日本株4連騰で高値、流動性継続や円安、景気期待-内需中心

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20日の東京株式相場は4日続伸し、主要株価 指数は年初来高値を更新した。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和加速 の方針や為替の円安進行、国内総生産(GDP)の上振れが好感され、 不動産やサービス、陸運、電力など内需関連株が上昇。電機やゴム製品 といった輸出関連株も高い。

TOPIXの終値は前日比10.07ポイント(0.6%)高の1643.40、 日経平均株価は170円18銭(0.9%)高の2万196円56銭。TOPIX は2007年10月15日以来の高値となり、日経平均は4月23日の高値を上抜 け、2000年4月14日以来の水準となった。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「欧州の 株価調整と金利上昇でトレンドが転換したのかと市場は身構えていた が、ECBの緩和強化を材料に緩和マネーによる1-3月の欧州株高・ 日本株高の第2ラウンドへの思惑が働いている」と言う。日本の景気も 「方向として改善している。国内に株を売る材料はない」と指摘した。

ECBのクーレ理事は19日のロンドンでの講演で、ECBが5月と 6月にユーロ圏の資産購入を増やす意向だと語った。恒例の休暇シーズ ンに当たる7月半ばから8月にかけ流動性が顕著に低下する債券市場の 季節パターンを認識しているとし、流動性低下が見込まれる夏前に購入 を増やすという。さらに、「必要なら前倒しに加え、市場の流動性が回 復すると予想される9月に追加購入で補うこともあり得る」とした。

19日の欧州債市場では、ユーロ圏の国債が軒並み上昇。欧州債の指 標とされるドイツ10年債利回りは1週間ぶりの低水準となる半面、スト ックス欧州600指数は1.6%高と3週間ぶりの高値を付けた。

クーレ理事の発言や4月の米住宅着工件数の大幅増加などを材料 に、前日の海外為替市場ではユーロ安・ドル高が進行。ドル堅調の流れ を受け、きょうのドル・円相場は1ドル=120円99銭と3月20日以来の 円安水準に振れた。東京株式市場の19日終値時点は119円93銭。

「欧州景気は思ったほど悪くないのではないかとの見方もあり、投 資家心理は揺れたところがあった」と、SMBC日興証券投資情報部の 西広市部長。しかし、クーレECB理事の発言は「欧州の景気を悪くさ せないという意志を示した。欧州金利が落ち着く方向にあり、リスク資 産にマネーが流れる」との認識を示す。

GDP伸び率、在庫増寄与で予想上回る

一方、取引開始前に発表された日本の1-3月期GDPの速報値は 前期比0.6%増、年率換算では2.4%増とエコノミスト予想の1.6%増を 上回った。項目別では全体の約6割を占める個人消費が0.4%増、設備 投資が0.4%増、公共投資は1.4%減。在庫の寄与度はプラス0.5ポイン トとなった。昨年10-12月は年率1.1%増に下方改定された。

大和総研の長内智エコノミストは、「GDPは成長ペースの加速、 コンセンサスを上回る伸び、消費や設備投資の持ち直しを示したという 3点から第一印象はポジティブ。日本の景気回復が続くというストーリ ーは変わらない」と指摘した。在庫投資の押し上げ効果に関しては、 「需要が増える中で増加したことから気にする必要はない」としつつ、 「規模が大きいので、取り崩しが成長率の押し下げに寄与してくること は4-6月以降の懸念」とも話した。

業種別では、不動産が上昇率1位。りそな銀の戸田氏は、「何かが 柱となってリードする相場ではなく、出遅れ業種の循環物色になってい る」とみていた。上昇率2位は電気・ガス。SMBC日興証によると、 日本時間20日に実施されたMSCI最小分散指数の定期見直しでは16銘 柄追加・7銘柄削除となり、中国電力や北陸電力、関西電力など電力5 社が新規採用された。四国電力には、原子力規制委員会が伊方原子力発 電力3号機の審査書案を了承する材料があった。

東証1部の業種別33指数は不動産、電気・ガス、ゴム、サービス、 ガラス・土石製品、陸運など26業種が上昇。石油・石炭製品、保険、鉱 業、鉄鋼など7業種は下落。石油や鉱業は、19日のニューヨーク原油先 物が3週ぶり安値となったことが売り材料。

売買代金上位では三菱地所、三井不動産、オリエンタルランド、東 京電力、日東電工が高い。半面、ソニーや任天堂、東京海上ホールディ ングス、JXホールディングスは安い。東証1部の売買高は25億7091万 株、売買代金は2兆9955億円。上昇銘柄数は1113、下落は640。

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