東南アジアのバンカーにしわ寄せ-M&A430億ドル相当中止

東南アジアの投資バンカーに試練の時が訪れ ている。

東南アジア最大の株式市場であるシンガポールでは今年に入っ て、2500万ドル(約30億円)を超える規模の新規株式公開(IPO)が ない。東南アジア企業関連の合併・買収(M&A)は今年これまで に45%減少、2009年以来の低水準に落ち込んでいる。対照的にアジア太 平洋全域では39%増加している。ブルームバーグが集計したデータによ れば、東南アジアでここ1年間に発表されたM&A計画全体の20%余り に当たる430億ドル相当が撤回された。

M&A総額が200億ドル相当に減少したしわ寄せを被っているのは バンカーらだ。米ゴールドマン・サックス・グループがシンガポールの 投資銀行チームの人員数を約30%削減するほか、英HSBCホールディ ングスの東南アジアのエクイティキャピタル市場担当トップバンカー や、米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)とスイスのUBSグループ のM&A担当責任者がそれぞれ退社する見通しだ。商品価格が安値とな り、マレーシアやインドネシアなど東南アジア諸国の経済成長が抑制さ れているため、各社はM&AやIPOに及び腰になっている。

CMCマーケッツのストラテジスト、ニコラス・テオ氏(シンガポ ール在勤)は、「雰囲気は非常に暗い。東南アジアでは大企業と大物実 業家らは様子見姿勢を取っている」と指摘する。

BOA、HSBC、UBSの担当者はコメントを控えた。

ゴールドマン・サックスの東南アジア部門のティム・ライスナー会 長は電子メールで、「当行の東南アジア戦略と顧客対応モデルは変わっ ていないが、活動レベルは厳しい状況となりそうだ」と説明した。

今年初めの原油価格下落も発表済みM&A案件の一部の中止につな がった。

原題:These Asian Bankers Face $43 Billion Dead Deals After Oil Plunge(抜粋)