債券トレーダーが警戒態勢、54兆円の損失はベネズエラ経済規

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世界の債券市場では過去約3週間で4564億ド ル(約54兆7000億円)の資産価値が失われた。刺激的な話ではあるが、 取引の動きを見てもそれは決して分かるまい。

銀行間取引の仲介業者ICAPのブローカーテックプラットホーム の過去1カ月の1日平均の債券売買高は1-3月の平均を下回った。ウ ォール街の大手債券ディーラーの米国債の取引高も4月としては6年ぶ りの低水準にとどまり、社債取引も前年同月比14%減少した。

中央銀行による前例のない金融刺激策を背景に投資家が債券投資に 殺到する一方、債券ディーラーはマーケットメーク(値付け業務)から 撤退している。この2つの現象が重なったことで、41兆ドル規模の債券 市場における比較的小さな取引がベネズエラの経済規模を上回る月間損 失を生じさせる事態を招いた。

シティグループのストラテジスト、マーク・スコフィールド氏は今 週のリポートで、「先週の国債市場の劇的な急落は、多くの市場のポジ ショニングが密集している状況をはっきりと思い出させたはずだ。投資 家は手を引くべき時機が来ても、それらのポジションから抜け出すこと がますます難しくなっている」との見方を示した。

これは、景気の足取りが確かなものとなる中で、各国中銀がいくら 望んでも、投資家の一斉売りに伴い深刻な交通渋滞が発生する事態を回 避しつつ未曽有の金融刺激の縮小に動くことがますます困難になること を物語っている。

ナショナル・アライアンス・キャピタル・マーケッツの国際債券責 任者を務めるアンドルー・ブレンナー氏は12日のリポートで、「債券の かんしゃく」には米国債市場の流動性不足など複数の要因が絡んでいる と分析。スコフィールド氏は「これほど高度なポジショニングの均質化 を生じさせた政策が、ボラティリティを増大させることは避けられな い。抜け出すのは極めて厳しいだろう」と指摘している。

原題:Bond Traders Put on Alert Everywhere by $456 Billion Market Rout(抜粋)

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