米連邦準備制度理事会(FRB)が20日公表 した連邦公開市場委員会(FOMC、4月28-29日開催)の議事録で は、当局者が次の6月会合での利上げの公算は小さいと判断する一方、 年内の引き締め開始の選択肢を維持していることが示された。

議事録からは、米経済の3分の2を占める個人消費支出の強さをめ ぐり懸念の声が上がったものの、金融当局が1-3月(第1四半期)の 景気減速からの成長加速を見込んでいる点も確認された。

スターン・アギー・アンド・リーチ(シカゴ)のチーフエコノミス ト、リンジー・ピエグザ氏は「基調にあるのは失望だ」と指摘。「なぜ 経済は強くならないのか。当局者は利上げしたいのに、データは弱過ぎ る」ということだと語った。

イエレンFRB議長は22日にロードアイランド州プロビデンスで経 済見通しについて講演し、米金融当局の政策意図のヒントが得られる次 の機会となりそうだ。

議事録によれば、参加者の多くは「6月に得られるデータが、フェ デラルファンド(FF)金利の目標レンジ引き上げの条件を満たす十分 な裏付けを与える可能性は低いと考えた」と記された。

こうした意見が6月利上げに向けて経済情勢の準備は整うとの認識 を示した「数人」のメンバーの意見よりも優勢だった形だが、当局者は 6月の引き締め開始の選択肢を排除しなかった。

緩やかな成長

議事録によると、当局者は今年初めの景気失速の後、「緩やかな」 成長再開を予想。一方で、ドル高や原油安が長期にわたり向かい風とな る可能性で懸念も浮き彫りとなった。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、マ ーク・ビトナー氏は「当局者が確信を持てずにいる」とし、「データは 軟調だが、経済は強くなっているように感じられる」と指摘した。

当局者は先月、労働市場のさらなる改善が確認され、インフレ率が 中期的に2%の目標に戻っていくとの「合理的な確信」を持てれば、利 上げに踏み切る意向であることを重ねて表明した。

また議事録によれば、会合では近く利上げの可能性が高いと当局者 が確信するに至った場合、一般に「明示する」というアイデアも議論さ れたが最終的に退けられ、会合ごとに判断を下すことを決めた。

9月利上げの可能性

当局者の大半は3月の時点で、時期は特定しないものの、年内の FF金利誘導目標の引き上げを予測していた。ブルームバーグが行った エコノミスト調査の中央値では、利上げは恐らく9月になると予想され ている。

このほか景気減速に関して、一時的な要因がどの程度影響したかを めぐる議論が明らかになった。こうした要因としては、厳しい冬の天候 や西海岸の港湾での労使紛争、過去数年間に見られる1-3月期の弱い データの「パターン」などが挙げられた。

ただ当局者は国民がガソリンの値下がりで余裕が生まれた分を消費 に回していないことに意外感を示し、家計部門の支出の力強い伸びが景 気回復の見通しの前提となっていることで、一部の当局者は「特別な懸 念」を表明した。

当局者はまた、利上げ開始に伴い、2013年半ばに生じたような債券 利回りの急上昇が引き起こされる恐れも不安に感じており、市場のボラ ティリティを抑制するために引き締めのタイミングで慎重な意思伝達が 重要である点が裏付けられた。

議事録は「高頻度トレーダーの役割り増大や証券会社保有の債券在 庫の減少、債券ファンドの資産拡大を踏まえれば、債券価格が大きく変 動する傾向が以前よりも高まっている可能性が指摘された」としてい る。

原題:Fed Signals June Liftoff Unlikely Amid Headwinds to Growth (1)(抜粋)

--取材協力:Jeanna Smialek.

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