日本政府が米ロビイスト起用-TPA可決に向け議会に働き掛け

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日米などが参加する環太平洋連携協定 (TPP)交渉の妥結には、米議会での大統領貿易促進権限(TPA) 付与法案の可決が前提条件となる。同法案には与党民主党議員を中心に 懐疑的な姿勢が目立つため、日本政府は米国のロビイストを起用してこ うした議員を説得、可決を後押ししようと努めている。

日本政府のこのような取り組みを米国で指揮しているのは法律事務 所アキン・ガンプ・ストラウス・ハウアー・アンド・フェルド。日本は このほか、長年にわたり民主党の政治資金調達を担当してきたトニー・ ポデスタ氏率いる「ポデスタ・グループ」、同党上院院内総務を務めた トム・ダシュル氏の「ダシュル・グループ」など強力な政治的コネを持 つロビイストやPR会社の力も借りている。

TPAはファストトラックとも呼ばれ、大統領が貿易交渉権を持 ち、合意すれば議会に修正を認めず一括で賛否を問える権限。上院は今 週、TPA付与の法案を審議する予定だ。ロビイストは議員やその主要 スタッフらに接触し、新聞の意見記事掲載やカリフォルニア州の綿花農 家、ワイン醸造業者への働き掛けを含むキャンペーンも展開している。

アキン・ガンプのパートナーのスコット・パーベン氏は電話インタ ビューに対し、日本の当局者が「日本の優先課題は何か、日米関係がな ぜそれほど重要なのかといった問題について米国の政策立案者、利害関 係者に理解してもらうため、一丸となって取り組む必要がある」と説明 した。当局への届け出によれば、同事務所は2014年8-12月に日本か ら38万8000ドル(現行レートで約4700万円)の支払いを受けた。

親日議連

ワシントンの日本大使館はブルームバーグ取材に対し電子メール で、「わが国は米国の人々のこの関係がいかに重要か理解してほしいと 考えており、米国で起きていることをよりよく把握できるよう、ここで 専門家の助言や手助けを求めている」と説明した。

上院外交委員会の民主党筆頭理事を務めるベン・カーディン議員 (メリーランド州)は20日の朝食会で記者団に対し、上院は恐らく TPA法案を可決するだろうと述べる一方、下院については「まだ決着 していない」とし、通過するかどうかは別の問題であるとの認識を示し た。

米議会では昨年、日米関係強化に向けた議員連盟「ジャパン・コー カス」が発足した。共同議長のチャールズ・ボウスタニー下院議員(共 和、ルイジアナ州)はTPPに関し、「安倍晋三首相が掲げる改革の観 点から、日本にとって極めて重要だ」と話す。

下院歳入委員会貿易小委員会のメンバーでもあるボウスタニー議員 は、「日本は議会がTPAにどう対処するか注目しており、それがわれ われとしてできる限り早急にTPA法案を可決することが不可欠である 理由だ」と語った。

同議連の前議長であるデビン・ニューネス下院議員(共和、カリフ ォルニア州)は、米国との強力な関係は日本が良い通商協定に同意する のを促すことにつながるとする一方、米議会でのTPA法案の行方にと って日本のロビー活動は大きな要因ではないとの考えを明らかにした。

原題:Japan Hires Top Lobbyists to Woo Congress on Trade Pact (1)(抜粋)

--取材協力:Erik Wasson、Carter Dougherty.

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