日本株反発、欧米金利低下と円高限定-電通急騰、内需見直し

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15日の東京株式相場は反発。欧米金利の低下 や米失業保険統計が好感され、前日の海外市場で進んだドル安・円高が 限定的だったことも安心感につながった。今期の増配計画と自社株買い への評価で電通が急騰し、サービスが業種別上昇率のトップ。小売や陸 運、情報・通信など相対的に内需関連株が見直された。

TOPIXの終値は前日比15.62ポイント(1%)高の1607.11、日 経平均株価は162円68銭(0.8%)高の1万9732円92銭。

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、 「景気が変わって金利が上昇したわけではない。完全に安心はできない が、急激に動いた後のため、一服してもおかしくはない」と話した。

14日の欧州債市場では、ドイツの10年国債と30年債利回りが低下し た。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は同日、非伝統的措置が効果 的であることが証明されたとした上で、低金利が金融不均衡をもたらし た兆候はこれまでのところ見られない、との認識を示した。

年内利上げ観測の後退で、米国債も上昇(利回りは低下)。米労働 省が発表した4月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.4%低下、市 場予想は0.1%の上昇だった。

一方、米労働省が発表した9日までの1週間の新規失業保険申請件 数は、前週比1000件減少の26万4000件と市場予想の27万3000件より少な かった。ドル・円相場は、14日のニューヨーク市場で一時1ドル=118 円89銭と4月30日以来のドル安・円高水準に振れたが、きょうの東京市 場では一時119円50銭台と海外、前日の日本株市場の終値時点119円11銭 から円が弱含んだ。

25日線が上値抵抗

欧米金利や為替の落ち着きなどを好感し、きょうの日本株は反発し て始まり、朝方の取引で180円高の1万9750円まで上げた。午前後半か ら午後前半にかけては伸び悩んだが、大引けにかけ持ち直し。

松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、ヘッジファ ンドの整理売りが収束に向かっている上、「日経平均の1株利益も1200 円台に乗り、収益面でのサポート要因も続く」としている。

ただ、チャート分析上は13日の取引に続き、投資家の短期売買コス トを示す25日移動平均線(1万9778円)が上値を抑えている格好だ。来 週以降、同線を上抜けられるかどうかで市場参加者心理に影響を及ぼす 可能性がある。

東証1部33業種はサービスや陸運、小売、銀行、情報・通信、化学 など25業種が上昇。パルプ・紙や鉱業、石油・石炭製品、精密機器、保 険など8業種は下落。鉱業や石油は、米製油所稼働率の低下を受け14日 のニューヨーク原油先物が1%安の1バレル=59.88ドルと続落したこ とを受けた。東証1部の売買高は25億4872万株、売買代金は2兆5775億 円。値上がり銘柄数は1203、値下がり548。

売買代金上位では、2016年3月期に増配を計画、発行済み株式総数 の1.39%に当たる自社株買いを行う電通が急騰。SMBC日興証券で は、業績上振れと増配、自社株買いの3点セットをポジティブと評価し た。今期増益・増配を見込むダイフクも大幅高、1000億円規模の自社株 買いを行うと日本経済新聞が報じた三菱UFJフィナンシャル・グルー プも高い。オリエンタルランドや日東電工、花王、NTTも上げた。

大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、国内企業 の保守的な業績計画が相場の重しだったが、「決算発表もかなり進み、 抑制要因がなくなってきた。株主還元姿勢が評価されている」と言う。

半面、前期の大幅最終赤字と減資、希望退職者募集などを前日発表 したシャープは、朝方上昇場面もあったが、外資系証券の目標株価引き 下げが相次ぎ、下落して終了。今期営業減益計画が失望されたニコン、 第2四半期業績計画が嫌気されたSUMCOの下げもきつい。

--取材協力:Anna Kitanaka.