【今週の債券】長期金利0.4%割れ試す、10年入札で投資家需要との見方

今週の債券市場で長期金利は0.4%割れを試 す展開と予想されている。欧州債券市場に端を発した世界的な債券下落 の流れが一段落したことに加えて、足元の利回り上昇で10年利付国債入 札では投資家から一定の需要が見込まれていることが背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.37-0.50%となった。前週は欧州債相場の急落を受け、米 国債利回りもつられて大幅上昇したことが売り材料となり、一 時0.435%と3月11日以来の水準まで上昇した。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、「ドイツなど欧州で金利が急騰したのは、これまで買われ過ぎてい た反動。円債市場のポジションは傷んでおらず、米雇用統計といったイ ベント通過で買われそう」だと言う。

財務省は12日に10年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率 (クーポン)は0.4%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回債と同 額の2兆4000億円程度となる。

10年債入札が要注目

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、ボラタイルな中で、10年債入札は要注目と指摘。「1-3月期に国 内投資家が結構残高を落としていたので、金利が上昇して良い買い場に なると思う。10年債入札を波乱なく通過できれば、30年債入札も問題な いと思う」と言う。

14日には30年利付国債入札が行われる。前回の46回債と銘柄統合す るリオープン発行となり、クーポンは1.5%に据え置かれる見込みだ。 発行予定額は前回と同額の8000億円程度となる。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、米欧に比べると、「日 欧の緩和打ち止めが視野に入らないうちは、追加緩和前の金利水準を支 持線とした取引が続いておかしくないだろう。また、生保が運用計画に 沿って購入を膨らませそうな金利水準にも近付いている。その観点に立 てば、10年債利回りは0.4%台後半、30年債利回りは1.4%台後半がそれ ぞれ現実的なターゲットに思える」と言う。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年物国債利回りの予想レ ンジは以下の通り。

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物146円30銭-147円50銭

10年国債利回り=0.37%-0.50%

「欧州債券市場の落ち着きどころを探る展開。前週にはヘッジファ ンドや銀行勢などが売って値崩れした。欧州の金利が低水準だったの で、日本国債や米国債を買っていたことの反動が出ている。欧州の金利 が上昇して買い戻された時に、再び売りが出るかどうか、もう少し様子 を見る必要がある。ただ、欧州中央銀行(ECB)は国債買い入れを継 続していくので、いずれ落ち着いていくと思う」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物6月物146円50銭-147円40銭

10年国債利回り=0.37%-0.45%

「長期金利上がっても0.4%台半ばまで。買いポジションがかなり 圧縮され、金利がECBの量的緩和発表前の水準に達したため、次第に 落ち着きを取り戻す可能性が高い。11日にユーロ圏財務相会合、ギリシ ャ債務問題の火種はなおくすぶる。連休中の海外金利上昇を手掛かりに 7日に水準切り上げたが、4月後半の0.3%割れでも慎重に対応してお り、欧州債などと比べてポジションは非常に軽い」

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト

先物6月物146円00銭-147円20銭

10年国債利回り=0.38%-0.50%

「直近の欧州金利の上昇は、低すぎた長期金利水準の修正リスク が、一気に顕在化したものと考えられる。現在、欧州金利の修正はだい ぶ進行したようにも見えるが、短期的にはさらなる上昇へ向かう可能性 も否定できない。焦ってロングポジションを構築する必要性には乏しい だろう。ただ、10年金利が0.5%に接近するような局面があれば、中期 的に見てもアウトパフォームする公算が大きいとみられるため、押し目 買いスタンスで臨みたい」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典