NY外為:ドルが下落、欧州債利回り上昇で投資妙味が薄れる

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12日のニューヨーク外国為替市場ではドルが 主要16通貨の大半に対して下落。対ユーロでは4日ぶりに下げた。

世界的な国債売りの流れが欧州で強まり、この日はドイツやイタリ ア、スペインなどで利回りが上昇。先月に始まった欧州での利回り上昇 は米国債利回りの上昇幅を超えており、ユーロへの投資意欲が強まっ た。

クレディ・アグリコルの外為ストラテジスト、マーク・マコーミッ ク氏(ニューヨーク在勤)は「さながらユーロ圏発のミニ・テーパータ ントラムと言ったところだ。相対的な金利差が短期的な動きを左右して いる。ユーロへの買い意欲が強まっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.5%低下 の1163.40。同指数は4月に3%低下し、昨年6月以降で初めてマイナ スとなり、5月6日には3カ月ぶり低水準を付けた。

ドルは対ユーロで0.5%下げて1ユーロ=1.1213ドル。円は対ドル で0.2%高の1ドル=119円87銭、対ユーロで0.3%安の1ユーロ=134 円41銭。

ドイツ10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の0.67%。同年限のスペイン国債利回りは8bp上げ て1.82%、イタリア10年債利回りは8bp上昇の1.84%。

「ユーロに上昇圧力」

RBSセキュリティーズ(コネティカット州スタンフォード)の為 替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は欧州の「利 回り上昇を背景に、対ユーロでの買い持ちが目立っていたドルの持ち高 解消が見られる」と指摘。「欧州債券が引き続き売られ、金利が上昇し ていることはユーロに上昇圧力を掛け続ける可能性がある」と述べた。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロは過去1カ月 で1.9%高。年初からの下落率は6%に縮小している。

欧州が緩和政策を維持する一方、米金融当局は利上げに向かってい ることから、ユーロは年末までに下落基調に戻ると予想されている。ブ ルームバーグがまとめた予想によれば、ユーロは12月31日までに主要16 通貨のうち13通貨に対して下げるとみられている。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は今後発表されるデータを監視す ることで市場は利上げを予測することが可能であり、それが「市場の動 揺の度合いを和らげる助けになるだろう」と指摘した。一方、米金融当 局が政策金利の引き上げに踏み切れば、金融市場の動揺につながる「レ ジームシフト(急激な変化)」の引き金になるとの見通しを示した。

小売売上高

13日発表の米小売売上高が利上げ時期を計る上で手掛かりになる可 能性がある。4月の小売売上高は前月比0.2%増と、前月の0.9%増から 減速が予想されている。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の通貨スト ラテジスト、ニール・メラー氏は「米国の利上げ開始時期をめぐり不透 明感が続いている。しかし、米当局が他の中銀に先駆けて利上げを始め る確率がどちらかと言えば高いという単純な理由から、ドルの上値を抑 える材料はかなり限定的になるだろう」と語った。

原題:Dollar Bulls Seeking Shelter Amid European Bond-Market Selloff(抜粋)

--取材協力:Anooja Debnath.

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