日本株続伸、米雇用統計と中国利下げで広く上昇-東芝は急落

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11日の東京株式相場は続伸。米国雇用統計の 回復や中国の利下げで投資家のリスク回避姿勢が後退し、電機や商社、 非鉄金属など海外景気敏感業種のほか、小売や情報・通信など内需株も 高い。今期は最終黒字転換を見込むJXホールディングスなど石油株も 上昇。半面、不適切会計で決算を先送りする東芝はストップ安。

TOPIXは前週末比10.57ポイント(0.7%)高の1598.33、日経 平均株価は241円72銭(1.3%)高の1万9620円91銭。

りそな銀行の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、世 界的な調整が一時見られたが、「原油が上がり続けるわけではなく、金 利も落ち着き、株価の下落がいったん止まった。そこに中国の利下げの 影響も加わった」とみる。

米労働省が8日に発表した4月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数は前月比22万3000人増加した。速報値で12万6000人増だった前月 は8万5000人増に修正され、2012年6月以来の低水準となった。家計調 査に基づく失業率は5.4%と、08年5月来の最低水準だった。

雇用統計の内容を好感した同日の米国株は、ダウ工業株30種平均 が200ドル以上上げるなど主要3指数が1%以上上昇。欧州株も、スト ックス欧州600指数が2.9%高、ドイツDAX指数が2.7%高と大幅高と なった。投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数( VIX)は、15%低下の12.86に下がった。

三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、米雇 用統計は「悪くない数字だが、利上げができるほど強いわけでもなかっ た」とし、中国の利下げ実施も含め「今の株式は金融相場だ。そうした 中、為替が安定しているのもプラス」との認識を示した。

中国人民銀行(中央銀行)は10日、経済支援強化のため、11日から 政策金利である貸出基準金利(1年物)を0.25ポイント下げ5.1%、預 金基準金利(同)を0.25ポイント下げ2.25%にすると発表した。りそな 銀の黒瀬氏は、「市場センチメントを崩さないための意思表示。実体経 済がゆっくり減速している状況は変わらず、それを加速させない程度の センチメントの下支えで十分」と言う。

日経平均一時300円高、東芝やシャープは急落

米雇用統計の改善や欧米株高、中国の利下げと海外市場の動きを好 感し、週明けの日本株は朝方から幅広い業種に買いが優勢。日経平均の 上げ幅は一時300円に達した。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、 株価の戻り歩調の要因として企業業績の堅調さを指摘。「日本の16年3 月期決算も今の段階では経常ベースで1割を上回るとの見方で、日銀短 観で示されたものよりだいぶましだ」と話していた。

きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=119円70-90銭台と、前 週末の日本株市場の終値時点119円96銭に対し落ち着いて推移した。

東証1部33業種は石油・石炭製品、卸売、倉庫・運輸、非鉄、証 券・商品先物取引、小売、通信など30業種が上昇。精密機器、保険、銀 行の3業種は下落。東証1部の売買高は28億9377万株、売買代金は2 兆8468億円。値上がり銘柄数は1309、値下がり460。

売買代金上位では、今期の連結営業利益計画が市場予想を上回った ミネベアが急伸。東京エレクトロンや野村ホールディングス、村田製作 所、三菱商事、三井金属、東ソーも高い。半面、不適切会計問題で前期 業績計画を未定に変更した東芝はストップ安。優先株発行や減資を含め たさまざまな資本政策を検討していることを明らかにしたシャープも急 落し、テルモやナブテスコも売られた。

--取材協力:Anna Kitanaka.

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