債務が企業から家計にシフト-国営メディアは中国株高を鼓舞

中国の預金者は過去ずっと冷遇されてき た。1940年代のハイパーインフレからここ数十年にわたり続いている預 金金利の上限設定に至るまで、過大な債務を抱えた政府が決める政策が 庶民の資金に影響を及ぼしている。

中国人民銀行(中央銀行)が預金金利の上限規定を緩める中で、企 業債務が一般市民の負担になりつつある。周期的にやって来る中国株の 強気相場を受け、企業は記録的な規模の新株発行に動き、その多くを個 人投資家が買い入れている。一部の投資家は信用取引での株買いのため 借金までしている。

企業にとっては過去最高水準にある債務負担の軽減につながるが、 不安定な中国株相場が反転すれば、家計に負担が重くのしかかるリスク が生じている。株安は個人投資家にとって打撃で、個人消費拡大を狙う 習近平国家主席の取り組みも損ねることから、経済全体に悪影響が波及 する恐れがある。

HSBCホールディングスのアジア太平洋地域株式戦略責任者ヘラ ルド・バンダーリンデ氏(香港在勤)は「企業から家計に債務が実質的 にシフトしている」と指摘。「株安となれば信用取引で追い証が求めら れ、投資家が手じまいを迫られる。これらはマイナスだ」と説明した上 で、「これが全てを増幅させる。相当のリスクとなり得る」と述べた。

誰も個人投資家に株式購入を強いてはいないが、国営メディアは株 価上昇をはやしている。新華社通信は先週、さらに株高が進む余地があ ると報じた。

原題:How China Inc.’s Debt Fix Is Piling Risk on Individual Investors(抜粋)

--取材協力:Xin Zhou、Zhang Shidong、Tian Chen.