米国債(15日):続伸、経済データ軟調で早期利上げ観測後退

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15日の米国債相場は続伸し、週ベースでプラ スとなった。米経済指標で、景気が勢いを失いつつあることが示され た。市場は予想を下回る経済データの発表を受けて、年内の利上げが困 難になるとみている。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「経済データを受け、初回利 上げの時期をめぐる市場の予想から6月が外されるのは確実だ」とし、 「9月の可能性は大いにあるが、9月から12月にはたやすく変わり得 る」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比9ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.14%。同年債(表面利 率2.125%、2025年5月償還)価格は25/32上げて99 27/32。この日の利 回りの低下幅は、終値ベースでは1日以降で最大。今週は1bpの低下 となった。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「世界の債券市場におい て買われ過ぎ状態の解消があった。その動きが反転する中、弱い経済デ ータが示された」と分析した。

CMEグループがフェデラルファンド(FF)金利先物動向から算 出した数値によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が9月に利上げ を実施する確率は18%。12月実施の確率は51%となっている。

経済指標

この日発表された4月の鉱工業生産指数は低下。5月の消費者マイ ンド指数は約2年ぶりの大幅な落ち込みとなった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「雇用関連のデータだけでなく、あらゆるデ ータが弱い」と指摘。「過去2週間に見られた状況が反転した形だ」と 述べた。

米国債相場は今週、入札にも支えられた。前日の30年債入札(発行 額160億ドル)では、ミューチュアルファンドや海外の中央銀行を含む 間接入札者の落札比率は50.8%だった。過去10回の入札の平均 は48.6%。13日の10年債入札(同240億ドル)での間接入札者の割合 は11年12月以来の高水準となった。12日の3年債入札(同240億ドル) 入札では需要が09年12月以降で最高だった。

この日はユーロ参加国の国債も総じて上昇し、イタリアやスペイン の国債は続伸した。世界的な債券相場の下落基調が終わりつつあると、 域内の複数の大手銀行が指摘した。

原題:Treasury Bulls Regain Control as Economic Signs May Delay Fed(抜粋)