【クレジット市場】東芝の信用低下、業界ワースト2位に-会計問題で

更新日時

不適切な会計処理問題が表面化した東芝は、 先行きの不透明感から、社債保証コストが前週に比べ2倍以上に急拡大 した。価格競争の激しいコンシューマー部門よりも、重電や半導体に足 場を置く同社は、電機業界8社の中でも信用力が安定していたが、一挙 にシャープに次ぐワースト2位まで信用が落ち込んだ。

CMAによると、東芝の5年物クレジット・デフォルト・スワップ (CDS)は、インフラ工事関連の会計処理に不適切な点があったと発 表した5月8日と翌営業日の11日に計80ベーシスポイント(bp)上昇 し、130bpに到達。13年7月以来の高水準となった。7日時点ではソ ニーより低い50.5bpにとどまっていたが、これを追い抜き、電機業界 ではシャープ(501bp)に次ぐ水準となった。

東芝は14年4月-12月期の営業利益が過去最高となるなど業績が好 調で、財務の改善も進んでいたが、4月3日にインフラ工事関連の会計 処理で調査が必要として、特別調査委員会の設置を発表した。5月8日 には、具体的な問題として工事原価の過小評価や「更なる調査を必要と する事項」が浮かび上がったとして、外部の専門家で構成する第三者委 員会の設置を決定。15年3月期の決算発表を6月以降に延期した。

BNPパリバ証券の中空麻奈チーフ・クレジット・アナリストは、 東芝の会計問題について「何が出るか分からないから、投資家としては スプレッドを広げるしかない」と指摘。業績への影響額のほか、仮に 「子会社のウェスチングハウス絡みとか、経営陣がコミットしていたと かになると良くない」と懸念を示し、そうでなければ格付け会社による 「1ノッチくらいの調整にとどまる」との見方を示した。

東芝の格付けは、ムーディーズ・インベスターズ・サービスがBa a2(投資適格の下から2番目)、スタンダード・アンド・プアーズが BBB(同)、格付投資情報センターがAマイナス(投資適格の下から 4番目)となっている。

電力・社会インフラ

同社の広報担当、福岡真澄氏は、会計処理問題について「関係者の 皆様には多大なご迷惑、ご心配をおかけすることを心からお詫びし、信 頼回復に向けて全力を尽くす」とコメント。経営陣の責任については 「発生原因は今後、第三者委で調査すべき事項であり、回答は差し控え たい」と述べた。

同社は会計処理問題が生じたのは「インフラ関連工事」としてお り、BNPパリバの中空氏は、問題の舞台は「電力・社会インフラ」部 門とみている。

14年4-12月期連結決算によると、同部門は売上高が1兆3703億円 と全体の29%を占め、部門別では最も多い。営業利益も400億円と電子 デバイス(1777億円)に次ぐ稼ぎ頭であり、パソコンやテレビなどコン シューマー関連のライフスタイル部門の635億円の赤字を軽減する役割 を果たしている。

中空氏は11日付のリポートで、「東芝のクレジットが安定したのは 電力・社会インフラ事業があり、それが安定した収益を稼いでいたから という面が大きい」とし、会計問題に伴い「そこがぶれてしまったこと によるネガティブな影響はそれなりのペナルティとなる」と指摘。格下 げの可能性があるとみている。

同社のCDSの月間上昇幅は日本企業の中で最も大きかった。ま た、13年に発行した6年債の利回りは、第三者委員会設置を決めた8日 の0.36%から12日には1.12%まで上昇した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE