ガソリン安で浮いた18兆円は「たんす預金」か-消費に回らず

原油の弱気相場が続いた昨年は、 燃料費が安くなれば「消費者への減税効果」で個人消費が押し上げられ るという類いの観測が繰り返し語られた。

このシナリオは確かに説得力がある。米国の消費者ならばガソリン スタンドで思いがけず節約できたお金を新しい服や小物、オニオンを丸 ごとフライにした「ブルーミンオニオン」などに無節操に使わないはず がない。

株式市場はこうした見方に確かに同意しているように見える。小売 りセクターの株価の年初来上昇率は10%と24業種の中で最も高く、消費 関連銘柄と位置付けられるネットフリックスやアマゾン・ドット・コ ム、エクスペディア、ゲームストップ、オライリー・オートモー ティ ブ、アーバンアウトフィッターズはいずれも13%を上回っている。

それにもかかわらずガソリン代で浮いたお金がショッピングモール に向かう途中で消えるという奇妙な現象が起きているように見える。先 に名前を挙げた企業は力強い売り上げの伸びを示しているが、S& P500種株価指数の構成銘柄で消費者の裁量的な支出に依存する84社の うち、業績を発表した66社全体では売上高の伸びは0.5%にとどまり、 アナリスト予想の1.7%を下回っている。

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジスト、デービッ ド・コスティン氏らは14日のリポートで、「原油価格は2014年半ばに付 けた高値をなお40%余り下回る水準にあり、約1500億ドル(約18兆円) の『減税』に等しい消費効果があると当行のエコノミストは試算してい る。しかし、この思いがけない棚ぼた利益にもかかわらず、多くの消費 者が支出を増やしていない」と指摘した。

ゴールドマンは分析の参考にした決算シーズンの電話会見での発言 を引用している。米最大のショッピングモールを所有するサイモン・プ ロパティー・グループのデービッド・サイモン氏は、「消費者は引き続 き慎重と言ってよい。移ろいやすい消費パターンを現時点で予測するの は厳しい。信頼感は改善されているものの、圧縮しなければならない多 くの債務がまだ残っているようだ」との見方を示した。

原題:The $150 Billion Income Windfall That Disappeared Under Mattress

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