5月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが3日続落、ギリシャ協議の合意はまだ見えず

11日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが3営業日続落。ユー ロ圏財務相会合(ユーログループ)がギリシャ支援で合意するのはまだ 先との見方から、売りが続いた。

ユーログループ議長のデイセルブルム・オランダ財務相は「進展は 加速している」と評価したものの、当局者らは融資実行にはギリシャに よる一段の作業が必要との見解を示唆した。ユーロは先週、域内の国債 利回り急上昇を背景に需要が強まり、2カ月半ぶりの高値を付けてい た。

アスペン・トレーディング・グループ(オレゴン州ベンド)の為替 トレーディング・リサーチ責任者、デーブ・フロイド氏は「ギリシャは ユーロ安の底流の一部だ。ユーロは数週間続いた上昇局面の後、先週に 天井を付けた。今後数日に対ドルで1.10ドル以下に下げるとみている」 と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前営業日 比0.4%下げて1ユーロ=1.1155ドル。

円は主要16通貨の大半に対して上昇。米国株と原油相場が下落した ため、逃避需要が強まった。円は対ユーロで0.2%高の1ユーロ=133 円96銭、対ドルでは0.3%安の1ドル=120円11銭。

ユーロ圏の財務相らは救済プログラムの条件達成に向けたギリシャ の進展を歓迎すると同時に、融資実行前に一段の作業を求めると、当局 者2人が明らかにした。

「時間が今少し必要」

デイセルブルム財務相は「幾つかの重要な点が徹底的に協議され た。ただ、包括的合意に達するために残る隔たりを埋める時間が今少し 必要だ」と語った。

ギリシャは12日が期限の国際通貨基金(IMF)への約7億5000万 ユーロ(約1000億円)の返済を履行する。ギリシャのバルファキス財務 相は支援プログラムの最終分の融資を獲得するために必要な譲歩の用意 があると債権国側を説得した。「流動性の問題はひどく差し迫ってい る」と述べた。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「ファンダメンタルズに再び注目が集まってお り、そこにはユーロが強くなる理由はない」と指摘した。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロは過去3カ月2.8% 安と、調査対象となっている先進10カ国通貨の中で最もパフォーマンス が悪い。年初来では主要16通貨のうち14通貨に対して下げている。

原題:Euro Falls 3rd Day as Greek Financial-Aid Deal Remains Elusive(抜粋)

◎米国株:下落、エネルギー株が1月以来の大幅な下げ

11日の米国株は下落。エネルギー株がノーブル・エナジーを中心に 売られ、1月以来の大幅安となった。

ノーブル・エナジーは6.2%下落。同業のロゼッタ・リソーシズ を21億ドルの株式交換で買収することで合意したことが手掛かりとなっ た。ロゼッタは27%上昇した。エクソン・モービル、シェブロンも下 落。この日は原油価格が下落した。一方、ディーン・フーズは上昇。四 半期利益がアナリスト予想を上回ったほか、同社は業績見通しを上方修 正した。

S&P500種株価指数は0.5%安の2105.33。ダウ工業株30種平均 は85.94ドル(0.5%)下げて18105.17ドル。

ヘニオン・アンド・ウォルシュ・アセット・マネジメント(ニュー ジャージー州)のケビン・マーン社長は、「先週の雇用統計に対する反 応の後で、株式市場にはやや停滞したムードがある。同統計からは明確 な方向性が示されていない」と述べ、「今の市場を言い表すならばトレ ンドの見えないボラティリティーだ」と続けた。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は経済専門局CNBCと のインタビューで、利上げはどの会合でも可能だが、決定は経済データ に左右されると、あらためて述べた。今週は米小売売上高が発表され る。

ボラティリティーが上昇

シカゴ・オプション取引所(CBOE) のボラティリティ指数 (VIX)は7.7%上昇して13.85。先週末は3月13日以来となる2週連 続上昇だった。

S&P500種産業別10指数はいずれも下げた。エネルギー株は2.1% 安。ノーブルは1月5日以来の大幅安となった。ロゼッタ買収によりノ ーブルは、テキサス州のシェール層において最大級の2つのエリアを獲 得する。

モンサントとアルコアはいずれも下落。この日は素材株が売られ た。

セールスフォース・ドット・コムは1.7%安。モルガン・スタンレ ーは同社株を「ベスト・アイデア」リストから除外した。セールスフォ ース株は過去2週間で7%上昇。買収観測が手掛かりだった。

ホテル経営のヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスも安 い。ブラックストーン・グループはヒルトン株9000万株を売却し、持ち 株比率が50%未満となった。

