伊方原発3号機の審査書案を了承、新規制基準下で3例目-規制委

原子力規制委員会は20日、再稼働に必要な安 全審査を進めている四国電力の伊方原子力発電所3号機について、事実 上の合格証となる審査書案を了承した。九州電力の川内原発1、2号機 や関西電力の高浜原発3、4号機に続き、原発事故後に見直された新規 制基準の下での3例目となる。

4月末に行われた最適なエネルギー構成を検討する有識者会合で、 政府は2030年の総発電電力量に占める原発の割合を20-22%とする骨子 案を提示した。10年度の原発比率28.6%を下回るものの、老朽原発の廃 炉決定で国内の原子炉の基数は福島第一原発事故以前の54基から43基に 減っており、運転延長を含めた再稼働を推進する方針を明確にした中で の審査合格となる。

規制委は審査書案に対する一般の意見募集を5月21日から6月19日 まで1カ月間実施したうえで審査書として最終決定し、安全審査の中核 部分となる設置変更許可を出す。再稼働までには、詳細設計に関する工 事計画認可や運用ルールを定めた保安規定認可に加え、愛媛県と伊方町 からの地元同意を得ることも必要になる。

先行する川内原発1号機は7月の再稼働に向けた使用前検査の準備 を進める一方で、高浜原発3、4号機は福井地方裁判所による運転差し 止めの仮処分決定で大幅な遅れが見込まれている。SMBC日興証券の 塩田英俊シニアアナリストは4月30日付のリポートで、川内原発に続い て16年1-3月期から4-6月期に伊方原発の再稼働を想定していると 述べた。

白紙

伊方原発(愛媛県伊方町)は四国電の唯一の原発で、12年1月以降 3基ある原子炉がすべて停止している。1994年に運転を開始した3号機 (出力89万キロワット)は運転開始から約20年と新しい。一方で、運転 開始から30年以上が経過し、出力が50万キロワット台と原発としては小 さい1、2号機については同社は規制委に再稼働を申請していない。

四国電によると、13年9月に実施した電気料金値上げが寄与し15年 3月期の純損益は4年ぶりに黒字に転換した。伊方原発3号機の再稼働 時期が不透明なことから、16年3月期の損益については予想の発表を見 送っている。

愛媛県の中村時広知事は伊方原発3号機の再稼働について、国のエ ネルギー政策上の方針、四国電力の取り組み姿勢、地元理解の3条件で 総合的に判断するとの考えを示している。中村知事は県庁のウェブサイ トで「国の明確な方針が示されていない現段階では白紙」との見解を掲 載している。伊方町の山下和彦町長も町としての判断は保留している。

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