商社5社の減損計6911億円、資源急落が打撃-3社が利益計画未達に

総合商社5社の前期(2015年3月期)連結決 算が8日、出そろった。原油や鉄鉱石などの商品市況の急落を受けて資 源エネルギー分野を中心とした減損損失の合計は前の期と比べて3倍超 の6911億円に膨らんだ。3社が期初に立てた純利益予想を達成すること ができなかった。

住友商事は米国のタイトオイル事業など計3103億円の減損計上が響 き、前期は732億円の純損失と16年ぶりの最終赤字となった。丸紅も油 ガス田事業などで計1320億円の減損を計上し、前期の純利益は前の期 比50%減の1056億円と5期ぶりの減益となった。三井物産も減損額 は588億円に上り、純利益は13%減。減損損失を計上しつつ期初計画通 り増益を確保したのは三菱商事と伊藤忠商事のみ。

三菱商の内野州馬最高財務責任者(CFO)は8日に都内で会見し 「資源分野での減損計上は大変重く受け止めているが、非資源分野の底 堅い利益の積み上げで吸収した」と振り返った。丸紅の国分文也社長は 同日の会見で「昨年後半からの資源価格の下落が一番大きなインパク ト。今期(16年3月期)も非常に不透明で厳しい環境が続く」と述べ た。

原油価格は現在1バレル当たり60ドル前後まで上昇しており回復基 調にあるが、昨年7月ごろまでの100ドルを超えるような水準まで戻る ことは予想されていない。各社は今期業績の前提条件として原油価格の 今期平均が55-65ドル程度になると想定。今期も資源価格の低迷が続く とみており、非資源事業の収益力が全体の業績を左右することになる。

相次ぐ株主還元の強化

三菱商は原油価格の低迷継続や前期の株式評価益計上の反動などか ら、今期の純利益は前期比10%減の3600億円と減益を見込む。三井物も 純利益が同22%減の2400億円と予想。機械・インフラや化学品など非資 源事業は伸びるものの原油や鉄鉱石価格の下落による影響を補えず、同 社は2期連続の減益を見込む。

伊藤忠は今期の純利益を3300億円と、2期ぶりの最高益更新を見込 む。三井物を抜いて、三菱商に迫る水準となる。伊藤忠の岡藤正広社長 は「資源を抜きにすれば安定的に非資源の利益は伸びてきている」と説 明。中国政府系企業CITICグループやタイ財閥のCPグループとの 資本業務提携による利益貢献も寄与する。

株主還元を強化する動きも目立った。三菱商が昨年実施した600億 円の自社株買いに続いて今回1000億円を上限とした自社株買いを発表。 住友商と伊藤忠は今期から配当の下限を設定する仕組みを導入する。今 期減益を見込む三井物だが営業キャッシュフローの好調さなどを勘案す るとし、配当額は据え置いた。丸紅は減配予想とした。

【総合商社5社の業績一覧】
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        減損損失   前期純利益     今期純利益 
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三菱商事          950        4000( 11)        3600(-10) 
三井物産          588      3065(-13)        2400(-22)
伊藤忠           950         3006( 23)        3300( 10)
住友商事        3103         -732( --)        2300( --)
丸紅        1320         1056(-50)        1800( 70)
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  (注:単位は億円、カッコ内は前の期比%、減損は資源エネルギー
分野を中心とした主要事業の損失額、全社国際会計基準)
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