5月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落-ECB当局者が債券購入加速の方針示す

19日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し2カ月 で最大の下げとなった。欧州中央銀行(ECB)の当局者が、ECBは 年央に見込まれる流動性低下の前に債券購入ペースを加速させる方針だ と述べたことに反応した。

ECBのクーレ理事は、資産購入プログラムに基づく債券購入を、 市場の流動性が低下する前の5月と6月に増やすと表明。これに反応し てユーロは下落した。またこの日は4月の米住宅着工件数が大幅に増加 して約7年ぶり高水準となり、金融当局の利上げに向けた動きを支持す る格好となった。これを受け、ユーロは対ドルでの下げを拡大した。

モルガン・スタンレーの世界為替戦略責任者、ハンス・レデカー氏 は、債券購入の増加を前倒しする動きについて、「ECBがQE(量的 緩和)を通じて、為替レートに対してより大きな影響を与えたいという 方向性を明確に示している」と指摘。「きょうのメッセージは極めては っきりしていた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは1.5%安の1ユーロ =1.1150ドル。下落率は3月19日以降で最大。対円では0.9%下げて1 ユーロ=134円57銭。ドルは対円で0.6%上げて1ドル=120円69銭。

ユーロとECB

野村ホールディングスの英法人為替セールス担当エグゼクティブデ ィレクター、リー・マクダービー氏は、ユーロが1.10ドルを割り込んで 下落した場合、ドルと等価に下げるとの見方が再燃すると指摘した。ク ーレ理事の発言で、「2015年に入ってから市場がいかに不安定で、変動 の大きい状態が続いているかをあらためて気づかされた」と述べた。

クーレ理事の発言を手掛かりに、ユーロは主要16通貨中15通貨に対 して下落。ECB政策委員会メンバーのノワイエ・フランス中銀総裁 は、19日にパリで、ECBは必要に応じてQEを拡大させる用意がある と述べた。

ドイツ銀行のストラテジスト、ダニエル・ブレホン氏(ニューヨー ク在勤)は「米金融当局とECBは、政策のかい離にはまって動けなく なっている感じだ。米当局のタカ派とECBのハト派との政策のかい離 だ。きょうのニュースはそれを証明している」と述べた。

米商務省が19日発表した4月の住宅着工件数(季節調整済み、年率 換算)は前月比20.2%増の114万戸と、2007年11月以来の高い水準とな った。

原題:Euro Drops After ECB Official Pledges to Speed Up Bond Purchases(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、住宅着工増加で利上げ観測が上値抑える

19日の米株式相場はほぼ変わらず。前日に最高値を更新したS& P500種株価指数は下げた。住宅着工件数が約7年ぶりの高水準とな り、年内の利上げ観測が強まった。

決算が予想を下回ったウォルマート・ストアーズは4.4%安。アー バン・アウトフィッターズは15%の急落。利益と売上高がアナリスト予 想に届かなった。原油安を背景にエネルギー株も安い。7.6%安のヤフ ーなど、ハイテク株も下げた。一方、ビデオゲーム制作を手掛けるテイ クツー・インタラクティブ・ソフトウエアは18%上昇。決算が予想を上 回った。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安い2127.83で終了。最高値更 新は3営業日連続で途切れた。一方、ダウ工業株30種平均は13.51ドル (0.1%)高い18312.39ドルと、2日連続で最高値を更新した。ナスダ ック総合指数は0.2%安。

マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツ(ペンシルベニア州 ベスレヘム)の最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「強い 経済指標のニュースが出ると、利上げ懸念が強まる。金利の先行きに加 え、利上げが必要なほど経済指標が強くなるかどうかを判断する局面に 再びなっている」と語った。

住宅着工件数

4月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は2007年11月以来 の高い水準となった。着工件数の先行指標となる住宅建設許可件数も増 加した。

同経済統計は第1四半期の景気減速が一過性のものだとする米金融 当局の見方を後押ししている。20日には4月の連邦公開市場委員会 (FOMC)会合の議事録が公表される。

ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールス・トレーダ ー兼マネジングディレクターのマイケル・アントネッリ氏は「住宅着工 件数は力強かった。マクロ経済データでは悪い内容が続いていたため、 予想を上回る米経済指標を見るのは良いことだ。私は上値を追うにはそ れで十分だと思ったが、原油相場が少し下げ、リスクテーク意欲がやや 弱まった」と述べた。

S&P500種のセクター別では10業種のうちエネルギーなど7業種 が下落。一方、金融株指数は2日連続で年初来高値を付けた。住宅指標 が予想を上回り、米国債利回りが上昇を続けたことが背景にある。ウェ ルズ・ファーゴは最高値を更新した。

住宅建設株

S&P住宅建設株指数は0.9%上昇し、4月以来の高水準となっ た。上げは4日連続で、1月以降で最長の連続高。

住宅指標の改善と原油安で個人消費回復の恩恵を受ける銘柄が上げ た。マクドナルドが2.7%上昇し10カ月ぶり高値。ロイヤル・カリビア ン・クルーズやダーデン・レストランツも高い。

原油相場が3.7%下げたことを嫌気し、エネルギー株指数は1.2%下 げて、1カ月ぶり低水準となった。

原題:U.S. Stocks Close Little Changed From Records After Housing Data(抜粋)

◎米国債:続落、2日間の下げ幅は2月以降で最大-住宅着工が増加

19日の米国債は続落。ここ2日間の利回りの上げ幅は2月以降で最 大だった。朝方発表された4月の住宅着工件数は大幅に増加し、約7年 ぶりの高水準となった。

10年債利回りは上昇。金融政策当局者は利上げ時期を見極めよう と、経済指標を注視している。欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は 流動性の低い夏が来る前に前倒しで債券購入を若干増やすと述べた。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏(フィラデルフィア在勤)は、「住宅着工件数は非常 に良好だった」と述べ、「明るい兆しに間違いない。どの程度明るいか は、どれほど持続性があるかだ。経済的には支援材料とみなされ、債券 にとっては弱材料だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時5分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(b p、1 b p=0.01%)上昇の2.29%。同年債価格(表面利率2.125%、 償還期限2025年5月)は15/32安の98 17/32。

今週に入って2日間で利回りは15bp上昇した。ブルームバーグ米 国債指数によると、償還期限10年以上の国債リターンは月初から4.3% のマイナス。

住宅着工件数

米商務省が発表した4月の住宅着工件数(季節調整済み、年率 換 算、以下同じ)は前月比20.2%増の114万戸と、2007年11月以来の高 い 水準となった。また伸び率は1991年2月以来で最大。ブルームバーグが まとめたエコノミスト83人の予想の中央値は102万戸だった。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は、「力強い統計内容だったことか ら、投資家はその先を見て、力強い第2四半期を期待している」と述べ た。

20日には連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(4月28-29日開 催分)が公表される。モルガン・スタンレーの指数が示すところ によ れば、米金融当局は約8カ月以内に初回利上げを決定する可能性が あ る。

クーレ理事はロンドンでの講演で、「恒例の休暇シーズンで7月半 ばから8月にかけて流動性が顕著に低下する債券市場の季節パターン」 に対応するため、5月と6月のユーロ圏資産購入を若干多くすると述べ た。

原題:Treasuries 2-Day Drop Is Biggest Since February on Housing Gain(抜粋)

◎NY金:反落、月初来最大の下げ-住宅指標改善で利上げ警戒

19日のニューヨーク金先物相場は反落。4月以来の大幅安となっ た。米住宅市場の回復で利上げが正当化されるとの観測が強まった。4 月の米住宅着工件数は大幅に増加し、約7年ぶりの高水準となった。

オアンダ(カナダ・トロント)のシニア通貨アナリスト、アルフォ ンソ・エスパルザ氏は電話インタビューで、「金市場はドル上昇の圧力 を受けて下げている。良好な住宅指標と欧州中央銀行(ECB)の発表 を受けてドルには活力が戻っている」と指摘。「20日の連邦公開市場委 員会(FOMC)議事録が極めて重要になる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比1.7%安の1オンス=1206.70ドルで終了。中心限月として は4月30日以来の大幅下落となった。

銀先物7月限は3.7%下げて17.071ドル。プラチナ先物7月限 は2.3%下落の1オンス=1150.90ドル。パラジウム先物6月限は2.3% 安の775.15ドル。

