原油相場の6年ぶり安値からの回復、要素が一つ欠けている

原油価格が6年ぶりの安値から40%上昇した ことで活気づいている強気派は注意すべきだ。需要が拡大しないかぎり 上昇は危険にさらされるからだ。

米政府は来年の世界の原油需要の伸び率が、リセッション(景気後 退)から脱した2010年の半分未満にとどまると予想。欧州最大のエネル ギー生産会社、英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェルは、需要の伸 びは増加する供給との差を縮めるには不十分だと指摘する。よい前兆で はない。

08年の金融危機時に原油相場が下落した当時は、中国の資源需要は 旺盛とみられ商品相場の上昇を後押しした。今回は中国の燃料需要の伸 び率は過去10年間の半分にとどまっており、また減少しつつある米国の シェールオイル生産が原油上昇に伴って増加に転じかねず、相場を抑制 する可能性がある。

BNPパリバの商品市場戦略責任者、ハリー・チリンギリアン氏は 「最近の上昇は、相場の底値を捉えようとする投資家と米国の原油生産 が一つの転換点に達したとの期待がけん引しているようだ」と指摘。 「ただ、米国を中心にファンダメンタルズ(需給関係)はあまり変化し ていない」と述べた。

原題:There’s a Missing Ingredient in Oil’s Recovery From Six-Year Low(抜粋)

--取材協力:Mark Shenk.