ギリシャのゲーム大詰め、3週間の命綱か-ATMや資本規制も

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ギリシャの銀行は資金繰りの維持に不可欠 な担保が底を突きつつある。債権者との瀬戸際の交渉を数週間にわたり 続けてきた同国のチプラス首相に対し、こうした危機的状況が行動を促 す可能性がある。

ギリシャの金融システムから預金が流出する中で、同国の銀行はギ リシャ銀行(中央銀行)に置く担保を利用し、毎週ますます多くの緊急 流動性支援(ELA)の供与を受けている。最悪のシナリオでは、この ライフライン(命綱)が3週間以内に限界に達し、銀行が支払い不能に 追い込まれると一部のエコノミストは予想している。

米銀JPモルガン・チェースのアナリスト、マルコム・バー氏とデ ービッド・マッキー氏は15日付の顧客向けリポートで、「担保が底を突 く時期が恐らく近い。中央政府のキャッシュフローに対する圧力、銀行 システムに対する圧力、政治日程の全てが5月後半から6月初めに集中 する」と指摘した。

チプラス首相は14日の段階で債権者側への主要な要求について妥協 するつもりはないと述べており、欧州の政策担当者の我慢も限界に達し つつある。ギリシャ向け救済資金の追加供与を行うかどうかが協議の焦 点だが、欧州中央銀行(ECB)がELAプログラムの下でギリシャの 銀行が差し入れる担保のヘアカット(割引率)拡大を決定すれば、リス クがさらに高まる恐れがある。

そのような動きは下手をすればギリシャの銀行からの預金流出にさ らに拍車を掛け、債権者と合意するか、それとも資本規制に至る道に踏 み込むかチプラス首相に二者択一を迫ることになりかねない。

一方、ECBのメルシュ理事は16日にルクセンブルクのラジオ 局100.7とのインタビューで、「われわれはゲームの大詰め段階に差し 掛かっている。これは持ちこたえることができる状況ではない」と発言 した。

行き詰まるのはいつか

ECBが現時点で承認しているELAの上限は約800億ユーロ (約10兆9400億円)だが、事情に詳しい関係者の1人によれば、現在の 条件の下では、ギリシャの銀行は約950億ユーロまでELAを利用でき る十分な担保の備えがある。ECBはELAの上限を毎週約20億ユーロ ずつ拡大しており、銀行は6月末まで持ちこたえることができそうだ。

だが当局者によると、ギリシャのデフォルト(債務不履行)や支援 協議の完全な決裂、あるいは交渉の行き詰まりがこのまま続くこと自体 が引き金となり、ECBが担保の割引率を拡大することが予想され、そ うなれば資金繰りの逼迫(ひっぱく)は避けられない。

関係者によれば、担保の割引率が拡大された場合、ギリシャの銀行 が利用可能なELAの上限は約880億ユーロとなる。銀行の資金繰りが 行き詰まるまで約4週間の猶予しかなくなり、裁量の余地も限られるた め、ギリシャ政府は現金自動預払機(ATM)からの引き出しを含めた 取引の制限や資本規制の導入に踏み切らざるを得なくなりそうだ。

原題:Greek Endgame Nears for Tsipras as Bank Collateral Hits Buffers(抜粋)

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