原題:Gold Slumps Most This Month as Housing Data Boosts Rate Concerns(抜粋)

◎NY原油:3週ぶり安値-ドル高やゴールドマン予想を嫌気

19日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が5日続落。3週間ぶりの安値となった。ド ルの上昇に加え、ゴールドマン・サックス・グループが供給過多を理由 に、10月までにバレル当たり45ドルへ再び下げるとの見通しを示したこ とが嫌気された。5日連続の下げは3月以降で最長。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)の市場担当チーフストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は「ドル が大きな材料となっている。生産を加速させる石油精製企業も出てくる だろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比2.17ドル(3.7%)安い1バレル=57.26ドルと、終値としては4月28 日以来の安値。同限月はこの日が最終取引となった。

原題:Oil Falls to 3-Week Low as Goldman Sees $45 Crude by October(抜粋)

◎欧州株:上昇-ECB当局者が夏前にQEの購入ペース加速と発言

19日の欧州株式相場は3週間ぶり高値を付けた。欧州中央銀行 (ECB)が量的緩和(QE)での債券購入ペースを5、6月に加速さ せるとクーレ理事が発言したことが要因。

指標のストックス欧州600指数は前日比1.6%高の404.49で終了。講 演テキストによれば、クーレ理事は流動性低下が見込まれる夏になる前 に購入を増やす方針だと語った。ECBのQEプログラムを手掛かり に、ストックス600指数は4月に過去最高値を更新した。

ランプ・アセット・マネジメント(デュッセルドルフ)で株式運用 に携わるミヒャエル・ボイシュネック氏は、「流動性が枯渇しつつある との懸念があったが、市場の安定に必要な保証が得られた」と指摘。 「どのような策をECBが講じても、それで十分だ。ユーロを再び押し 下げ、成長を支え、買い手を欧州に呼び戻すだろう。自動車メーカーな どの輸出企業は恩恵をまた受ける」と語った。

業種別指数では自動車関連が2カ月ぶりの大幅高。ドイツのフォル クスワーゲン(VW)とフランスのルノーはそれぞれ5%前後の値上が り。欧州市場で4月の新車販売が1年8カ月連続で増加したことが買い 材料となった。

ギリシャのアテネ総合指数は続伸し、この日は2.6%上昇。バルフ ァキス財務相は18日夜の同国スターTVとのインタビューで、あと1週 間程度で救済融資再開の合意にこぎ着けるだろうと語った。

原題:European Stocks Rally With Carmakers as ECB Plans to Boost QE(抜粋)

◎欧州債:軒並み上昇、ECBが購入ペース加速とクーレ理事が発言

19日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が軒並み上昇。今年に入 ってから国債利回りを過去最低まで押し下げた資産購入プログラムにつ いて、欧州中央銀行(ECB)当局者らが実施をしっかり続ける姿勢を あらためて表明したことが手掛かり。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは1週間ぶり低水準とな った。ECBのクーレ理事は18日、資産購入ペースを5、6月に加速さ せる方針を明らかにした。政策委員会メンバーのノワイエ氏はこの日に パリで、ECBは必要に応じてプログラムを延長する準備があると語っ た。

フランクフルト・トラストの資産配分責任者、クリストフ・キント 氏は「当局者らがこうした措置を講じるのは季節要因だけではなく、 ECBが柔軟に対応できるというシグナルを市場に送るためかもしれな い」とし、「ECBはこのところの利回り上昇について懸念している。 それで市場が反応した」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比5ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.60%。一時は0.55% と、11日以来の低水準となった。同国債(表面利率0.5%、2025年2月 償還)価格は0.505上げ99.105。

クーレ理事はまた、7月半ばから8月にかけて流動性が顕著に低下 する見込みであることを踏まえ、購入前倒しに加えて流動性が回復する と予想される9月に追加購入を行うこともあり得ると語った。

イタリア10年債利回りは8bp下げて1.81%。同年限のスペイン国 債利回りも8bp低下し1.75%となった。

原題:Euro-Area Bonds Climb as Coeure Says ECB to Expedite Purchases(抜粋)

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