米国産LPG輸入増で中東産との価格差縮小-日本の取り組み奏功

米国からの液化石油ガス(LPG)の輸入拡 大で、中東産LPGの価格抑制につなげたいという日本の取り組みは功 を奏している。

中東産LPGの指標価格であるサウジアラビア国営石油会社サウジ アラムコの公示価格「CP」(コントラクト・プライス)。米国産の指 標価格モントベルビュー。ブルームバーグのデータによると両者のプロ パンの価格差は年初からの平均で1トン当たり200ドルと、昨年1年間 の平均291ドルや2013年の328ドルと比べ下落している。

LPGの用途はガスコンロやカセットコンロなど家庭業務用からタ クシーなどの自動車用、化学原料用と幅広く、日本は世界最大のLPG 輸入国となっている。経済産業省の資料によると、LPGの今後5年間 の需要は化学原料用、工業用、都市ガス用を中心に毎年0.6%のペース での増加が見込まれている。

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之主席エコ ノミストは「米国のLPG輸出に余力が出てきており、サウジやカター ルといった従来からのLPG輸出国にとっても米国の存在は無視できな い」という状況になっていると指摘。原油価格の下落のほか「米国の LPGを見ながら下げているという側面もある」と話した。

米国ではシェールガス・オイルの生産増に伴って副産物として産出 されるLPGの輸出量も増加しており、米エネルギー省によると14年の 輸出量は過去最大の1650万トンに達した。

ブルームバーグのデータよると、2012年12月のサウジのアジア向け プロパン価格と米国モントベルビューのプロパン価格の格差は671ドル まで拡大。この結果13年から米国からのLPG輸入が大幅に拡大した。 財務省の統計によると、14年度の米国産LPGの輸入は前年度比57% 増。輸入量は197万トンと全輸入量の17%を占めた。

経産省は14年3月に取りまとめた報告書で「中東依存度が高い中、 価格面、リスク低減両方の観点から」米国産LPGなど「調達先を多角 化することが重要」と指摘した。16年には米国からの調達量が248 万8000トンと、日本の輸入量の約19%に達するとの予測も示している。