ニューズ・コープは3.8%上昇。以前に明らかにした自社株買い計 画に基づくクラスA株式の購入が買い材料となった。

キャタピラー、ジョイ・グローバルも上昇。ロバート・W・ベアー ドが商品価格が底をつけた可能性があるとして、両社の株式投資判断を アウトパフォームに引き上げたことが背景。

ディーン・フーズは6.5%高。同社の第2四半期利益予想はアナリ スト予想を上回った。

原題:U.S. Stocks Drop as Energy Shares Retreat the Most Since January(抜粋)

◎米国債:30年債利回り、13年以降で最大の上昇-世界的に売り加速

11日の米国債相場は急落。30年債利回りは2013年以降で最大の上昇 となった。3週間に及ぶ世界的な国債売りがさらに加速しており、米国 でも買い控えの動きが広がっている。

ドイツ国債などユーロ圏の国債は下げを拡大。そうした状況を手掛 かりに米30年債利回りは昨年11月以来の高水準を付けた。前週は社債発 行に伴う引き受け会社のヘッジ行動が影響し、価格のボラティリティが 2カ月ぶり高水準に達した。米財務省は今週、発行総額640億ドルの中 長期国債の入札を実施する。

CRTキャピタル・グループの政府債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「この動きを阻まなければならないと考える人はいない」 とし、「このボラティリティの高まりで、市場では積極的なポジション 取りを控える動きが広がっている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前週末比14ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇の3.04%。同年債(表面利率2.5%、2045年2月償 還)価格は2 18/32下げて89 14/32。

30年債利回りの上げ幅は、22bp上昇した13年7月5日以来で最 大。

10年債利回り

10年債利回りは13bp上昇の2.28%と、終値ベースで12月5日以来 の高水準。同利回りは5日連続で200日移動平均を上回って推移した。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「テクニカル面での水準が崩れつつ あり、それが一段の売りを呼んでいる」とした上で、「流動性の欠如と 商いの薄さが背景にある」と続けた。

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA) メリルリンチのMOVE指数は6日に90.99と、3月3日以来の高水準 を付けた。

米国債は前週末に戻したものの、BOAメリルリンチ・グローバ ル・ブロード・マーケット・ソブリン・プラス指数は過去1カ月 に1.6%下げた。

中国が10日に利下げを発表したことも米国債に影響した。原油価格 が6年ぶり安値から回復する中で中国の利下げは世界的なデフレ圧力の 抑制に寄与する可能性があり、つまりそれは債券の妙味低下を意味す る。

欧州債相場

キャンター・フィッツジェラルドの金利トレーディング責任者、ブ ライアン・エドモンズ氏は、市場が「インフレを懸念し始めている」と し、「市場参加者は若干慎重になっている。欧州はやや圧力を受けてい る」と指摘した。

欧州債相場はこの日下落。スペイン10年債利回りは8bp上昇し た。過去2営業日では23bp下げていた。独10年債利回りはこの日6b p上げて0.61%。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「最近はドイツ国債の動きに合わせて米国債も動い ている」とし、「欧州と比較すると米国債にはなお価値があるが、変動 もまだかなり大きい」と続けた。

米財務省は12日に3年債(発行額240億ドル)、13日に10年債 (同240億ドル)、14日に30年債(同160億ドル)の入札を実施する。

原題:U.S. 30-Year Yields Up Most Since 2013 as Global Selloff Extends(抜粋)

◎NY金:反落、ギリシャ救済協議で緊張緩和の兆し-逃避需要が減退

11日のニューヨーク金先物相場は反落。過去4営業日では3日目の 下落。ギリシャと債権者らの間の緊張が和らぎつつある兆しを背景に、 逃避としての金買いが減退した。ユーロ圏の財務相らはギリシャが救済 プログラムの条件順守で進展を見せたと評価した。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「これは欧州連合 (EU)がギリシャ支援に傾いていることを意味する」と指摘。「ギリ シャのデフォルト(債務不履行)あるいはユーロ離脱の可能性は低下し つつあるようだ。このような発言があるとき、金は必要とされない」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前週末比0.5%安の1オンス=1183ドルで終了。

銀先物7月限は0.9%下げて16.314ドル。プラチナ先物7月限 は1.4%下落の1127.30ドル。パラジウム先物6月限は2.7%安の780.45 ドル。

原題:Gold Futures Fall Amid Signs of Easing Tensions on Greek Bailout(抜粋)

