LINE:IPO協議を再開、日本郵政売却にらみ早期上場も

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スマートフォン向け無料通信アプリを運営す るLINE(ライン)が新規株式公開(IPO)へ向けた協議を再開し たことが分かった。複数の関係者によれば、日本郵政グループの大型 IPOをにらみ、年内早期に日本と米国で同時上場したい考えだ。

昨年上場を見送ったLINEは、野村ホールディングス、米モルガ ン・スタンレーなど主幹事証券と、今後投資家の需要動向を勘案し、上 場時期や売り出し規模など詳細について本格的に協議する。関係者によ れば、2兆円規模に上る日本郵政のIPOが2015年度半ば以降に計画さ れていることから、それより早い9月ごろまでの上場を目指す。

日経平均株価は2万円を超え投資家の日本株への関心は高く、日本 郵政やLINEなど大型上場のための環境は整いつつある。LINEは 昨年9月、さらなる成長のため海外を含めた事業展開が優先事項である として年内の上場を見送っていた。同社の親会社で韓国最大の検索サイ トを運営するネイバーは7月、東京証券取引所と米証券取引委員会 (SEC)に上場申請を行ったことを明らかにしている。

LINEの桃木耕太広報担当は、「上場するかどうか、また時期に ついても決定した事実はない」と回答した。引き受け主幹事のモルガン Sと野村の広報担当者はそれぞれコメントを控えた。

21日の株式市場ではLINEとビジネスで連携する企業の株価上昇 が目立った。「LINEフリーコイン」の販売で代理店契約を結ぶアド ウェイズは一時前日比9.8%高の1135円、「LINE占い」に「伝説の 占い師マリー・オリギン」を提供するメディア工房は16%高の1244円、 またネットイヤーグループは9.2%高の1243円まで上昇した。

東京、ニューヨーク

関係者によれば、LINEは東京とニューヨークでの同時上場を軸 に検討しており、株式公開後の時価総額は少なくとも1兆円を超える可 能性がある。

LINEの3月の月間利用者数は世界で約2億500万人。日本、タ イ、台湾、インドネシアでの利用者数が全体の半分以上を占める。一 方、米フェイスブック傘下のメッセージアプリ「ワッツアップ」は同8 億人、中国テンセント・ホールディングス傘下の「微信(ウィーチャッ ト)」は5億人となっている。

LINEの15年1-3月期の売上高は、前年同期比70%増の281億 円だった。14年の売上高は、前年の2倍以上の863億円。

LINEは、タクシー配車サービス「LINE TAXI」や、モ バイル送金・決済サービス「LINE Pay」、アルバイト求人情報 サービスの「LINEバイト」などのサービスを新たに展開するなどし て、ユーザー数の拡大を図っている。

投資家の信頼

今年の日本のIPO市場は過去17年で最大規模になる見込み。野村 証券によれば、90社から100社が東証などに上場し、売り出しなどの規 模は2兆円を超え1998年以来となる可能性がある。

日本郵政のIPOでは、持ち株会社と金融子会社2社が東証に同時 上場する計画で、規模は1兆-2兆円になる見通し。野村のほかゴール ドマン・サックス、JPモルガン、三菱UFJモルガン・スタンレー証 券がグローバルコーディネーターに指名されている。

一方、日経平均が15年ぶりに2万円台を回復する動きの中で、国内 IPOでは企業が上場後に業績を下方修正し株価が急落する例が散見さ れている。今後の大型IPOを控え、投資家の信頼回復に向けた発行体 や監査法人、引き受け主幹事の役割が問われている。

--取材協力:Jungah Lee.