5月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル反発、米経済は1-3月期の低迷から回復との見方

18日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが4カ月ぶり安値から 上昇。米経済が1-3月(第1四半期)の低迷から回復するとの観測が 広がった。

ドルは対ユーロでは5営業日ぶりに反発し、上昇率は5週間で最大 となった。今週米国では住宅市場や製造業活動に関連した経済指標が発 表される。指標に改善が見られれば、金融当局が利上げを開始する正当 性が裏付けられる。

スタンダード・ライフ・インベストメンツの為替担当ディレクタ ー、ケン・ディクソン氏は「ドルの前向きなトレンドはさらに継続す る」とし、金融当局の利上げが近づくにつれてドルは最近の下げから回 復するとの見方を示した。ただ対ユーロでの上げはその大きさとペース の両面で緩やかになると加えた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、前週末比0.9%高 の1160.14。同指数は週ベースでは前週まで5週続落と、2013年10月以 来の長期連続安となっている。

ドルは対ユーロでは1.2%上昇し1ユーロ=1.1315ドルで、上昇率 は4月9日以降で最大。対円では0.6%上げて1ドル=119円99銭。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「市場ではドルに対する全般的な強気バイアス は変わっていない」と分析。その上で、バリュエーションの面では魅力 が若干増しつつあるものの、今週のドルの見通しについては慎重さを要 するとも述べた。

ギリシャ情勢

欧州中央銀行(ECB)など世界の中銀が政策を緩和させる一方で 米当局は利上げに近づきつつあるとの観測を背景に、ドルは昨年7月か ら今年4月までに21%上昇。ただそれ以降は5.1%下落した。

ユーロ相場はこの日、ギリシャの銀行をめぐる懸念が重しとなり下 落した。ギリシャ政府と債権者が同国救済をめぐって合意できない場 合、ギリシャの銀行が支払い不能に追い込まれるとの懸念が広がった。

クレディ・アグリコルの外国為替戦略の欧州責任者、アダム・マイ ヤーズ氏は「ドルにとっては一段と大きな反発の始まりとなる可能性が ある」と指摘。「経済データは4-6月(第2四半期)に非常に速いペ ースで回復し、金融当局は計画通り7-9月(第3四半期)に政策を引 き締める見通しだ」と述べた。

マイヤーズ氏は、米経済が回復した場合、ドルは向こう数週間に1 ユーロ=1.1250ドルに上昇するとの見方を示した。

原題:Dollar Rebounds as Investors Foresee U.S. Economy Gaining Steam(抜粋)

◎米国株:S&P500とダウ平均が最高値、アップルや銀行株に買い

18日の米株式市場では主な株価指数が最高値を更新。アップルは資 産家カール・アイカーン氏の発言を受けて上昇した。債券利回りの上昇 を背景に銀行株も高い。

アップルは1.1%高。アイカーン氏は自社株買いの増額を求めた。 シティグループやサントラスト・バンクスも高い。婦人衣料小売りチェ ーンのアンは20%の急伸。同業のアシナ・リテール・グループはアンを 約21億6000万ドル(約2590億円)で買収することで合意した。半導体メ ーカーのアルテラは5.7%高。身売りについて業界最大手のインテルと 再び協議しているとの報道が手掛かり。

S&P500種株価指数は前営業日比0.3%高い2129.20と、3営業日 連続で最高値を更新した。ダウ工業株30種平均は26.32ドル(0.1%)高 い18298.88ドルで終了。3月2日以来、約2カ月半ぶりの最高値更新と なった。ナスダック総合指数は0.6%高。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツ(サウスカロライナ州 グリーンウッド)の最高投資責任者(CIO)、ウォルター・トッド氏 は「利回りの上昇に伴い金融株が上向き始めた」と指摘。「金融株が参 加すれば、今の上昇局面は一段と長くなる可能性がある」と続けた。

ドル指数が4カ月ぶり低水準から戻し、米国債利回りは上昇した。 今週発表される経済指標が利上げ観測を強めるとの見方が背景にある。 ドル高は輸出企業の競争力を弱め、輸入品の魅力を高めるため、景気や 企業利益にとって足かせとなる。

住宅指標

利上げ時期を探る上で、今週発表の住宅関連指標に注目が集まって いる。この日発表された住宅建設業者の景況感を示す住宅市場指数は5 月に市場予想に反して前月比で低下した。販売や客足が落ち込んだ。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメイレン氏は「過度に強気になるのは難しいが、弱気論を主張する のも難しい。マクロ経済はすばらしいというわけではないが、悲惨な状 態でもない。成長改善を示す指標が必要だ」と語った。

