5月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル軟調、消費者マインド指数が予想外に低下

15日のニューヨーク外国為替市場ではドルが軟調。米消費者マイン ド指数の低下が響いた。

米消費者マインド指数は予想外に低下し、約2年ぶりの大幅なマイ ナスとなった。これを受けてドルは伸び悩んだ。ニューヨーク連銀製造 業景況指数と鉱工業生産指数も市場予想を下回った。ドルは週間ベース でも値下がりした。

オアンダの通貨分析・リサーチのバイスプレジデント、ディーン・ ポップルウェル氏(トロント在勤)は電話取材に対し、低調な経済指標 が「ドルにとってさらなる頭痛の種となっている」と指摘。米景気動向 や利上げ時期が「はっきりしてくることを消費者や投資家は期待してい る」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.1%下げ て1150.19。一時は1149.06と、1月21日以来の低水準をつけた。週間ベ ースでは1.2%低下。

ドルは週間で5週連続の下げ。米経済指標が冴えない一方、欧州の 指標では堅調な成長やインフレの安定化が示唆されている。

FXCMの為替アナリスト、クリストファー・ベッキオ氏は「こう したデータはドルにとっての先行きが非常に暗いことを示している」と リポートで指摘した。

ドルは対ユーロで前日比0.4%安の1ユーロ=1.1451ドル。ドルは 対円で0.1%高の1ドル=119円25銭。

上昇から反転

ドルは朝方の上昇から反転した。5月の米ミシガン大学消費者マイ ンド指数(速報値)は88.6と、前月の95.9から低下し、昨年10月以来の 低水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値 は95.9、最も低い予想でも91.4だった。

ニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回り、鉱工業生産 指数では製造業生産指数が停滞した。

一方、欧州の国債利回りの上昇ペースは今週、米利回りの上昇ペー スを上回り、相対的なユーロの妙味が高まった。

ラボバンク・インターナショナルのシニア為替ストラテジスト、ジ ェーン・フォーリー氏(ロンドン在勤)は「債券利回りの動きがユー ロ・ドル相場に決定的な影響を及ぼしている」と述べた。

最近の債券売りを背景に、ドイツと米国の国債利回り格差は縮小し つつあり、ドルが対ユーロで下落する要因となっている。15日は米独国 債相場がいずれも続伸したことから、同利回り差は前日比ほぼ変わらず の1.52ポイント。3月には一時1.9ポイントに開いていた。

エバン・ブラウン氏などモルガン・スタンレーのアナリストは顧客 向けリポートで、「ドル・ロングの取引は米指標の回復を必要としてい る」と指摘。「これが起こらない限り、ドルはさらなる下方向の調整圧 力を受けやすい」と述べた。

原題:Dollar Drops to Four-Month Low as Downbeat Outlook Halts Climb(抜粋)

◎米国株:S&P500種が最高値、統計で刺激策継続の見方

15日の米国株はS&P500種株価指数が前日に続き最高値を更新し た。消費者マインド指数や鉱工業生産が予想外に落ち込んだことから、 投資家は米金融当局が刺激策を継続するとの見方を強めた。

ネットフリックスは4.5%高。事情に詳しい関係者によると、同社 は中国のメディア企業と提携を協議している。ペプコ・ホールディング スとエクセロンはいずれも上昇。メリーランド州当局が両者の合併を承 認した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高い2122.73。週間ベースで は0.3%上昇。約1カ月ぶりに2週連続で上昇した。ダウ工業株30種平 均は20.32ドル(0.1%)高い18272.56ドル。

スタイフェル・ニコラウス(セントルイス)の運用担当者、チャ ド・モーガンランダー氏は「第2四半期の景気が氷河局面に向かうとの 懸念や当局が年内に積極的に行動しないよう望む見方が再燃したのはデ ータが背景にある」と述べた。

