米国株式会社に新たなヒロイン誕生-物言う株主の提案退ける

米デュポンのエレン・クルマン最高経営責任 者(CEO)は、短期的な利益より長期的なリサーチが重要だと株主を 説得することに成功し、「米国株式会社」の新たなヒロインとなった。

デュポンの株主は先週の総会で、物言う投資家、いわゆるアクティ ビストであるネルソン・ペルツ氏(72)側が指名していた取締役候補を 拒否した。同氏が10年前に設立した会社は委任状争奪戦で敗れたことが なかっただけに、結果は全くの予想外だった。デュポンの株主となった ペルツ氏は、212年の歴史を持つ化学メーカーの分割とコスト削減を求 めていた。

米最大の公的年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カル パース)のコーポレートガバナンス(企業統治)担当ディレクター、ア ン・シンプソン氏は、クルマンCEO(59)が「偉大なお手本となっ た。信念に従って行動する勇気を全ての人に示した。圧力に屈する気骨 のない取締役会があまりにも多いのが実情だ」と述べた。

金融情報を提供するファクトセットのデータによれば、委任状争奪 戦に伴う厳しい検証や煩わしさを回避するため、実際に企業がこの種の 挑戦に正面から対決するのは多くはない。デュポンと競合するダウ・ケ ミカルは昨年11月、米資産家ダン・ローブ氏率いるヘッジファンド運用 会社サード・ポイントから取締役を受け入れた。

株主投票では会長を兼任するクルマンCEOと他の11人の取締役全 員が再任された。同CEOとニック・ファナンダキス最高財務責任者 (CFO)は全米を飛び回り、上位50の株主と面談した。株主全体の約 3分の1を占める個人投資家にもメッセージを送付。その多くは退職者 で普通はわざわざ株主投票に参加などしないが、こうした株主の投票が 会社側もペルツ氏側も接戦だったと呼ぶ今回の勝敗を左右した可能性が ある。

原題:Defeat of Wall Street Legend Gives Corporate America a New Hero(抜粋)