シカゴ連銀のエバンス総裁は18日、ストックホルムでの講演のテキ ストで、米金融当局として主要政策金利を2016年の早い時期までゼロ近 辺に据え置くべきだとの考えをあらためて示した。インフレ率が当局の 目標である2%をなお大幅に下回っているためで、いったん利上げを開 始した後も、漸進的に進めるよう重ねて呼び掛けた。20日には4月に開 催された連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事録が公表される。

決算

S&P500種構成銘柄の中ではウォルマート・ストアーズやヒュー レット・パッカードが今週、決算を発表する。これまでに発表された決 算では72%で利益が予想を上回り、47%で売上高が予想を超えた。

S&P500種のセクター別では10業種のうち、金融やヘルスケアな ど7業種が上昇した。10年債利回りの上昇を背景に金融株が上げた。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は1.1%上昇し、4カ 月ぶり高値。ギリアド・サイエンシズは1.6%上昇し、ヘルスケア株の けん引役となった。ナスダック・バイオテクノロジー指数は1.2%上昇 し、3週間ぶり高水準。

原題:Rally in Apple, Bank Shares Sends U.S. Stocks to All-Time Highs(抜粋)

◎米国債:反落、欧州債につれ安-社債発行増加も売りを誘発

18日の米国債は反落。欧州債が再び下落したほか、社債発行も圧迫 要因になった。

ここ数週間で債券は世界的に下落。欧州中央銀行(ECB)の債券 購入プログラムを背景にした債券の上昇は終わりを迎えたかどうか、投 資家は動向を見極めようとしている。マクドナルドやエマーソン・エレ クトリックといった企業が社債発行の準備を進めていることも利回り上 昇につながった。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利・信用責任者、 トーマス・ディガロマ氏は「市場では弱気が支配的で売りを誘発してい る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時1分現在、10年債利回りは前営業日比9ベーシスポイント(b p、1 b p=0.01%)上昇の2.24%。同年債価格(表面利率2.125%、 償還期限2025年5月)は26/32安の99ちょうど。

ブルームバーグ米国債指数によると、月初来で米国債のリターンは マイナス0.6%。昨年は6.2%のプラスだった。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは3bp上昇の0.65%。 利回りは4月17日に過去最低の0.049%を記録した。ECBによる債券 購入策が影響した。

ユーロ圏経済は回復の兆しが示されている。欧州連合(EU)統計 局(ユーロスタット)が発表した1-3月域内総生産(GDP)速報値 は前期比0.4%増と、成長率は昨年10 -12月(第4四半期)の0.3%を 上回った。

FOMC議事録公表

20日には連邦公開市場委員会(FOMC)が4月28-29日に開いた 会合の議事録が公表される。モルガン・スタンレーの指数が示すところ によれば、米金融当局は約8カ月以内に初回利上げを決定する可能性が ある。

通常は弱い内容の経済統計は米国債にとって支援材料になるが、今 は米国債の今後の方向性についてトレーダーの間では議論が続いてい る。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの米金利戦略責任 者、プリヤ・ミスラ氏は米国債の買いを助言、10年債利回りは2%へ低 下するとみている。

一方、ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは米国 債利回りがさらに上昇するとみている。ゴールドマンは年末までに10年 債利回りが2.75%に上昇すると予想している。

原題:Treasuries Halt Two-Day Gain as European Bonds Resume Decline(抜粋)

◎NY金:続伸、3カ月ぶり高値-プラチナは供給ひっ迫懸念で上昇

18日のニューヨーク金先物相場は続伸。一時3カ月ぶりの高値をつ けた。プラチナ先物は供給ひっ迫懸念から、ここ1年足らずで最長の連 続高となった。世界プラチナ投資評議会は同日のリポートで、在庫の指 標が少なくとも10年ぶりの水準に低下するとの見通しを示した。

ヘレウス・メタルズ・ニューヨークのセールス・マーケティング・ マネジャー、ミゲル・ペレスサンタラ氏は電話インタビューで、「供給 は常に心配の種だが、成長をめぐるストーリーでプラチナ価格は押し上 げられるだろう」と指摘。「利上げ時期の見通しが今や来年に後ずれし ているため、貴金属は買われている」とも述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前週末比0.2%高の1オンス=1227.60ドルで終了。一時1232ドル と、2月17日以来の高値をつけた。

プラチナ先物7月限は0.8%上昇の1オンス=1178.50ドル。昨年6 月10日以降で最長の5営業日続伸。

銀先物7月限は1%上げて17.732ドル。パラジウム先物6月限 は0.2%安の793ドル。

原題:Platinum Posts Longest Rally Since June Amid Supply Concerns(抜粋)

