シャープへの出資拒否へ、革新機構がアップル反対を予想-関係者

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官民ファンドの産業革新機構は、シャープか らの出資要請を受け入れない方針だ。競合するジャパンディスプレイ (JDI)に出資しており、最大顧客の米アップルの反対や独占禁止法 への抵触が予想されるため。シャープ株は下落した。

事情に詳しい関係者の1人が、情報が非公表だとして匿名を条件に 語った。機構はスマートフォン用の中小型液晶事業でシャープと競合す るジャパンディスプレイの筆頭株主であり、両社の主要取引先であるア ップルは部品の供給元が同一資本の支配下に入ることを望まない可能性 が高いという。また中小型液晶で世界的に高い市場シェアを持つ両社に 出資することは、各国の独占禁止法に抵触する可能性が高いとも述べ た。

シャープ株は21日の取引で、機構が資本支援を拒否する方針が伝わ ると下落に転じた。前日比1.2%安の165円で取引を終了した。

シャープは前期(2015年3月期)、2000億円を超える赤字となり、 自己資本比率が1.5%に低下。財務体質改善のため機構に出資を求めて いた。すでに主力取引行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行などに合 計2250億円の優先株を発行することを発表している。

同関係者によると、機構によるシャープ出資拒否は最終決定ではな く、見直される可能性もある。

市場シェア

調査会社IHSによると、シャープとジャパンディスプレイの中小 型液晶の世界シェアは14年の出荷額ベースで合計25%を占める。またブ ルームバーグのデータによると、両社ともアップルが最大の販売先だ。 半導体製造メーカーの東京エレクトロンとアプライド・マテリアルズの 経営統合は先月、米司法省から競争法に基づいて統合を認めない判断が 示されたことで白紙となっている。

別の関係者によれば先月、シャープは機構に中小型液晶パネル事業 を分社化した上での出資を打診していた。しかし14日に発表された新中 期経営計画では各事業部ごとに独立的に運営するカンパニー制を導入す るにとどまり、分社化は盛り込まれなかった。

シャープの中山みゆき広報担当にコメントを求めたが、これまでに 回答を得られていない。機構の広報担当者は回答しなかった。