こういう会社が社員をサボらせる-「週80時間労働」なんてうそ

要領の良い会社員が週80時間働い ているように見せ掛けるのは簡単だ。ワーカホリック(仕事中毒)と長 時間労働を装いながら実は人間らしい生活を送っている人が案外いるこ とが、最近の研究で分かった。こうした勤労者は主として男性で、ちゃ んと5時半に帰宅し子供たちと一緒に夕食を取っているという。

オーガニゼーション・サイエンス誌で発表され米紙ニューヨーク・ タイムズが要旨を掲載した研究結果によると、彼らは相対的に短時間し か働かないにもかかわらず、高い業務評価と昇進を手に入れていた。

研究は「著名な」コンサルティング会社1社を対象に絞り、企業名 は明かさずに発表されたが、そこで浮き彫りになった現象は全米に広が っているようだ。小売りのベスト・バイやウォルマート・ストアーズ、 その他のフォーチュン100企業に勤務経験のあるビビアン・ランク氏は 「そういう行為をどの会社でも見た」と言う。例のコンサルティング会 社の従業員の1人は研究を率いたエリン・リード氏に「当社の電子メー ルシステムでは誰がログインしていて誰がしていないかが分かるように なっている」と語っている。働いているように見せるには、システムに ログインすればいい。その後はコンピューターの前を離れてスキーをし ていても、携帯電話が鳴った時に出ればばれないというわけだ。

こういう詐欺的な行為に腹を立てるのは簡単だが、ラトガース大学 のジョー・マキューン教授(人事管理)は勤務時間を評価の基準にする 制度が悪いと指摘する。「働く時間の長さは実は成果に連動しないから だ」という。

オフィスでの勤務時間やシステムにログインしている時間を基に業 務の成果を測るのは間違いだ。こういう時間全てが仕事に使われるわけ ではない。最近の調査によれば、大手企業の従業員は勤務時間の45%し か「主要な職務の遂行」に使っていなかった。その時間の一部は意味の ない会議や大量の電子メールへの返信に費やされる。別の研究はまた、 勤労者が平均で1日1.5-3時間をソーシャルニュースサイトのレディ ットを見たりオンラインショッピングなど余暇活動に使っていることを 示した。

時間よりも成果に評価を連動させた方が、企業は社員から多くを引 き出せるとマキューン氏は話す。「目標を与え達成度を測る」のだとい う。「OKR(Objectives & Key Results)=目標と結果」という評価 方法はグーグルやリンクトイン、インテルで採用されている。

しかし、「部下の一人一人について目標を設定するのは管理職にと って大量の作業になる」とランク氏は指摘。そのため「会社に来ていれ ば働いている」という安易な評価になりがちだという。そうすると、自 由のなさに不満を感じる従業員がシステムをかいくぐることを考え始め る。「時間を評価基準にする会社は愚かだ。社員のごまかしを奨励する ことになる」とマキューン氏は述べた。

原題:Laid-back office workers who manage to pass as workaholics aren’t your enemy(抜粋)