セールス教えてくれないと為替トレーダー-口慎まないと失職か

世界の債券投資家が4000億ドル(約48兆円) 余りを1週間で失った今月のことだ。スイスのプライベートバンク、ユ ニオン・バンケール・プリベ(UBP)の通貨ストラテジスト、クー ン・チャウ氏は、外国為替市場への影響について銀行のセールス窓口に 尋ねたが、ほとんど役立たなかった。

英銀バークレイズやスイス2位の銀行クレディ・スイス・グループ にかつて勤務し、15年余り市場に携わった経験を持つチャウ氏は、「銀 行のセールスからどんな情報を得るにも苦労した。誰が何をしているか 話すことに彼らは及び腰だった」と振り返った。

チャウ氏が返答を得るのに苦労したことは、外為市場の操作疑惑を めぐる監督当局の調査が始まって以降、銀行業界が襟を正している様子 を物語っている。銀行のスポット為替デスク経由の取引は、顧客が電子 取引プラットホームにシフトしたことでその後減少し、30人を超えるト レーダーが解雇か停職処分となった。残ったバンカーはいかなる情報の やりとりも職を失う危険を伴うと警戒している。

リスクは実に高い。事情に詳しい複数の関係者によれば、米銀シテ ィグループとJPモルガン・チェース、英銀ロイヤル・バンク・オブ・ スコットランド・グループ(RBS)、バークレイズは、外為市場操作 の刑事捜査を決着させるため、有罪答弁と約10億ドルの支払いにそれぞ れ応じる見通しだ。スイス最大の銀行UBSグループも処分を受けると 予想され、5行のトレーダー個人も訴追される可能性が残る。

グリニッチ・アソシエイツ(米コネティカット州)のマネジングデ ィレクター、ダン・コネル氏は、「顧客は市場の情報をうるさく求める が、セールス担当者やトレーダーに市場の背景的な情報を提供させるこ とに銀行は慎重だ。守秘義務を守りつつ価値を生む顧客情報を集約して 提供する方法を探ろうとする考えもあるが、個々の顧客の承諾がなけれ ばそれすらできないと多くの関係者が感じている」と指摘している。

原題:Foreign-Exchange Traders Sober Up as Market-Rigging Fines Loom(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate、David Scheer.