TOPIXことし高値、円高一服や業績期待-内需主導底上げ

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19日の東京株式相場は3日続伸し、 TOPIXは3週間ぶりに年初来高値を更新した。為替の円高一服や世 界的なリスク選好、企業業績の改善期待から底上げの動きが強まり、証 券や食料品、陸運、小売といった内需関連株中心に高い。

TOPIXの終値は前日比6.67ポイント(0.4%)高の1633.33、日 経平均株価は136円11銭(0.7%)高の2万26円38銭。TOPIXは2007 年11月1日以来の高値水準、日経平均は先月28日以来の終値での2万円 乗せとなった。

三井住友アセットマネジメントの平川康彦シニアファンドマネージ ャーは、「企業の保守的なガイダンスで相場が冷やされると投資家は様 子を見ていたが、結果は想定の範囲だった」と指摘。企業側から発信さ れるメッセージは「余裕を持って予算を策定しているという声が多く、 安心感と先行き期待が持てる」と話した。

19日のドル・円相場は一時1ドル=120円4銭と、前日の東京株式 市場の通常取引終了時点119円68銭からやや円安水準で推移。米国経済 は1-3月期の低迷から回復するとの見方で、ドルが買われた海外市場 の流れを受けた。米連邦準備制度理事会(FRB)は20日、4月開催の 連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表する。4月会合の声明で は、一過性の要因が冬季の景気減速の一因とし、経済活動が緩やかなペ ースで拡大するとの見通しを示していた。

前日の海外株式は、欧州委員会がギリシャに妥協案を提示したと同 国紙トビマが報じたことなどを手掛かりに、欧州株が取引終了にかけ切 り返した。米国ではアップルや銀行株がけん引し、S&P500種株価指 数と米ダウ工業株30種平均が最高値を更新。半面、米国債は反落し、10 年債利回りは2.23%へ上昇した。

上方修正読む

内藤証券の田部井美彦市場調査部長は、「昨日の米国株は金利上 昇、ドル高の中でも調整せず、高値を更新した。金利引き上げを織り込 んだような動きになっている」とし、日本株の安心感につながったとみ ていた。為替も、「購買力平価は1ドル=100-105円。現在は15円の円 安にきており、企業の採算性は改善する状況にある」と言う。

国内では決算発表が一巡した。メリルリンチ日本証券が前週末まで の昨年12月期から3月期決算企業1507社の会社計画を集計したとこ ろ、15年度の売上高は3.2%増、経常利益は10.4%増の見通し。15年度 業績に対する市場予想は下方修正されたが、幅は小さく、期初計画の保 守的傾向や想定為替レートも実勢よりも円高であり、今後会社計画とと もに市場予想も上方修正される可能性が高い、と分析する。

SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジスト は、「日本企業が利益を稼ぎやすくなっている上、株主還元も厚めにな っている。グローバル投資家からみると、日本株は魅力的だ」と指摘。 会社側の慎重な今期業績計画が今後上方修正されていくなら、 「TOPIXは1800、日経平均は2万2000円と今から1割程度の上値ま で想定して良い」としている。

内需・外需が日替わり

TOPIXは4月28日に付けた年初来高値を更新。業種別では陸運 や食料品など内需関連株の上げが目立った。「銀行や保険が足元で急伸 した裏返しで、4月中旬からアンダーパフォームしていた業種を物色す る動き」と三井住友アセットの平川氏。出遅れ業種を中心に内需、外需 が日替わりで交互に上昇し、全般底上げの様相を呈している。

東証1部の業種別33指数は証券・商品先物取引、水産・農林、その 他金融、食料品、空運、陸運、小売など26業種が上昇。海運、倉庫・運 輸、輸送用機器など6業種は下落。

売買代金上位では、クレディ・スイス証券が投資判断を上げたファ ーストリテイリングのほか、野村ホールディングス、JT、説明会がア ナリストから評価された花王、JR東日本、ミネベアが高い。三菱 UFJフィナンシャル・グループや東芝、独占禁止法の疑いで公正取引 委員会による立ち入り検査を受けた富士通は安い。東証1部の売買高 は25億8423万株、売買代金は2兆7137億円。上昇銘柄数は1242、下 落514。