◎NY原油:反落、ブレントは3日続落-供給超過の長期化警戒

11日のニューヨーク原油市場ではウェスト・テキサス・インターミ ディエート(WTI)先物が反落。ロンドンの北海ブレント原油は3営 業日連続安となった。モルガン・スタンレーとバークレイズは、大西洋 などでの過剰生産が原油相場の上昇を抑制する可能性があると分析。供 給超過が長期化するとの見方から売りが優勢となった。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏(フロリダ州ジュピター在勤)は電話取材に対し、「大西洋海 盆には原油が過剰にある」と指摘。「北海原油だけでなく、ナイジェリ アからも大量の原油がタンカーで運ばれている。紛争で混乱しているリ ビアでさえも原油を積み出している状況だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前週 末比14セント(0.24%)安い1バレル=59.25ドルで終了。ロンドン ICEのブレント6月限は48セント(0.7%)下げて64.91ドル。

原題:Oil Retreats on Speculation Global Crude Supply Glut to Endure(抜粋)

◎欧州株:3日続伸、小売りデレーズとアホルド高い-合併協議の報道

11日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は3日 続伸としては1月以降最高のパフォーマンスとなった。小売り銘柄と鉱 山株の上げが目立った。

小売りではベルギーのデレーズ・グループが15%急伸、オランダの ロイヤル・アホルドは5.5%上げた。両社が合併の可能性をめぐり協議 の初期段階にあると複数のベルギー紙が報じ、これが買い材料となっ た。資源銘柄も買われたが、これは中国人民銀行(中央銀行)がここ半 年で3度目となる利下げに踏み切ったことが手掛かり。

一方、航空機メーカーのエアバス・グループは2.1%安。ギリシャ のピレウス銀行とユーロバンク・エルガシアスは10%以上の値下がり。 同国への救済融資を協議するためユーロ圏財務相会合(ユーログルー プ)がこの日開かれている。

ストックス600指数は前週末比0.3%高の401.34で終了。一時 は0.2%下げ、0.5%上昇する場面もあった。業種別では小売り銘柄 が1.5%、鉱山株が1.6%それぞれ上げた。フランスのCAC40指数 は1.2%下落、ギリシャのアテネ総合指数は2.5%安となった。

ルツェルン州立銀行(スイス)のトレーダー、ベンノ・ガリカー氏 は、「ギリシャ問題は決して終わらない」とし、「問題をまたしても先 送りする一時しのぎの解決策を見つけるのだろう」と発言。その上で 「現在は静かで様子見状態にはあるが、押し目は買いだと依然確信して いる。割安な資金と健全な企業バランスシートを背景にM&A(合併・ 買収)は増える見込みで、これが欧州株を支えるはずだ」と付け加え た。

業種別19指数の中で資源銘柄の上昇率が最も大きかった。英豪系鉱 山会社リオ・ティントと、スイスのグレンコアはそれぞれ1.1%上げ た。

原題:Europe Stocks Gain Third Day as Delhaize Jumps With Ahold on M&A(抜粋)

◎欧州債:スペイン、イタリア債下落-ギリシャ支援合意困難との見方

11日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が3営業日ぶりに 下落。ギリシャ協議で同国の資金不足を回避できないとの懸念が強ま り、ユーロ参加国の国債から資金が流出した。

当局者2人によれば、ユーロ圏の財務相らはこの日、救済プログラ ムの条件達成に向けたギリシャの進展を歓迎すると同時に、融資実行前 に一段の作業を求めた。12日には国際通貨基金(IMF)への7億5000 万ユーロ前後の支払い期限が迫っている。イタリアは2018-46年満期の 債券を13日に最大70億ユーロ発行する。ドイツ国債もこの日は下げた。

KBCバンクの債券ストラテジスト、マティアス・ファンデルユフ ト氏(ブリュッセル在勤)は「12日のIMF支払いをめぐり、一部の当 局者は期限を守ると発言したが、難しいとの声も出ている」と指摘。 「周辺国のスプレッドがやや拡大する可能性がある。イタリアが債券を 発行するなど、同国債への重しとなり得る」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前週末比8ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.75%。前週末までの 2営業日で23bp下げていた。同国債(表面利率1.6%、2025年4月償 還)価格はこの日、0.75下げ98.66。同年限のイタリア国債利回りは9 bp上昇し1.77%。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは前週末比6bp上 げ0.61%となった。

ラボバンクのシニア市場エコノミスト、エルウィン・デフロート氏 は、ドイツ国債は「引き続き流動性不足をめぐる懸念に左右されてい る。ギリシャ情勢はあっという間に悪化する可能性があり、そうなれば ドイツ債利回りは再び急激に低下するだろう」と述べた。

原題:Spanish Bonds Fall With Italy’s as Greece’s Talks Rattle Markets(抜粋)

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