日本株5日ぶり反落、米小売統計や円高、金利警戒-銀行安い

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14日の東京株式相場は5営業日ぶりに反落。 米国小売統計の低調や対ドルでの円高推移、依然不安定な海外金利動向 を警戒する売りに押された。今期の経常減益計画や株主還元は不十分と みられた三井住友フィナンシャルグループなど銀行株が業種別下落率の トップ。陸運や不動産、情報・通信など相対的に内需株が安い。

TOPIXの終値は前日比12.72ポイント(0.8%)安の1591.49、 日経平均株価は194円48銭(1%)安の1万9570円24銭。

アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャー は、「米国景気は世界をけん引するほどではないが、しっかりするとい う前提への不安が相場の重しになっている」と指摘。3、4月の低金利 状態が適正だったとは市場もみていなかったため、「よりリスクを取ろ うとする動きが修正されている」との認識を示した。

米商務省が13日に発表した4月の米小売売上高は、前月比横ばいと 第2四半期も弱いスタートとなった。市場予想の0.2%を下回り、自動 車や家具、電気製品など選択的消費関連で落ち込みが目立った。いちよ しアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「天候要因やドル高、 原油安が進んだことによる悪影響が広範囲に及んでいる」とし、悪かっ た3月の米雇用統計の流れが終わっていないとみている。

利上げが先送りされるとの見方が強まり、13日のニューヨーク為替 市場ではドル指数がほぼ4カ月ぶりの水準に低下。きょうのドル・円相 場はおおむね1ドル=119円10-20銭台と、前日の日本株市場の終値時 点119円91銭に比べ円高方向で推移した。

また、13日の欧州債市場ではユーロ圏の国債が一時の上げから反 転、総じて下落した(利回りは上昇)。ドイツの10年債利回りは一時8 ベーシスポイント(bp)下げたが、結局5bp上昇の0.72%。米10年 債利回りも上昇した。同日の米国株はS&P500種株価指数とダウ工業 株30種平均が小安く、ナスダック総合指数は小幅高とまちまち。債券売 りが終わっていないとの懸念や小売売上高の下振れが上値を抑えた。

日経平均200円超下げる場面も

米小売統計や対ドルでの円高、欧米金利動向を嫌気し、きょうの日 本株は反落して始まり、午後の取引で日経平均は一時200円以上下落。 前日までの2日間は午前に下げ幅を広げた後、日本銀行のETF買いへ の期待などから大引けにかけ戻す展開が続いていたが、きょうは終日弱 い動きとなった。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、「グローバ ル債券ロングの修正が入っている。前提にしてきた原油安やユーロ安、 ドル高、米経済の強さという見方が少し変わってきた」と指摘。メリル リンチ日本証券の阿部健児株式ストラテジストは、「保守的な決算に加 え、株主還元も予想を上回らず上昇材料に乏しい」話していた。

東証1部33業種は銀行、陸運、倉庫・運輸、不動産、通信、小売な ど26業種が下落。建設やパルプ・紙、水産・農林、輸送用機器など7業 種は上昇。東証1部の売買高は25億7484万株、売買代金は2兆7763億 円。値上がり銘柄数は489、値下がり1301。

売買代金上位では、2016年3月期経常利益は6.1%減を計画、クレ ディ・スイス証券が配当性向は期待値を下回るなど株主還元はネガティ ブと分析した三井住友Fが下落。15年3月期が81%営業減益で、第1四 半期計画も低いとみられたジャパンディスプレイ、今期利益計画が市場 予想に届かないカカクコムや日清食品ホールディングスも売られた。

半面、今期営業増益計画と自社株買いが好感されたコニカミノル タ、今期営業利益計画が市場予想を上回った長谷工コーポレーションは 急騰。村田製作所や大和ハウス工業、クレディセゾンも高い。

--取材協力:佐野七緒.