストックス600指数は前日比0.4%高の407.87で終了。一時は0.4% 下げた。業種別指数で上昇率1位は石油・ガス銘柄。スイスのトランス オーシャンが3.5%、英石油会社BPは1.3%それぞれ上昇した。

この日発表された米経済指標では、4月の中古住宅販売が予想外に 減少したほか、5月の製造業購買担当者指数(PMI)も予想を下回っ た。先週の米新規失業保険申請件数は予想以上に増えた。前日公表され た4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によれば、当局者ら は6月利上げの公算は小さいとの判断を示した。

バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)の株式ストラテジス ト、ライフ・ツィマーマン氏は「少なくとも目先では悪いマクロ経済デ ータは株式にとっては朗報だ。米利上げがさらに先送りされるためだ」 と述べた上で、「こうした見方が続くかどうかは私としては疑問だ」と 付け加えた。

個別銘柄では、英食品卸売りのブッカー・グループが12%急伸。株 主への利益還元方針を示したほか、アイルランドのマスグレーブ・グル ープからロンディスなどの事業を買収すると発表した。英防衛関連企業 キネティック・グループは11%上げた。通期利益が予想を上回った。

原題:European Stocks Extend Three-Week High as Energy Producers Climb(抜粋)

◎欧州債:ドイツ長期債が下落、将来的なインフレ高進に投資家着目

21日の欧州債市場ではドイツ長期債が下落。原油相場の値上がりを 受けて、将来のインフレを考えれば利回り上昇はまだ不十分との見方が 広がった。

ドイツ30年債の2年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は今 週これまでで最大となり、欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事が国債 の購入ペースを加速すると表明する以前の水準を上回った。北海ブレン ト原油先物はこの日2.4%上昇し、2営業日で4%値上がりした。

KBC銀行(ブリュッセル)の調査責任者ピエ・ラマン氏は「欧州 債の利回り曲線で短期が低い水準にある現状にはそれ相応の理由があ る」とし、ECBが政策金利を過去最低に維持しているためだと説明。 「10年債と30年債については、当面の金融政策の姿勢よりも長期的なフ ァンダメンタルズに注目する必要がある」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ30年債利回りは前日比2ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.28%。19日には1.17% と、約1週間ぶりの低水準を付けていた。同国債(表面利 率2.5%、2046年8月償還)価格はこの日、0.6下げ131.31。2年債に対 するスプレッドは149bp。一時は15日以降最大の154bpまで拡大し た。

ECBが3月に国債購入を開始したのを手掛かりに、30年債利回り は4月17日には0.435%まで低下。この利回り水準について、将来的に インフレ率が上昇し債券のリターンを損ねることを考えれば低過ぎると の見方が市場の一部で出ている。

ドイツ10年債利回りは先月17日に過去最低の0.049%を記録してか らは上昇に転じたが、それでも過去10年の平均を依然として2ポイント 余り下回っている。

原題:Longest German Bonds Drop as Crude Oil Jump Points to Inflation(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE