5月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル堅調、FOMC議事録は利上げ観測に大きく影響せず

20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで上昇。4月 の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受け、欧州よりも先に米 当局が政策引き締めに動くとの見方が強まった。

ドルはユーロに対し3週間ぶりの高値圏で推移。議事録によれば当 局者らは、経済が1-3月(第1四半期)の減速後に回復すると予想し た。一方で、6月利上げの可能性は低いとの認識も示した。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査 責任者、ジェニファー・ヴェイル氏は「金融当局間の政策方針のかい離 というテーマは、これから夏の間に次第に音量を増すドラムのような存 在になる」と指摘。向こう数週間にドルは「やや強含む」と予想した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.5%高の1ユ ーロ=1.1094ドル。対円では0.6%上げて1ドル=121円35銭。一時121 円48銭と、2カ月ぶり高値を付けた。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.1%上昇の1171.98。

ドルは今週、主要通貨全てに対して上昇している。予想を下回る経 済指標が続いたことでドルは過去2カ月にわたって下落基調が続き、4 カ月ぶり安値付近まで下げていた。

FOMC議事録

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツで債券担当の最高 投資責任者(CIO)を務めるクリス・モランフィ氏は「今回の議事録 は、6月利上げの可能性が極めて低いという市場の見方を確認する内容 だ。ただ、より幅広く兆候を見てみると、年内どこかの時点での利上げ がなお示唆される」と述べた。

FOMC議事録によれば、最近の景気減速の理由の一つにドル高を 挙げるメンバーもいた。ドル高が収まれば、投資や純輸出への影響は 「薄れる可能性が高い」と記された。

シリコン・バレー・バンク(加州サンタクララ)の上級為替トレー ダー、ミン・トラン氏は電話取材に対し、「6月に利上げに踏み切るに は、この通りデータが足りないというのが基本的なメッセージだ」と指 摘。「ドルにとってさらに重要なのは、当局者が第1四半期の景気低迷 を一過性のものと強く信じていることだ」と続けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は22日に講演す る。市場関係者にとっては、金融政策の見通しを判断する新たな機会と なる。

欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は18日、ECBは年央に見込 まれる流動性低下の前に債券購入ペースを加速させる方針だと発言。ま たECB政策委員会メンバーのノワイエ・フランス中銀総裁は19日に、 ECBは必要に応じてQEを拡大させる用意があると述べた。

クレディ・アグリコル(ニューヨーク)の為替ストラテジスト、マ ーク・マコーミック氏は「かい離のテーマは消えていない」と述べた

原題:Dollar Gains Versus Euro as Fed Bolsters Bets on Rate Divergence(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、議事録は早期利上げ示唆せず-航空株が安い

20日の米株式相場はほぼ変わらず。S&P500種株価指数は小幅な がら2日連続で下げた。航空株の下げが響いた。4月の連邦公開市場委 員会(FOMC)議事録では当局者が利上げを急いでいないことが明ら かになった。

6カ月ぶりの安値に下げたサウスウエスト航空など航空株が安い。 住宅関連用品小売りのロウズは4.6%下落。第1四半期の利益がアナリ スト予想に達しなかった。一方、ヤフーは4.4%高。アリババ・グルー プ・ホールディングの保有株スピンオフに引き続き取り組んでいると表 明したことが好感された。ケーブル業界をめぐる憶測が流れる中、ケー ブルビジョン・システムズは18%急伸。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安い2125.85で終了した。一時 は取引時間中の最高値を付ける場面もあった。ダウ工業株30種平均 は26.99ドル(0.2%)安の18285.40ドルで終えた。ナスダック総合指数 は0.1%未満の上げとなった。

U.S.バンク・ウェルス・マネジメントのシニアポートフォリオ マネジャー、エリック・ウィーガンド氏は「FOMCは経済データ次第 という姿勢を続けているが、利上げを年内のより遅い時期に後退させて いる。6月の可能性はなくなった」と指摘した。

議事録では、当局者らが次の6月会合での利上げの公算は小さいと みていたことが示された。一方、1-3月(第1四半期)の景気減速が 長期間続く可能性は低いとも判断していた。また、「数人」のメンバー は6月利上げに向けて経済情勢の準備は整うとの認識を示した。

4月の声明

4月の定例会合後に発表された声明は、経済成長は「一過性の要 因」を反映して減速したとし、「緩やかなペース」での成長に戻るとの 見通しを示していた。それ以降、雇用指標は改善したが製造業や小売り の統計は予想を下回り、エコノミストは第2四半期の成長見通しを下方 修正した。

シカゴ連銀のエバンス総裁は18日、米金融当局として主要政策金利 を2016年の早い時期までゼロ近辺に据え置くべきだとの考えをあらため て示した。インフレ率が当局の目標である2%をなお大幅に下回ってい るためで、いったん利上げを開始した後も漸進的に進めるよう重ねて呼 び掛けた。

セブン・インベストメント・マネジメント(ロンドン)の投資戦略 責任者、ロス・プライス氏は「米経済成長がどの程度加速しているか判 断するのはまだ難しい。9月まで待ってもFOMCは十分なデータを得 ることはないだろう。経済統計はこのところ非常に弱かったが、前日に は力強い住宅市場を示す統計が発表された。利上げが12月あるいは来年 の早い段階に先送りされても驚きではない」と述べた。

決算

S&P500種構成企業の大部分は第1四半期の決算を発表済み。こ のうち71%で利益が予想を上回った。一方、売上高については半分以上 が予想を下回った。今週はヒューレット・パッカードやベスト・バイ、 ディーアなどが決算を発表する。

S&P500種の10セクターのうち5セクターが下落。航空株の下げ の影響で工業株指数が最も下げた。一方、最も上昇したのは通信サービ ス株だった。

ブルームバーグの航空株指数は8%下げ、2011年10月以来の大幅な 下落となった。1年に及ぶ燃料コストの低下が運賃の引き下げや飛行ル ートの拡大につながり、顧客の奪い合いとなっている兆候が表れてい る。

原題:U.S. Stocks Little Changed Amid Airlines Selloff, Fed Patience(抜粋)

◎米国債:上昇、FOMCは利上げを急がずと議事録が示唆

20日の米国債は上昇。午後に公表された連邦公開市場委員会 (FOMC、4月28-29日開催)の議事録で、低金利が長期化する可能 性が示唆された。

米国債は3日ぶりに上昇。FOMC議事録からは当局者らが次の6 月会合で利上げに踏み切る公算は小さいとみていたことが示された。一 方、1-3月(第1四半期)の景気減速が長期間続く可能性は低いとも 判断していた。

マニュライフ・アセット・マネジメントのシニアトレーダー、マイ ケル・ロリジオ氏(ボストン在勤)は、「事実上のゼロ金利を直ちに解 除しようと急いではいない」と述べ、「引き締めが必要だと判断するに は、まず経済データの改善が必要だろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(b p、1b p=0.01%)低下の2.25%。同年債価格(表面利率2%、償還 期限2025 年2月)は11/32上げて98 29/32。

ブルームバーグ米国債指数によると、還期限10年以上の国債リター ンは月初から5.1%のマイナス。

FOMC議事録

FOMC議事録では、参加者の多くは「6月に得られるデータが、 フェデラルファンド(FF)金利の目標レンジ引き上げの条件を満たす 十分な裏付けを与える可能性は低いと考えた」と記された。

チャールズ・シュワブ(ニューヨーク)の債券ストラテジスト、キ ャシー・ジョーンズ氏は「議事録の中で市場参加者が唯一、関心を示し たところは6月利上げはなさそうだという点だ」と述べ、「経済分析は 今のところそれほど強いものではない」と続けた。

議事録ではまた、経済について4月の声明と同様、第1四半期の減 速の後に「緩やかなペース」での拡大に戻ると予想した。

今週に入って最初の2日間、利回りは上昇。上げ幅は2月以降で最 大だった。前日の朝方発表された4月の住宅着工件数は大幅に増加し、 約7年ぶりの高水準となった。

CMEグループの算出に基づくと、今年12月に利上げが決定する確 率は55%だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、22日発表さ れる4月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.7%上昇。当局の目標 値は2%上昇だ。

原題:Treasuries Rally as Minutes Show Fed in No Rush to Raise Rates(抜粋)

◎NY金:上昇、FOMC議事録受け6月利上げはないとの見方

20日のニューヨーク金相場は上昇。米連邦公開市場委員会 (FOMC、4月28-29日開催)の議事録では、当局者らが6月会合で の利上げの公算は小さいとみていたことが示された。

エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のプレジデ ント、クリス・ギャフニー氏は電話インタビューで、「市場はこの議事 録をタカ派的というよりはハト派的であると解釈しており、それが金を 支えている」と指摘。「利上げ時期が後ずれしたとの安心感が広がっ た。FOMCはデータ次第の状況が続くとも明確に示しているため、金 はデータに敏感な動きが続くだろう」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後4時8分 現在、金直物相場は前日比0.2%上げて1オンス=1210.26ドル。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.2%高の1オンス=1208.70ドルで終了。銀も値上がりし た。

原題:Gold Rises as Fed Minutes Boost Bets Rates Won’t Rise in June(抜粋)

◎NY原油:反発、在庫減少を好感-製油所稼働率は上昇

20日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が反発。米エネルギー情報局(EIA)の在 庫統計では製油所の稼働率が上昇し、原油在庫が減少した。

ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の石油市場調査責任者、マ イク・ウィットナー氏は電話取材に対し、「統計の数字は軒並み原油相 場にプラスだった」と指摘。「あらゆる主要カテゴリーで在庫は減少 し、需要は拡大した」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比99セント(1.71%)高い1バレル=58.98ドルで終了。年初から は11%の値上がり。

原題:Oil Rises After U.S. Crude Supply Drops Amid Refining Boost(抜粋)

◎欧州株:3日続伸、3週ぶり高値更新-銀行、電気通信銘柄が高い

20日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が3日続伸 し、3週間ぶり高値を付けた。電気通信銘柄と銀行株の上げが目立っ た。

アルティスは12%急伸。英携帯電話のボーダフォン・グループ は5.4%上昇。米ケーブルテレビ(CATV)会社リバティ・グローバ ルのジョン・マローン会長が同社の欧州事業とボーダフォンは「相性が 合う」だろうと述べたことが買い材料。銀行株では、スイスのUBSグ ループが3.2%、英バークレイズが3.4%それぞれ上げた。市場操作をめ ぐる捜査を決着させるため、有罪を認め罰金を支払うことで当局と合意 したことがきっかけ。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.4%高の406.42で終了。一 時は0.3%下げた。前日は1.7%上昇したが、これは欧州中央銀行 (ECB)のクーレ理事が5、6月に国債購入を加速すると述べてユー ロが下落したためだった。この日は取引終了後に公表される米連邦公開 市場委員会(FOMC)議事録が注目されている。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の資産配分ストラテジス ト、ウィトルド・バーク氏は「金融政策面でのポジティブな材料が消化 されつつある」とし、「これまで相場を主に動かしてきたのは金融政策 だった。特に欧州では、世界全体の成長への楽観というよりも中銀の政 策とそれが為替に及ぼす影響が極めて大きい。この先は、経済のファン ダメンタルズにもっと注意が払われるようになると思う」と語った。

ギリシャのアテネ総合指数は0.7%下落。前日は3月6日以来の高 値で終了した。ECB当局者がギリシャの市中銀行への流動性支援を協 議するなど、同国をめぐるニュースは引き続き注目される。

原題:European Stocks Extend Three-Week High as Altice, UBS Advance(抜粋)

◎欧州債:イタリア2年債上昇、利回り初の0.1%割れ-ECB措置支え

20日の欧州債市場ではイタリア2年債が上昇し、利回りが初め て0.1%を割り込んだ。また、ポルトガルが実施した6カ月物証券入札 では落札利回りが初のマイナスとなった。

過去1カ月のユーロ参加国の国債相場下落で懸念は強まったもの の、短期債の保有者は欧州中央銀行(ECB)が近く利上げに動くこと はないとの見方で投資を継続。イタリア10年債利回りは4月に1年10カ 月ぶりの大幅上昇を記録したが、短期債利回りは低下した。この日は翌 日に国債入札を控えたフランスやスペインを中心に長期債が下落。

ブルームバーグ・ユーロ圏ソブリン債指数は4月17日以降に約8% 下げているが、期間が1-3年の債券は比較的無傷だ。ECBのクーレ 理事が今月18日に資産購入ペースを5、6月に加速させる方針を明らか にしたことも支え。同中銀の預金金利がマイナスであることを踏まえる と、リスク回避を目指す投資家にとっては記録的に低い利回りでもまだ 投資妙味がある。

SEBのシニア金利ストラテジスト、マリウス・ダハイム氏(フラ ンクフルト在勤)は「流動性資産を短期債に振り向けた投資家は多い」 とし、「資金を安全な場所に置いておきたいなら、ECBに預け て0.2%の金利を支払ってもいいが2年債にも投資できる」と語った。

ロンドン時間午後4時38分現在、イタリア2年債利回りは前日比1 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.10%。一時 は0.089%と、ブルームバーグが1993年にデータ集計を開始して以来の 最低を付けた。同国債(表面利率4.75%、2017年5月償還)価格はこの 日、0.015上げ109.015。一方、10年債利回りは5bp上昇の1.86%。3 月12日には過去最低となる1.031%まで下げていた。

スペイン10年債利回りも5bp上昇して1.80%。フランス10年債利 回りは4bp上げて0.91%。欧州債の指標とされるドイツ10年債利回り は3bp上げ0.63%。先月17日には0.049%と、これまでの最低を記録 していた。

原題:Italian Two-Year Yields Show Rate Wagers Untouched by Selloff(抜粋)

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