◎NY原油:続落、ドルの反発を嫌気-投資妙味が低下

18日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が続落。外国為替市場でドルが4カ月ぶり安 値水準から戻したことを受け、ドル建てで取引される商品の投資妙味が 低下した。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏(フロリダ州ジュピター在勤)は電話取材に対し、「ドルがよ うやく力を発揮し始め、原油相場に下押し圧力を加えている」と指摘。 「ドルと原油には強い逆相関の関係があり、きょうはこれが顕著に表れ た」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前週 末比26セント(0.44%)安い1バレル=59.43ドルで終了した。6月限 は19日が最終取引。7月限は30セント下げて60.24ドル。

原題:Crude Declines as Dollar Rebound Curbs Investor Appetite for Oil(抜粋)

◎欧州株:上昇、ギリシャ株が急反発-自動車とヘルスケア銘柄に買い

18日の欧州株式相場は上昇。自動車株の上げが目立った。ギリシャ 株は一時下げたものの、その後は上げに転じた。

指標のストックス欧州600指数は前週末比0.4%高の398.09。この日 は0.6%上昇後、0.7%下げる場面があった。ギリシャのアテネ総合指数 は1.6%上昇。一時2.7%安となったが、欧州委員会がギリシャに妥協案 を提示したと同国紙トビマが報じたことを手掛かりに反発した。

ドイツのDAX指数は1.3%高。ユーロ安を買い材料に、同国自動 車メーカーのポルシェ・オートモービル・ホールディングとフォルクス ワーゲン(VW)がともに3%強の値上がりとなった。

サクソ銀行(デンマーク)の最高投資責任者、ステーン・ヤコブセ ン氏は「良くも悪くも、株式市場は欧州中央銀行(ECB)の量的緩和 (QE)に守られている雰囲気だ」と発言。「ギリシャ問題が解決しま すようにと市場は神頼みしている。通常なら最善の戦略ではないが、現 時点では機能しているようだ」と語った。

業種別ではヘルスケア銘柄も買われ、1.2%上昇。介護サービスを 手掛ける仏オルペアは2.9%上昇。独ヘルスケア会社フレゼニウス は3.3%値上がり。

原題:European Stocks Climb as Greek Shares Rebound, Carmakers Advance(抜粋)

◎欧州債:ギリシャ債急落、数週間で資金枯渇との観測-ドイツ債も下落

18日の欧州債市場ではギリシャ国債が急落し、10年債利回りは4月 以来の高水準を付けた。同国の金融システムの資金が数週間で枯渇する との見方が広がったためだ。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のモスコビシ欧 州委員(経済・通貨担当)はこの日、ギリシャと債権者側が実務レベル の合意に至るのに残された時間は極めて限られていると述べた。これに 対し、ギリシャ政府は合意達成への前提条件を繰り返し、譲れない分野 での譲歩はないと主張している。

こうして2400億ユーロ規模の救済プログラムの条件をめぐる交渉は 難航。ユーロ圏でのギリシャの将来をめぐる懸念が強まる中で流動性は 不足、同国経済はリセッション(景気後退)に逆戻りした。チプラス首 相はユーロ離脱は検討しておらず、デフォルト(債務不履行)回避に必 要な支援確保に専念すると述べている。

DZバンク(フランクフルト)の主席市場ストラテジスト、ダニエ ル・レンツ氏は、ギリシャは「早急に合意に達する必要がある。さもな ければ、デフォルトする公算が極めて大きい」と発言。ユーロ参加国の この日の国債相場下落は「明らかにギリシャが引き金となったが、市場 はパニックには向かっていない。現在のようなニュースの流れに対して 市場で通常起こる反応にすぎない」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、ギリシャ国債の10年物利回りは前週末 比57ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の11.33%。一時 は11.62%に達した。同国債(表面利率3%、2025年2月償還)価格 は2.295下げ54.745。

2年物利回りは一時433bp上昇し25.25%に達した。欧州委が妥協 案を示したとギリシャ紙トビマが報じると、やや上げ幅を縮小した。ギ リシャ政府のサケラリディス報道官はそのような提案を受けていないと 発言。欧州委の報道官も認識していないと語った。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは3bp上昇の0.65%。 同年限のイタリア国債利回りは13bp上げ1.90%。前週末までの2営業 日で12bp下げていた。

原題:Greek Bonds Tumble on Speculation Cash May Only Last a Few Weeks(抜粋)