消費者マインド指数

5月の米消費者マインド指数は予想外に低下し、約2年ぶりの大幅 なマイナスとなった。米ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)に よると、5月は88.6と、前月の95.9から低下し、昨年10月以来の低水準 となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)の発表によると、4月の製造業生 産指数は前月比横ばい。前月は0.3%上昇と、速報値の0.1%上昇から上 方修正された。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値 は0.2%の上昇だった。

第1四半期決算の発表シーズンが終了に近づいている。S&P500 種採用企業の決算は0.4%の増益となる見通しだ。3月時点の予想で は5.8%の減益だった。

S&P500種採用企業で決算発表を終了した460社のうち、利益がア ナリスト予想を上回ったのは72%、売上高が予想を上回ったのは47%だ った。

シカゴ・オプション取引所(CBOE) のボラティリティ指数 (VIX)は2.8%低下して12.38。週間ベースでは3.7%低下した。

S&P500種産業別10指数は7指数が上昇。公益事業株や選択的消 費株が上げた。

ネットフリックスが高い

ネットフリックスは4.5%上昇。59億ドル(約7000億 円)規模の中 国オンライン動画配信市場への参入を目指し、馬雲(ジャ ック・マ) 氏が出資するメディア企業などと協議している。事情に詳し い複数の 関係者が明らかにした。

ペプコは5.2%高、エクセロンは2.9%上昇した。メリーランド州当 局はエクセロンによる68億ドルでのペプコ買収を承認した。

原題:S&P 500 Fluctuates Near Record as Economic Data Miss Forecasts(抜粋)

◎米国債:続伸、経済データ軟調で早期利上げ観測が後退

15日の米国債相場は続伸し、週ベースでプラスとなった。米経済指 標で、景気が勢いを失いつつあることが示された。市場は予想を下回る 経済データの発表を受けて、年内の利上げが困難になるとみている。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「経済データを受け、初回利 上げの時期をめぐる市場の予想から6月が外されるのは確実だ」とし、 「9月の可能性は大いにあるが、9月から12月にはたやすく変わり得 る」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比9ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.14%。同年債(表面利 率2.125%、2025年5月償還)価格は25/32上げて99 27/32。この日の利 回りの低下幅は、終値ベースでは1日以降で最大。今週は1bpの低下 となった。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「世界の債券市場におい て買われ過ぎ状態の解消があった。その動きが反転する中、弱い経済デ ータが示された」と分析した。

CMEグループがフェデラルファンド(FF)金利先物動向から算 出した数値によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に利上げ を実施する確率は18%。12月実施の確率は51%となっている。

経済指標

この日発表された4月の鉱工業生産指数は低下。5月の消費者マイ ンド指数は約2年ぶりの大幅な落ち込みとなった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「雇用関連のデータだけでなく、あらゆるデ ータが弱い」と指摘。「過去2週間に見られた状況が反転した形だ」と 述べた。

米国債相場は今週、入札にも支えられた。前日の30年債入札(発行 額160億ドル)では、ミューチュアルファンドや海外の中央銀行を含む 間接入札者の落札比率は50.8%だった。過去10回の入札の平均 は48.6%。13日の10年債入札(同240億ドル)での間接入札者の割合 は11年12月以来の高水準となった。12日の3年債入札(同240億ドル) 入札では需要が09年12月以降で最高だった。

この日はユーロ参加国の国債も総じて上昇し、イタリアやスペイン の国債は続伸した。世界的な債券相場の下落基調が終わりつつあると、 域内の複数の大手銀行が指摘した。

原題:Treasury Bulls Regain Control as Economic Signs May Delay Fed(抜粋)

◎NY金:小幅続伸、週間では1月来の大幅高-利上げ後ずれ観測

15日のニューヨーク金先物相場は小幅続伸。週間ベースでは1月半 ば以来の大幅な上昇となった。米消費者マインド指数が予想外に低下し たことを背景に、利上げ時期の後ずれ観測が強まった。

RJオブライエン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで「控えめに 言っても、経済指標はここのところ非常に期待外れだ」と指摘。「こう したデータを受けて、利上げ時期をめぐり神経質になる人が増えてい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.1%未満上げて1オンス=1225.30ドルで終了。週間で は2.9%高と、1月16日以来の大幅上昇。

