日本株は3日続伸、為替安定や還元姿勢下支え-HOYA急伸

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12日の東京株式相場は3営業日続伸。欧米金 利の上昇に対する警戒で午前は安かったが、為替の安定や企業の株主還 元姿勢が下支え要因となり、主要株価指数はプラス圏に浮上して終え た。自社株買いを行うHOYAが午後に急伸するなど精密機器株が高 く、輸送用機器や電機など輸出関連、電気・ガスや保険株も高い。

TOPIXの終値は前日比3.94ポイント(0.3%)高の1602.27、日 経平均株価は3円93銭(0.02%)高の1万9624円84銭。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケッ ト・ストラテジスト、重見吉徳氏は「流動性相場が拡大する中、債券も 株も買われる状況がしばらく続き、その巻き戻しがいったん生じた」 が、ユーロ圏経済の構造を踏まえれば、金利上昇は「そう長く続くもの ではない」と指摘した。

きょうの日本株は、ギリシャ情勢の不透明感を背景にした前日の欧 州、米国長期金利の上昇が嫌気されたほか、ブリヂストンなど一部決算 失望銘柄への売り圧力を受け、午前の取引で日経平均は一時150円以上 下げた。

11日の欧州債市場ではスペインやイタリア債が下落(利回りは上 昇)、ドイツの10年債利回りも6ベーシスポイント上げ0.61%となっ た。欧州債の流れを受けた米国債も大幅安で、10年債利回りは2.27%に 上昇。前日の米国株は下げ、投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティ リティ指数(VIX)は上昇した。

ただ、ギリシャ情勢はその後救済をめぐる債権者側との交渉が進 展。12日が期限の国際通貨基金(IMF)への約7億5000万ユーロの返 済は履行する。支払い指示を11日に出したとギリシャ当局者2人が明ら かにした。ひとまず懸念が薄れる中、きょうのドル・円相場はおおむね 1ドル=120円10-20銭台で推移。前日の日本株市場の終値時点119円96 銭に比べ円安方向にあったことも日本株の支援材料になった。

また、大和証券投資戦略部の山崎徳司チーフアナリストは、企業に よる2016年3月期業績の「保守的な計画は想定通りで、サプライズはな い」とした上で、「増配や自社株買いなど株主還元をする企業は想定よ り多い。積極的な株主還元が日本株の下値を支える要因になっている」 と話していた。午後の取引で、発行済み株式総数の2.36%に当たる自社 株買いを発表したHOYAが急伸し、精密は東証1部33業種の上昇率で トップだった。

33業種は精密や電気・ガス、保険、海運、鉄鋼など19業種が上昇。 ゴム製品、鉱業、サービス、倉庫・運輸、医薬品、不動産など14業種は 下落。東証1部の売買高は27億3127万株、売買代金は2兆7513億円。値 上がり銘柄数は1017、値下がりは731。

東証1部の売買代金上位では、減資観測で前日急落したシャープが 反発。今期営業利益計画が市場予想を上回った荏原、第1四半期が大幅 増益のヤマハ発動機、自社株買い発表のSBIホールディングスも高 い。スズキや双日、オリンパスも上昇。これに対し、第1四半期利益が 市場予想を下回ったブリヂストは売られ、今期営業利益計画が市場予想 に届かなかった太陽誘電やセコムは急落した。野村ホールディングスや 三菱地所、アステラス製薬も安い。

--取材協力:佐野七緒.

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