コンテンツにスキップする

タカタ:エアバッグに吸湿材、08年以降不具合に歯止め-関係者

更新日時

エアバッグの不具合に起因する自動車リコー ル問題に直面するタカタが、2008年の最初のリコールを受けて、エアバ ッグを作動させるガス発生装置に湿気を吸着する素材を添加していたと 事情に詳しい関係者3人が明らかにした。そのタカタは米国でのリコー ルについて全米規模への拡大で当局と合意した。

この問題をめぐっては、エアバッグを膨らませるためガスを発生す るインフレータが異常破裂して金属片が飛散する恐れが指摘され、世界 の大手自動車メーカーが搭載車を相次ぎリコールしてきた。最初のリコ ールは08年のホンダ。関係者によると、そのころにタカタはインフレー タに吸湿材を添加し、それ以降の製品は安全性が保たれていると考えて いるという。

異常破裂の原因については、タカタと自動車メーカー側がそれぞれ 専門家に依頼して調べているが、まだ分かっていない。異常破裂に関連 した一連のリコールは、08年ごろまでの製造車両に集中している。

異常破裂につながる不具合の根本原因について、タカタの品質保証 本部シニアバイスプレジデントの清水博氏は昨年11、12月の米議会公聴 会で、部品の経年劣化や高湿度下での継続的な使用、製造過程での問題 の3つの複合要因とみていることを明らかにしていた。

タカタはインフレータの材料に硝酸アンモニウムを採用している。 清水氏は昨年の米公聴会で、製造過程で湿気を適切に制御すれば硝酸ア ンモニウムは安定しており安全だと話した。さらに、タカタが現時点で 製造しているエアバッグは安全だと自信があると述べていた。

湿気に敏感

バリエント・マーケット・リサーチのスコット・アップハム社長は 硝酸アンモニウムについて、湿気に敏感だと指摘する一方、湿気が不具 合の唯一の要因ではないとみている。

タカタ製エアバッグ問題では10年以降の車種でも米ゼネラル・モー ターズ(GM)がリコールしているが、GM広報担当のジム・ケイン氏 は、多湿などに関連する一連のリコールとは問題が異なり、機械的な問 題の解決に取り組んでいると話していた。

タカタ製エアバッグ搭載車をめぐっては08年以降、国内外の自動車 メーカー10社が総計で3000万台以上をリコールしてきた。このうち、最 近の新たなリコールでは、13日にはトヨタ自動車が約500万台、日産自 動車が約156万台、14日にはホンダが約489万台が世界で対象になると公 表し、国内対象車両の製造時期は02年1月から08年3月だった。さら に、米国ではタカタが現地当局と19日にリコールについて全米規模への 拡大で合意し、現地の対象車が従来の2倍の3400万台規模になる。

今期は黒字転換へ

タカタ広報担当の高井規久子氏は、インフレータへの吸湿材の添加 に関してコメントを控えた。自動車検査登録情報協会のウェブサイトに よると、14年の乗用車の平均使用年数は12.64年だった。

タカタは前期(15年3月期)にリコール関連費用などが拡大し、純 損益が296億円の赤字に転落した。今後の追加費用に関しては現時点で 合理的な見積りが可能な範囲で、製品保証引当金を見積り計上している が、それ以上の「負担の有無およびその金額を現時点で予測することは できません」と決算短信に注記を継続している。今期の純損益は200億 円の黒字転換を見込んでいる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE