VIP待遇のダイヤ原石の買い手、デビアスの価格設定に反発

英アングロ・アメリカン傘下のダイヤ生産最 大手デビアスからダイヤモンド原石を購入できるサイトホルダーと呼ば れる特別な顧客が、提示された原石の全てを購入しなくなっているた め、デビアスは価格設定の見直しを迫られている。

3月にダイヤ原石のうち30%が売れ残ったことを受け、デビアスは 先週、価格を約3%突然引き下げた。同社は2月には価格が今年上昇す るとの見通しを示していた。

デビアスのフィリップ・メリエ最高経営責任者(CEO)は4年間 にわたり、選別した一部の顧客に購入を要求することにより利益を押し 上げる戦略を取ってきたが、今回の値下げはその手法が行き過ぎている ことを示唆している。顧客らは原石の購入価格が自分たちの販売可能な 価格を上回っていると主張しており、この販売システムは見直し圧力に さらされている。

イスラエルを拠点とする原石ブローカー、ヌリット・ロスマン氏は 「皆もううんざりしている。VIPクラブに入っているからといって損 を覚悟で購入することはできない」と語る。デビアスはコメントを控え た。

ほぼ1世紀にわたり、デビアスの顧客であることはダイヤ業界の上 座に着き、大きな利益を手に入れるチャンスとされていた。デビアスが 原石を市場価格を下回る水準で販売する代わりに、顧客らは提供された 原石を提示価格で全て買い取るよう求められた。拒否すればひんしゅく を買うが、最高顧客は時折、大粒のダイヤを大幅な値引き価格で購入す る機会に恵まれた。

このモデルはメリエ氏がCEOに就任した2011年に変更された。キ ャリアの大半を自動車と鉄道関連業界で過ごした機械エンジニアの同 CEOは、就任前はフランスのエンジニアリング企業アルストムの運輸 部門の責任者を務めていた。

メリエ氏は原石価格を値上げする一方で、買い手が一部の原石の購 入を拒否することを容認する範囲を広げる戦略へと変更した。新モデル はダイヤの全てが購入される場合には割安価格を設定するという前提に 基づいていた。

この戦略はアングロの利益を押し上げたが、アントワープやテルア ビブなどの業界有数の買い手にとっては、選ばれた顧客であることの価 値が低下している。

原題:VIP Diamond Buyers Resist De Beers Pricing That Boosted Profits(抜粋)