もう王様ではないけれど-証明したいから続けるとグロース氏

ビル・グロース氏にしか答えられない質問 だ。史上最強の債券投資家の名声をほしいままにし、パシフィック・イ ンベストメント・マネジメント(PIMCO)というァンド帝国を育て 上げた後に同社内での権力闘争に敗れた時、なぜあっさりと引退してし まわなかったのか。

グロース氏は昨年9月、引退する代わりにジャナス・キャピタル・ グループへの移籍を突然発表して金融の世界を驚愕(きょうがく)させ た。「債券の王様」が今はPIMCOで動かしていた額の1%にも満た ない資産を運用している。PIMCOは同氏が1971年に共同創業した。

グロース氏(71)は4月29日、米カリフォルニア州ニューポートビ ーチの自社オフィスでインタビューに応じ、「いまだに続けている理由 の一つはただ、今も勘を失ってはいないということを証明するためだ」 と語った。

1987年からPIMCOトータル・リターン・ファンドを運用してい た間の戦績は際立っている。1-3月(第1四半期)末時点で同ファン ドの平均成績は年プラス7.8%と、バークレイズの米債券総合指数を1 ポイント上回る。

ジャナス移籍後の成績は今のところあまり芳しくない。ジャナス・ グローバル・アンコンストレインド・ファンドは同氏が運用を開始した 昨年10月6日から先週末まででマイナス0.8%と同種のファンドの79% を下回った。

「私の目標は、1日ごとに、どれだけ市場のパフォーマンスを上回 れるかだ。毎日家に帰って数字をチェックし、喜んだりがっかりしたり する」とグロース氏は話した。

グロース氏は第2のPIMCOを作り上げるつもりはないと言う。 「20億ドルを動かす方が、明らかに流動性があり、やりやすい」ことに 加え、「組織や意思決定の面で、見通しに関するコンセンサスを作り上 げるための厄介さも小さい」と同氏は話した。

PIMCOを育てる間に億万長者になっていたグロース氏は引退し て慈善事業に専念してもよかっただろう。しかし同氏は「自分が PIMCOを去った状況が不満だった。私が投資の勘を失ったという風 に見られるのも嫌だった。わたしは何も失っていない。1日18時間、週 7日間、これをやっているのだから」と語った。

原題:Bond King No More, Bill Gross Says He’s Got Something to Prove(抜粋)

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