政府:アジアのインフラ投資支援に約13兆円を提供-5年間で

日本政府は高まるアジア域内のインフラ投資 需要に対応するため、今後5年間で総額1100億ドル(約13兆円)を提供 する。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立準備が進 むなか、日米が筆頭株主のアジア開発銀行(ADB)との連携を柱に民 間資金を活用した投資を促進し、存在感を示す。

安倍晋三首相が21日、都内で行ったスピーチで方針を明らかにし た。首相は「民間とパートナーシップを組んでインフラ整備を進めるア ジア各国への支援を拡大する」と表明。「世界中から、さらに多様な資 金をアジアに呼び込み、このアジアという場所を、ダイナミックなイノ ベーションが開花する大地へと、変えていきたい」とも語った。

財務省によると、日本政府の新たな取り組みは、「質の高いインフ ラパートナーシップ(仮称)」と題し、現行(年間約170億ドル)の 約30%増を目指す。膨大な赤字を抱える財政事情から、政府系機関を通 じた公的資金を「触媒」に民間資金を呼び込むのが狙い。

低所得国と中所得国向けの勘定の統合によって融資能力が5割増し となったADBによる支援拡大に加え、国際協力機構(JICA)と連 携したPPP(公民連携)インフラ投資を実施する仕組みの創設によっ て、目標額の半分を占める約530億ドルを確保する。安倍首相は加えて ADBにおける将来の増資検討を歓迎する意向も表明した。

このほか、JICAによる途上国への円借款などの政府開発援助 (ODA)の拡充によるアジアのインフラ分野に約25%増の約335億ド ルを支援。日本企業のPPPインフラ事業への関与を後押しするため、 国際協力銀行(JBIC)などによるリスクマネー供給を倍増させ、 約200億ドルを提供する。一般会計予算からの支出は限定される。

AIIB

AIIBの設立メンバーは英国やドイツなど欧州勢を含む57カ国に 上り、67カ国・地域が加盟するADBに肩を並べる勢いだ。一方で、日 本はガバナンスの確立や債務の持続性に検討の余地があるとして参加判 断を先送りしている。安倍首相はこの日、融資能力の1.5倍増や民間向 け融資割合の拡大などADBの機能強化の支持も表明した。

大和総研の齋藤尚登シニアエコノミストはADBと連携した日本の インフラ投資の支援拡充策について「AIIBの動きに触発された」と した上で、「規模をAIIBと比較する必要はない。対抗して条件を下 げ、何でも貸せば日本の支援の質を低下させる。3割増は質を維持しな がら増やす水準としてはよい数字だ」と指摘した。

--取材協力:高橋舞子.

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