石油元売り大手そろって黒字化見込む-中計目標は届かず達成先送りへ

石油元売り大手のJXホールディングスと出 光興産の今期(2016年3月期)の業績見通しが出そろった。原油価格急 落で赤字となった前期(15年3月期)から一転、黒字化の見通しとなっ た。今期は両社の中期経営計画の最終年度にあたるが、計画で示した目 標額の達成は難しそうだ。

JXの発表資料によると、同社の在庫評価の影響を除いた今期の経 常利益予想は前期比14%増の2900億円。中期経営計画では今期の在庫影 響を除いた経常利益を4000億円以上と見込んでいた。出光の営業損益 (持ち分法投資損益と受取配当金を含む)も前期の935億円の赤字か ら1010億円の黒字に回復する見通しだが、中期経営計画で示した1500億 円という目標には未達となる。

JXの松下功夫社長は11日に都内で会見し、当初1100億円と見込ん でいた今期の韓国のパラキシレン事業やチリのカセロネス銅鉱山など大 型戦略投資からの収益が、市況の悪化や計画の遅延で200億円に減るこ とが影響すると話した。

出光も資源価格の下落などが目標の達成に影響する見込み。鷺島敏 明経理部長は7日の会見で、「油価の乱高下がなければ一定水準マージ ンの高い収益が実現可能だ」と指摘。「精製用の燃料費の減少やナフサ など連産品の収益改善など油価下落のメリットを生かし、15年度は大幅 な増益を目指していきたい」と述べた。

両社は業績予想の前提として今期のドバイ原油の平均価格を1バレ ル当たり60ドルと想定。ブルームバーグのデータによると、ドバイ原油 の価格は6日に66.96ドルと5カ月ぶりの高値をつけた。今後も堅調に 推移すれば業績予想は上振れする。JXはドバイ原油が1ドル上昇すれ ば経常利益を80億円押し上げるとしている。

財務体質の強化

またJXは当初0.9倍と予定していた16年3月期末のネット負債資 本倍率(ネットDEレシオ)について、前期比0.1ポイント改善の1.1倍 を見込んでいる。松下氏は「16年度からの第三次中計につなげる1年 間。あらゆる施策を講じて利益を積み上げていくとともに、投資圧縮に よる財務体質の改善を図っていきたい」と述べた。

JXは財務体質の改善策として、16年3月期までの2年間に資産売 却と設備投資抑制で2000億円の捻出を計画。15年3月期には旧新日本石 油本社ビル(港区西新橋)などの売却によって800億円を達成。株式や 遊休資産の売却などを通じて、16年3月期内に残る1200億円のキャッシ ュフロー改善を実現する構えだ。