銀先物7月限は0.6%上げて17.563ドル。プラチナ先物7月限 は0.6%上昇の1169.10ドル。パラジウム先物6月限は2%高の794.95ド ル。

原題:Gold Caps Biggest Weekly Rally Since January on Fed Rate Bets(抜粋)

◎NY原油:3日続落、3月以来で最長-供給超過の長期化警戒

15日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が続落。3月以来で最長の3日連続安となっ た。今週一時、バレル当たり60ドル台に持ち直したことが生産拡大につ ながり、世界的な供給超過が長期化するとの見方が広がった。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏(フロリダ州ジュピター在勤)は電話取材に対し、「60ドル台 の価格は業者に生産再開を促す水準だ」と指摘。「そうなれば生産が再 び増加する。短期的には下落基調となりそうだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比19セント(0.32%)安い1バレル=59.69ドルで終了。

原題:Oil Posts Longest Losing Streak Since March as Surplus Persists(抜粋)

◎欧州株:下落、上げ消す展開-米景気回復への懸念が強まる

15日の欧州株式相場は下落。一時は上げていたが、米経済指標が予 想を下回ったことで米景気回復をめぐる懸念が強まった。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.4%安の396.45で終了。週 間ベースでは0.9%下げた。この日発表された米経済指標で、5月のミ シガン大学消費者マインド指数(速報値)が約2年ぶりの大幅低下とな ったほか、4月の鉱工業生産指数も低下、4月の製造業生産指数はプラ ス予想に反して横ばいとなった。

J・サフラ・サラシン銀行(チューリヒ)のチーフエコノミスト、 カルステン・ユニウス氏は「米景気について誰もが不安になっている」 とし、「指標は相次いで勢いがないか下方修正された。この日のマイン ド指数のような先行指標は加速の方向を示していない。世界が成長する とのシナリオを正当化するには5月が力強い月である必要がある」と語 った。

業種別ではエネルギー株が大きく下げ、仏トタルと英蘭系ロイヤ ル・ダッチ・シェルが売られた。独フォルクスワーゲン(VW)や BMWなど自動車銘柄の下げも目立った。

西欧市場の中ではスイスのSMI指数の上げが大きく、0.7%上昇 した。ギリシャのアテネ総合指数は2.6%の値下がり。

原題:European Stocks Extend Weekly Loss as U.S. Data Miss Forecasts(抜粋)

◎欧州債:総じて上昇、下落基調の終わり近いと仏大手銀が指摘

15日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて上昇。イタリア やスペインの国債は続伸した。世界的な債券相場の下落基調が終わりつ つあるとフランスの複数の大手銀行が指摘した。

欧州債の指標とされるドイツ10年債も買われた。週間ベースで は2012年6月以降最長の4週続落。BNPパリバは相場下落が終わりに 近づきつつあるとみているほか、ソシエテ・ジェネラルは利回りが高く なった国債はこれまでの値下がり分をほとんど取り戻すと予想した。

ロンドン在勤のローレンス・マトキン氏(ロンドン在勤)率いる BNPのアナリストらは電子メールで配布したリポートで、「売りは終 わりに近付いているはずだ」とし、「目先は不安定だが、5月末か6月 上旬までには基調はよりポジティブになっているだろう」と記した。

ロンドン時間午後4時30分現在、ドイツ10年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.64%。今週の上昇幅 は9bpとなった。先月17日には過去最低となる0.049%を付けてい た。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還)価格はこの日、0.59上 げ98.695。

ソシエテ・ジェネラルは期間長めの債券に買いが入ると予想。バン ク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、償還ま で10年以上の債券の3月末から今月14日までのリターンはマイナ ス9.4%となっている。

イタリア10年債利回りはこの日、6bp下げて1.79%。同年限のス ペイン国債利回りは9bp低下し1.75%。

原題:European Bonds Rise as France’s Biggest Banks See Slump Ending(抜粋)