FOMC議事録の注目点:景気加速で金融当局者の確信、本物か

米連邦準備制度理事会(FRB)は20日午後 2時(日本時間21日午前3時)に4月28、29両日開催の連邦公開市場委 員会(FOMC)議事録を公表する。注目点は次の通り。

約10年ぶりとなる利上げのタイミングを探ろうとしている投資家ら は、米金融当局者が低調だった1-3月(第1四半期)からの景気加速 を見込んでいることを確認したいと考えるだろう。

FOMCは4月の会合後の声明で1-3月期の景気減速について、 「一時的な要因」を反映した部分があり、引き続き「緩やかなペース」 での成長を見込んでいるとしていた。

RBSセキュリティーズの米国担当エコノミスト、ガイ・バーガー 氏は、「当局者が景気加速に実際に確信を抱いていることが議事録で裏 付けられれば、それが1つのサインとなる」とし、「9月利上げの可能 性が大きいと考えなければならない」と話した。

バーガー氏は一方で、景気好転に「当局者が極めて懐疑的であるこ とが示唆されれば、利上げ時期が後にずれ込むと心配し始めることにな るだろう」と付け加えた。

踏み込んだ内容期待

FRBエコノミストを務めた経歴を持つジョンズ・ホプキンス大学 のジョナサン・ライト教授は「ドル高が輸出に打撃となり、消費者は予 想よりも支出を減らして貯金を増やしている」と指摘する。

「4月の声明は、全てが一時的ではない可能性についても含みを残 しており、議事録ではこの点に関してさらに踏み込んだ内容が見られる かもしれない」と、ライト教授は語った。

金融当局者は4月の声明で、利上げに先立って労働市場のさらなる 改善を確認するとともに、インフレ率が中期的に2%の目標に戻ってい く「合理的な確信」を持てるようにしたい考えを重ねて表明した。

コーナーストーン・マクロのパートナー、ロバート・ペルリ氏は、 FOMCでの討議では「恐らく『近いうちに動くための閾(しきい)値 に達するかどうか』に重点が置かれていたと考えられ、その答えは『ノ ー』だった可能性が最も大きい」としている。

ルネサンス・マクロ・リサーチの米国担当エコノミスト、ニール・ ダッタ氏は、金融当局者がインフレ上昇見通しが改善しつつあると自信 を深めていることが議事録で示唆される可能性があると考える。

原油安とドル高が消費者物価の重しとなってきたが、ダッタ氏は 「原油相場は安定・上昇しつつあり、ドル相場は下がってインフレ期待 は上昇している」と述べた。

サプライズ回避

金融当局者は、FOMCの金利政策の判断は今や「データ次第」で あり、どの会合でも利上げに踏み切る可能性があるとしているものの、 政策意図を示唆することによって、市場へのサプライズを回避するよう 努めるかもしれない。

ダッタ氏は「利上げに近づいた場合、金融当局者が最終的に市場に どのように意思伝達する計画なのか、議事録の内容を点検するつもり だ」と説明。投資家が予想する利上げ時期はFOMC自体の予測よりも 先のことであり、こうしたコミュニケーションが重要だとする。

「金融当局は実際の心情では利上げに近づきつつある一方、市場は 利上げからさらに遠ざかっており、コミュニケーション面の課題は依 然、残っている」とダッタ氏はみている。

原題:Fed Minutes Guide: Rebound Confidence, Communications Challenge(抜粋)

--取材協力:Jeanna Smialek、Matthew Boesler.