野村とRBS、住宅ローン担保証券販売の米訴訟で損害賠償へ

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2008年の金融危機前に米住宅公社に対し虚偽 の説明をして欠陥のある住宅ローン担保証券(MBS)を販売したとし て、米連邦住宅金融局(FHFA)が野村ホールディングスとロイヤ ル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)を相手取って 起こしていた訴訟で、米連邦地裁の判事は11日、野村とRBSが「甚だ しい」虚偽行為を行ったとの判断を下すとともに、要求すべき損害賠償 額を提示するようFHFAに命じた。

ニューヨーク・マンハッタンの連邦地裁のデニース・コート判事 は、野村とRBSがファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマッ ク(連邦住宅貸付抵当公社)を欺いたと認定。FHFAはMBSの損失 に絡んでこれまでに10社以上の金融機関を提訴したが、法廷で争われる のは今回が初めてだった。

同判事は「投資勧誘の文書はこれら担保付きローンを正確に説明し ていなかった」と指摘。「虚偽の程度は控えめに見積もっても甚だし い」と、11日に公表された361ページの文書で述べた。その上で損害賠 償額の算定基準を示した。それに基づくと原告側の当初請求額の約半分 に相当する5億ドル(約600億円)に上る可能性がある。

今回の判断はMBS訴訟を起こされた他の金融機関に和解を促す公 算が大きい。FHFAはこれまでにバンク・オブ・アメリカ(BOA) やJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスなどと179億ドル 相当の支払いで和解している。

上訴の方向

この判断について野村の山下兼史広報担当は12日、「野村は裁判所 の結論には同意できず、今後出される判決を確認の上、上訴する方向で 検討している」と述べた。また、野村はファニーメイとフレディマック との全ての取引において「一貫して誠実かつ透明性を維持し、プロフェ ッショナルとして対応したと確信している」と語った。RBSの広報担 当のリンダ・ハーパー氏はコメントを控えた。

FHFAの法務顧問アルフレッド・ポラード氏は、判決文を FHFAは現在検討中であり、「損賠額の提示に前向きだ」と電子メー ルで述べた。

同連邦地裁で3週間にわたって行われた審理で、野村とRBSは MBSの価格が暴落したのは住宅市場崩壊によるものだと主張した。コ ート判事はこの日の判断で、野村は当時、サブプライム(信用力の低い 個人向け)ローンの買い入れと証券化で他行と競争しており、同ローン の売り手との取引関係維持を第一に考えていたと指摘し、野村側の主張 を退けた。

原題:‘Enormous’ Nomura, RBS Deception Case Seen Spurring Deals (2)(抜粋)

--取材協力:Clea Benson、Elizabeth Dexheimer、日向貴彦.

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