東芝不適切会計、JPX日経400入れ替え難題に-6月末基準日

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不適切な会計処理が発覚した日本を代表する 総合電機メーカーの東芝。過年度業績も修正含みの中、同社を採用する JPX日経インデックス400は定期的な銘柄入れ替えの選定基準日を6 月末に控え、難題を抱えることになった。

株主資本利益率(ROE)や営業利益動向を重視する株価指数、 JPX日経400の算出要領によると、年1回の構成銘柄変更は毎年6月 最終営業日を基準日とし、8月第5営業日に入れ替え銘柄を公表すると している。選定時に利用する財務データは、「基準日の属する年の3年 前の4月期決算から基準日直前の3月期決算」とし、東芝のような3月 決算の場合、ことしは2013年3月期から15年3月期が対象になる。

同指数の作成に携わった東京証券取引所の田中大介・商品企画運用 グループ長はブルームバーグの取材に対し、一般論とした上で、基準日 時点で「決算がないとは想定していない。単純にデータがないとき、明 記したものはない」と説明。こうした事象は「頻繁に起こる話ではない ため、どういう状況か、個別のケースごとに判断する」と述べた。

東芝は8日、一部インフラ工事の会計処理に不適切な点があり、社 外の専門家による第三者委員会を設置し、調査すると発表。15年3月期 の業績計画を未定に変更し、14年3月期以前の過年度決算の修正を行う 可能性もあるとした。前期決算の発表は、6月以降になる見込みだ。

不公平、連動資産6500億円に影響も

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「決算 数値が出ないことで基準が出せず、JPX日経400から外れる可能性は ある」とみる。採用銘柄は一定基準を満たすものとしており、「満たし ていなければ、平等な比較ができず、不公平になる」と指摘した。

日本取引所によると、JPX日経400の指数連動型上場投資信託 (ETF)と公募投信の連動資産は4月末時点で6500億円超。岡三オン ライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「JPX日経400は安 心して投資できる銘柄である分、日経平均株価と違って特別な思いがあ る」と言う。JPX日経400に採用されるため、ROEの引き上げや株 主配分を厚くしている企業が大半であり、東芝問題は「一つの試金石。 非常に注目している」と話す。

同指数が初めて行った昨年8月の銘柄入れ替えでは、パナソニック やセイコーエプソン、カシオ計算機などが新規に採用され、ソニーや東 京エレクトロン、スカイマークは除外された。入れ替えは31銘柄。

東芝は13日深夜、14年3月期までの3年間で営業利益は累計で500 億円強減額される見込みと発表。社内の特別調査委員会が電力システ ム、社会インフラシステム、コミュニティ・ソリューションの社内3カ ンパニーについて、工事進行基準による会計処理を行った案件の調査結 果に基づく。今後始動する第三者委では3カンパニー以外、連結子会社 を含む全社的調査に範囲が拡大、要修正額が変わる可能性もある。

500億円強の確度

ゴールドマン・サックス証券の松橋郁夫アナリストは14日付のリポ ートで、「今回の発表で調査対象がさらに広がる可能性をあらためて確 認」と記述。電子デバイスや家電など他分野、工事進行基準案件以外の 事業も対象となる可能性が示され、「過年度修正額が単独の一部インフ ラ案件500億円にとどまると考える根拠は乏しい」とした。同証では現 在、十分な根拠が得られないとして投資判断を中断している。

JPX日経400のルールでは、選定基準日に整理銘柄、特設注意市 場銘柄に該当する場合は除外するとしている。特設注意市場銘柄は、上 場廃止基準には満たないものの、重大な上場規則違反を行った企業に内 部管理体制の改善を促すものだ。

ただ、しんきんアセットの藤原氏は、東芝について「現時点では会 計基準の相違というイメージで、オリンパスのような意図的・悪質なも のではなさそう」と指摘。グローバルに活動している同社が「コーポレ ート・ガバナンスが著しく劣っているとは考えにくい」とみている。

このほか東芝の子会社で、同じくJPX日経400に採用されている 東芝プラントシステムも13日、15年3月期の決算発表を延期すると発表 した。15日の日本株市場では、東芝株は一時前日比3.8%安の410.3円、 東芝プラは3.1%安の1493円まで下げる場面があった。