池尾氏:金融政策の限界、ゼロ金利超えた量的緩和に効果なし

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池尾和人慶応大教授は2年で2%の物価目標 を掲げた日銀の量的・質的金融緩和について「金融政策には限界があ る」とし、量的緩和をしてもゼロ金利政策を上回る追加的な効果は期待 できず、「手詰まり感が出てきている」との認識を示した。

池尾氏は14日、ブルームバーグとのインタビューで「今もゼロ金利 政策を続けており、その限りで緩和効果は存在しているが、量的緩和の さらなる追加効果は極めて乏しい。具体的な手立ては基本的になく、人 々の期待に働き掛けるしかない政策だ」と語った。

その上で、「実体経済の変動は財政政策によって引き起こされてい た。日銀が国債を大量に買うことで金利を低位安定にし、ピュアに財政 政策の効果が出てくる環境を用意した」と指摘。「安倍政権の発足当時 に景気が良くなったのが金融政策のおかげで、景気が悪くなったのは消 費税のせいというのはご都合主義だ」と批判した。

池尾氏は2008年、日銀の審議委員候補として名前が挙がったが、郵 政民営化に前向きだったことから、野党の反対で国会での採決が見送ら れた経緯がある。一貫してインフレ目標の導入に反対しており、量的緩 和についても慎重な考えを示していた。

一方で、原油価格の上昇などの外的要因で2%を超えるインフレが 想定された場合、「長期金利の上昇による財政悪化を回避するため、引 き締めを遅らせるとインフレがさらに進むフィスカル・ドミナンスの状 況に陥ることが最大の懸念だ」と述べた。

金融政策の在り方については「望ましい経済環境が達成されるまで ゼロ金利政策を続けると時間軸でコミットすれば良い。1-2割増の超 過準備があれば維持できる。それでは不十分ということになるが、それ が金融政策の限界だ」と、ゼロ金利政策への回帰を主張した。

池尾氏は「長期金利の形成は市場に任せるべきだ」としながらも、 波乱が起こる可能性も指摘。さらに、「必要なくなるまでゼロ金利政策 を続け、テーパリング(緩和縮小)をすれば長期金利は跳ねる」と述 べ、金融緩和の出口は財政再建とセットでないと成り立たないとの考え を示した。

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